2005年05月25日

鎌型赤血球

鎌型赤血球というものをご存知ですか?

これは、アフリカの人などに多く見られる異型の赤血球です。鎌形の赤血球を持つヒトはマラリアにかかりにくいため、貧血になりやすいという生存に不利な条件があっても淘汰されていないんです。

ところで、鎌型赤血球は普通の赤血球と何処が違うのでしょうか?

まぁ結構専門的な話になってしまうのですが、実は、赤血球のヘモグロビンの一つのサブユニットのたった一箇所のアミノ酸が違うだけなんです。

ただ、一カ所とはいえ、違い方が問題なんです。

ヘモグロビンはαとβの二種類のサブユニットが2つずつ集まって出来ているのですが、そのうちのβの一つのアミノ酸がグルタミン酸からバリンに変化すると鎌形になります。

重要なのはグルタミン酸は親水性であるのに対しバリンは疎水性であるという事です。

以前にも記事に書きましたが、たんぱく質は変性すると“凝集”するのです。

ただ、この1箇所だけである為、ぐちゃぐちゃにからまるようなことはないのですが、その1点で周囲のヘモグロビンとくっついてしまうんです。

ヘモグロビン同士でぺたぺた凝集するんです。

それで血球が円形を取ることができなくなり、形が崩れてしまいます。

貧血になるのはその形の変化により血管などに引っかかりやすくなり、血流が悪くなるからです。

一方、その変形によってマラリア原虫は宿主(赤血球)の中に安定して存在することが出来なくなり、結果的にマラリアへの抵抗力が増すことになるのです。


posted by new_world at 14:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 生命の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確か赤血球が本当に鎌型しているんですよね。

うちは球状赤血球の親戚が見つかって、子供たちも調べた記憶があります。
楕円形が○だろうが鎌だろうが良いような気もするんですが、身体は許してくれないものですね。
球状赤血球もやはり貧血が伴いますが、脾臓を取ったので経過良好だそうです。
Posted by waterpark at 2005年05月26日 09:49
鎌形というか、まぁ鎌形ですね。バナナみたいになっています。

赤血球の形とかなら遺伝の可能性が高いですから心配になりますよね。

一部の異型に適応して他の部分も変わってくれたらいいのですが、一箇所の異型の為に他の部分も変わるほど上手くできていないようです。
出来ていたらかなり驚きですが・・・。

まぁ今までもこうやって進化してきたんでしょうね。
少しずつ形を変えながら色々試しているんでしょう。
Posted by new_world at 2005年05月27日 17:33
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