2008年09月21日

為替とは?相場とは?

たまには銀行員らしい話を。

最近、世界中が一喜一憂して、為替相場が乱高下しています。ドルやユーロなどに対し1日で2〜3円外為相場が変化することも珍しくありません。


ところで、よくニュースの終わりで流れてくる「外国為替相場」、それがどういう意味の言葉なのか、普通は考えませんよね。

為替って何?って感じです。

何となく、ドル円の交換レートとして認識していると思います。

まぁそれでも正しいのですが、本来的に、というか、単語の意味的には少し異なります。

まずは為替の意味から説明します。

為替と言うのは、本来「遠隔地へ現金以外でお金を移動させる事」です。

まぁ振込とか送金とかそんなやつです。

大量の現金を運ぶと言う労力とリスクを回避する為に、様々な方法で遠隔地での支払いを可能にした物が為替です。日本では鎌倉時代あたりから使われていて、江戸時代には世界的に見ても極めて高度な為替制度が存在していました。

まぁその原因としては、当時、日本の「経済の中心」と「人口の中心」が違った事などがあげられますね。

江戸時代、経済の中心は大阪でした。ただ、幕府の関係で江戸には沢山の人が住んでいて、人口の中心、すなわち、「消費の中心」は江戸でした。

しかし、多くの品物は経済の中心である大阪に集まります。江戸の商店は、大阪の問屋から品物を仕入れなければなりません。

そこで、大阪からは品物を、江戸からはお金を送る事になります。

しかし、品物に比べ、現金を運ぶのはかなりリスクが高いですよね。無くなっても気付きにくいですし。奪われたものを特定するのも困難です。

なので、江戸の商店は、できれば大阪にお金は送りたくない訳です。

それで、活躍するのが銀行です。当時は、両替商と呼ばれていました。


たとえば、次のような感じで為替は行われます。

東京の商人が大阪へ品物を注文し、料金(多額)を支払うとします。

その場合、東京の商人はまず東京の両替商にお金を渡します(もしくは預金の形で預けておいたもの)。そして、東京の両替商は手形を発行します。

その手形は大阪の問屋に送られて、商品は東京に送られます。

大阪の問屋は受け取った手形を大阪の両替商(東京の両替商の本支店や取引のある大店)に持っていき、現金化します。

そして、最終的には、月末などの決められた時期に、両替商同士がまとめて差額決済します。大阪→東京というお金の流れもある訳です。

たとえば、ある両替商同士の送金が東京→大阪100、大阪→東京30なら、差額の東京→大阪70のみの決済が行われます。

今ではネッティング決済などと呼ばれる仕組みです。

まぁ最終的にはお金は動かなくてはならないのですが、リスクを軽減する事ができます。


ちなみに、現在でも、両替商=銀行が決済を行っています。

いわゆる手形や小切手、振込などの形で。(手形や小切手は銀行に当座預金のある企業のみが支払いに用います。)

そして、最終的な銀行間の決済も差額決済で行われていて、それは、日銀にある各銀行の口座の残高を調整する事によって行われます。

たとえば、A銀行とB銀行の間での決済が、A銀行→B銀行の分が1億円多かったとすると、A銀行の日銀口座の残高が1億円減り、B銀行の日銀口座の残高が1億円増えます。

この仕組みを全銀システム(振込など)や手形交換制度(手形・小切手)と言います。




これが為替です。

為替の意味が分かると外為相場の意味も分かると思います。つまり、外国為替相場と言うのは、外国との為替の相場、ということで、元々の意味は外国へ送金などをする場合の相場=交換レートということです。

まぁ実際は、ほとんど交換レートという意味で使われてはいますけどね。

言葉の意味としては外国為替の際の相場という意味です。


ちなみに、外国為替においては全銀システムのようなシステムは存在せず、また、株式などの取引所のような場所もありません。世界中の銀行同士がそれぞれに売り買いをしているだけです。


posted by new_world at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 政経な話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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