2006年11月17日

狂犬病と感染経路

怖いですね・・・36年ぶりに日本人の狂犬病の発病が確認されたそうです。フィリピンで野良犬にかまれたのが原因とのこと。

狂犬病ウイルスは、噛まれた場所から神経を伝って脳神経まで感染し発病します。狂犬病は発病したらもはや手遅れで、1週間ほどでこん睡状態に陥り死にいたる恐ろしい病気です。発病後の治療法はなく、自然治癒もまず望めず、致死率は100%と言われています。

日本では根絶されたと言われる狂犬病のウイルスですが、一部の島国や北欧の国を除いて、未だに世界で猛威を振るうウイルスなんですよね。最近も、オリンピックを控える中国が狂犬病対策に躍起になって、補償や動物愛護などの問題との兼ね合いで苦労しているような話を聞いたことがあります。

感染しても消毒してすぐにワクチンをうてばまず問題ない弱いウイルスなのですが、途上国などではワクチンの不足や偽ワクチンの流通、動物に噛まれた際の不適正な処置などで、依然として世界で毎年5万人ほどが発病し、亡くなっているそうです。




そういえば、小さい頃、飼い犬の注射をした際に、「狂犬病になると何故水を怖がるのか?」という質問を親(?)にしたことがあります。

何故、『水』限定なのか、ということです。まぁ知らないと答えられない質問ですよね・・・。

この水を怖がるという現象は、液体を飲み込むと喉などの筋肉が痙攣して激痛が走ることで生じるそうで、狂犬病ウイルスが直接脳に作用して起こす現象ではないそうです。まぁ直接作用していたら凄いですけど。
何故その筋肉が痙攣するのかは私は知りませんが、神経に働くウイルスなので痙攣であれば何となく納得できます。

海外に旅行した際に哺乳類系の動物に噛まれたら必ず検査するべきです。狂“犬”病とは言いますが、哺乳類であれば大体感染するようですので。





追加:感染経路など

感染者数はインドが一番多い(約3万人)ようですが、インドは人口も中国並みに多いので、人口当たりの死亡者数はどうなのか分かりません(中国はインドほど多くはないようです)。マラリアのように蚊が媒介しているわけではないので、寒い地域、たとえば、ロシアなどでも感染者が多く出ています。(参照:発生有無世界地図 http://nichiju.lin.go.jp/ekigaku/keneki/kyouken.htm)

犬のほかには、コウモリ(特に南米の吸血コウモリ)やキツネ、アライグマなどが感染源になることが多いようです。

予防するに越したことはないですが、発症前であれば消毒とワクチンで対処可能です。

狂犬病のウイルスは空気感染はしないようですが、恐ろしく容赦のない感染拡大の“ノウハウ”を持っています。

傷口から末梢神経に侵入し、ゆっくりと時間をかけて(1週間〜数ヶ月、長いものは数年:侵入部によって異なります。)中枢神経まで達することで発症、更に神経を伝って“唾液腺”へ行き、唾液中に送られます。そして、発病した動物の多くは、狂ったように周囲の生き物に“噛み付き”ます。その唾液には、ウイルスが含まれています。しかも、喉の周囲の筋肉がけいれんし、痛くて唾液は飲み込めませんので、口の中には大量の唾液がたまっています。

ウイルス入りの唾液があふれた口で、見境なく噛み付くんです。

吸血鬼をほうふつとさせるシステムです。

しかも、家族同然に可愛がっていた動物が、です。性格が豹変し凶暴化、“毒”の牙で噛み付いてくるんです。そして、すぐに弱って死んでしまいます。飼い主までも道連れにして。

また、動物の種類によっては、凶暴化せずに、麻痺症状がすぐにあらわれるものもあるようです。(この場合、どうやって拡大するのかは私は知りません。)

凶暴化した場合、『仲間』という意識が警戒心を解いてしまうので、群に一匹発病すると、急激に拡大することになります。空気感染でも近くにいる仲間に感染しやすいと言えますが、感染効率は噛み付いたほうが高いと思います。(発病率は約30〜60%)

しかし、キャリアがすぐに死んでしまうのでどの程度拡大できるのかはわかりません。ただ、哺乳類内であれば大抵感染可能ですので、移動能力の高く噛み付く能力に長けた生物種(吸血コウモリなど)に感染した場合は広く拡大することになります。



狂犬病ウイルスが進化の過程で獲得したシステムなんでしょうけど、ぞっとしますね・・・


posted by new_world at 07:22| Comment(4) | TrackBack(2) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。