2008年06月15日

動く植物

植物の動き・・・生長以外でも植物は色々と動きます。たとえば、生長中のヒマワリは葉を太陽に向けますし、倒れた植物は上に向かってのびようとします。このような植物の動きの中で、最も有名かつ素早い動きとしては、オジギソウの葉の動きがあげられると思います。

ご存知の通り、オジギソウは接触刺激により葉を閉じます。

この刺激の伝達には動物の神経と似た伝達方法が用いられています。「オジギソウの刺激伝達物質」がいくつか発見されていて、それらの物質によって接触部から葉の根元の葉枕と呼ばれる部分まで刺激が電気刺激として伝えられます。

ただ、植物には動物のような筋繊維は無いので、動くには別の仕組みが必要です。

詳しくは分かっていないようですが、そこには、「水分子の移動」が重要な働きをしているようです。まず、伝達物質を受けた葉枕の細胞は水分子を細胞外へ排出し、それによってアクチンと言う細胞骨格(※)の束が(脱リン酸化され)崩壊し、それが葉の動きに影響しているのではないかと考えられているようです。


ちなみに、オジギソウにもジエチルエーテルによる麻酔が可能だそうで、動物同様に、エーテルを“かがせる”と、オジギソウも動かなくなるそうです。そのメカニズムはまだよく分かっていないようですが、エーテルによる動物神経の非特異的な抑制と似たようなメカニズムが働いて、刺激伝達物質の伝達が抑えられてしまうのかもしれません。


また、オジギソウには概日リズム(サーカディアンリズム、体内時計)が存在します。それについても、いつか紹介したいと思います。



※細胞骨格
細胞骨格とは、細胞の形状を維持したり、細胞の動きや内部構造の変化などに重要な働きをしている物質です。

動植物の細胞のような真核細胞には、太さの異なる微小管(太めの管)、中間径フィラメント、アクチン繊維(細い繊維)という3種類の細胞骨格が存在し、それぞれが多くの役割を果たしています。

骨格と言っても安定的なものではなく、特に微小管やアクチンフィラメントなどは繊維を作ったり崩壊したりする事で重要な働きをしています。たとえば、アクチンが束を作る事で細胞に突起ができ、アクチンが崩壊する事で突起がなくなる、みたいな感じです。

細胞の形状維持・変化以外にも、たとえば、微小管は細胞分裂時に染色体を分配させますし、アクチン繊維はミオシンという繊維状の物質との相互反応で、筋収縮(筋肉の動き)を起こしています。

細胞骨格と細胞接着分子との連携により、多細胞生物における全体の形状維持にも重要な働きをしています。


posted by new_world at 13:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
「生物系記事」のシリーズ、とてもわかりやすくていいですね。
Posted by iwaiy at 2008年06月21日 19:12
iwaiyさん
返事が遅れてすみません。

ありがとうございます。もともと図が少なく分かりづらいところが多いこのブログですが、最近は数少ない図もブログの移転で消えてしまって更に分かりにくくなっています・・・これから、より分かりやすいブログを作っていこうと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。
Posted by new_world at 2008年07月06日 01:29
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