2009年11月01日

日本の犬の25%は日本脳炎に感染

2005年に副作用を理由に厚労省がワクチン接種の積極的勧奨の差し控えをした「日本脳炎」ですが、依然として日本中にウイルスは蔓延しているようです。

山口大学の調査によると、全国の動物病院にかかった犬の25%が日本脳炎に感染している(もしくは感染した事がある)ことが判明したとのこと。

特に、四国で61%、九州で47%など、西日本で高く、中国26%、近畿23%、関東17%など東に行くに連れて下がり、北海道ではほぼ0%。

また、蚊が媒介すると言う点からか、室外で飼育されているイヌの方が室内犬よりも感染率が高く、室外犬45%、室内犬8%。

今の所、蚊が媒介したイヌ→ヒト感染はないので、このデータの示す事は「イヌに近づくのは危険」ではなく、「今飛んでいる蚊もウイルスを持っていて危険」ということになります。

「今飛んでいる蚊がウイルスを持っている」ことが重要なんです。

日本脳炎ウイルスは蚊が媒介するウイルスで、感染しても1%程度しか発症しない不顕性感染のウイルスですが、抗ウイルス薬がないため、対処療法しかありません。

脳症まで進行してしまうと致死率は20%と言われ、回復しても半数に脳へ障害が残りますので、完治するのは30%程度ということになります。

現在でも、東南アジアを中心に毎年1万人以上が発症しており、ワクチン接種が開始される前には日本でも毎年1000人が発症していました。

現在は、ワクチン接種のおかげで年間数人しか発症していませんが、05年以降ワクチン接種が行われなくなった事から、これからは子供を中心に次第に増えていくと考えられます。

ただ、ワクチン接種が始まった40年前とは環境がかなり異なります。「温暖化で蚊が増える」という人もいますが、40年前と今では、空調技術の向上から建物の密閉性があがっていて蚊を屋内で見る事は少なくなっていますし、虫除けスプレーや蚊取り線香(的な物)の性能も上がっています。

なので、実際にこれから毎年1000人もの人が感染して200人が亡くなる、みたいな状態に戻る事はないと思います。

ただ、一旦発症すると2割が死亡し5割に脳へ障害が残る危険な病気ですので注意は必要です。

特に、蚊に刺されやすい小さな子供がワクチン接種を受けていないことから、幼稚園や保育園、小学校では注意が必要でしょう。子供の頃に発症して脳に障害が残ると大変です。

今後、副作用が少ないワクチンが一般化すれば、また接種が再開される場合がありますが、その場合、何年か前に大学生に蔓延して大騒動になった風疹のような「ワクチン空白世代」が生まれてしまうかもしれません。

日本脳炎はこれから確実に増えていく病気ですので、注意していく必要があるでしょう。


posted by new_world at 16:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 科学の雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日本脳炎の予防接種は結構早くに打つと思いますよ?
三種混合とかって必ずやるものがありますが
その中にあったか、その次か。。。
3歳だったかな、、、?

とにかく1歳くらいがめちゃくちゃ忙しいって記憶があります(笑)
熱や体調不良だとだめですしね、友達も姉もなんか注射で「あ〜どうしよう」ってよく言ってましたよ!
Posted by マチルダ。 at 2009年11月01日 19:14
マチルダ。さん
日本脳炎の予防接種は結構早いみたいですね。

でも、幼児って注射多いですよね・・・。
小さい頃にあんなにたくさん注射打たれるんで注射が嫌いな子供が増えるのかもしれませんね・・・。
Posted by new_world at 2009年11月03日 21:50
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