2008年07月06日

サイトカインストーム〜新型インフルエンザで若者が倒れる?〜

私も詳しい事は知らないのですが、H5N1型のインフルエンザウイルスの人への感染においてサイトカインストームと呼ばれる症状が確認されているそうです。

サイトカインについては何年か前に説明した事がありますが、マクロファージから分泌されるある種の伝達物質の総称です。

炎症について簡単に振り返っておきますと、マクロファージが病原体を飲み込むとサイトカインやロイコトリエンなどの炎症を引き起こす物質を産生します。

炎症と言うのは、血管の拡張とそれによる血流の増加と血流速の低下、血管壁の内皮細胞の活性化による白血球を接着する分子の発現、そして、血管壁の内皮細胞同士の結合の低下による血管透過性の亢進による血液中の液体や蛋白の組織への移動、の大きく分けて3つの過程により生じます。これにより免疫物質・細胞の動員、物理的な障壁の形成、そして、修復の促進が行われます。また、痛みを発する事で患部を示し、固定させる働きもします。



サイトカインストームと言うのは、サイトカインが過剰に産生されることでこの炎症反応が過度に生じて起きるもので、高サイトカイン血症とも呼ばれ、敗血症の一部にもサイトカインの過度の産生によるものがあります。約100年前のスペイン風邪でも多くの若者がサイトカインストームによって命を落としたとされています。

現在トリからヒトへの感染が確認されているトリインフルエンザにおいても同様の反応が見られるようで、トリインフルエンザの死者は確定数で385名が感染し内243名(63%)がなくなっているそうですが、その中でも若者の占める割合が高いようです。

もちろん、若者が感染しやすい環境にあったとも考えられますが、ヒトからヒトへの感染は確認されていないので学校などにおける集団感染はなく、若者が極端に感染しやすい環境にあったとは言えません。

もし、これがヒトからヒトへの感染の段階へウイルスが進化した場合、同様に若者が多く倒れる可能性が示唆されています。必ずそうなると決まった訳ではないですが、可能性は高いのです。

自分が健康だからと、新型インフルエンザを甘く見るのは危険なのです。


posted by new_world at 13:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 生命の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
レスありがとうございます。こちらにコメントします。今年の夏も非常に暑くなりそうで、物価高騰とともにしんどい夏になりそうです。インフルエンザウィルスは空気中でも6時間は生きてるとも聞きました。密閉された空間、エレベーターとか電車内とか、人ごみで防御するのは難しいですね。マスクは暑苦しいですし。
Posted by tenmado_skylight at 2008年07月06日 23:11
tenmado_skylight さん
人ごみは危険ですね。毎朝満員電車に乗っていますが、考えると気持ち悪くなるので、考えないようにしています。感染したら運が悪かったと思うしかないですね・・・。
Posted by new_world at 2008年07月13日 22:01
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