たとえば、昨年HV初の販売台数年間トップとなったプリウスですが、国内で製造できる工場は2つしかなく、しかも、新型発売で価格が下がったり、エコカー減税があったりで、フル稼働でも製造が間に合わず、今は知りませんが、以前は半年待ちみたいな状態になっていましたよね。
プリウスは、工場フル稼働だと1〜2分に1台のペースで製造できるそうですが、それでも間に合わなかったようです。
そのせいで面白い状況が生じました。
通常、需要と供給のバランスが崩れると価格で需給が調整されます。つまり、需要が多くなると価格が上がる訳です。しかし、車の場合、新車の価格は企業側が設定した上限がありますので、割引が少なくなる可能性はありますが、企業が提示した価格を超えることがありません。企業が価格を上げると言う可能性はありますが、企業イメージの問題で考えにくいと思います。
ただ、中古車は別です。
「すぐ手に入らない」というマイナス要因で「新車の需要が下がり」、「その需要が中古車に向いた」訳です。
そして、中古車の価格が上昇し、ついには新車の価格を超えたのです。
限定生産の高級品とかではなく、プリウスは年間21万台売り上げた大衆車ですからね・・・本当に異常事態です。
ところで、もう一台、昨年世界を騒がせた車があります。
インド、タタ自動車のナノです。
一台20万円と言う超低価格を売りにしているこの車ですが、プリウス以上に需給のバランスが崩れているようです。年間製造可能台数よりも注文が多いとか・・・。
ただ、こちらの製品は「超低価格」が売りなので、「価格が上がる」という要因が需要減に強く働き、中古品でもあまり値段が上がらないようです。