2008年06月21日

三井住友銀のバークレイズ出資

1月のみずほコーポ銀による米投資銀行メリルリンチ支援に続き、今回、三井住友銀が英四大銀行の一角であるバークレイズを支援する方向で最終調整に入ったようです。

今回の三井住友銀の支援のポイントは「提携関係」を大きく取り上げているところでしょうね。

もちろん、1月のみずほコーポによるメリル支援の際も「将来の協業」に関する発言は見られましたが、投資がメインの支援でした。しかし、今回は、「提携関係」を表に出し、配当収入目的の投資ではなく、ビジネス拡大を狙った「戦略的な投資」であるとしています。

三井住友銀がここまで海外銀との「提携関係」にこだわるのには訳があります。

三井住友銀は海外部門が弱いんです。海外部門の粗利は、まぁ東京銀行を由来に持つ三菱UFJは別格ですが、みずほに比べても3割近く低い水準に三井住友銀はとどまっています。

海外展開は日本の金融機関の宿命であると言えます。日本の経済は今後、低成長もしくは縮小の傾向にあり、現在のままでは金融で大きな成長をすることは難しいんです。日本の拡大以上の拡大を行うには、海外でビジネスを展開するしかありません。

そのため、海外進出に出遅れている三井住友銀は、これを機に出遅れた海外部門の強化も狙っていると考えられます。バークレイズは大英帝国時代の植民地にあたる国々を中心に海外拠点を多く持ちます。特に、邦銀の進出が遅れている中東やアフリカにも強い基盤を持っています。

三井住友銀の狙いは、そこにあるのだと言われています。三井住友銀の目には、バークレイズの先に、中東やアフリカが見えているはずです。海外基盤の弱い三井住友銀が、資源高で巨額の資金を持つ中東やアフリカで事業を展開できれば、今後の事業拡大に大きな貢献をするでしょう。


サブプライムによる損失を受けて資本増強を行う場合、これまでは政府系ファンド(SWF)が中心的な役割を果たしてきています。今回のバークレイズの増資への支援も、三井住友銀以外は各国のSWFのようです、ただ、最近は、SWFがどこまで支援するのか不明確な状況になっています。

というのも、支援のため第三者割当などで取得した株式が、金融機関株の下落の流れで下落し、含み損が相当な額に膨らんでいるようなのです。もちろん、第三者割当の増資に当てられるものは通常は普通株ではなく優先株ですので配当などは優先されますが、それでも価値の低下は投資に二の足を踏ませる事になります。

そこで、白羽の矢がたったのが邦銀。

日本の金融機関は、バブル崩壊後海外から引き上げていた事もあってサブプライム問題の影響が少なく、また、長期の不況を経験する中で体力もついてきています。そのため、最近は欧米の金融機関から出資の要請が結構来ているようです。

ただ、邦銀も比較的健全であるだけで、商社のように絶好調と言う訳ではないので、出資できる額には限りがあります。そのため、自行の利益になる相手を選択して投資することになります。欧米の金融機関の増資に関しては今後もでてくるはずですし、まだまだ焦って投資する必要は無いと考えているのかもしれません。

まだ動いていない三菱UFJの動きも注目されています。三菱は今は東三とUFJのシステム統合で急がしそうですので、もう少し先になるのかもしれません。また、みずほコーポ銀や三井住友銀も更なる支援を行う可能性は充分あります。

邦銀の地位が相対的に高くなっているこの機会を有効に利用できるか否かで、邦銀の将来が左右されると思います。


posted by new_world at 14:43| Comment(2) | TrackBack(0) | 政経な話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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