2005年06月06日

セイヨウタンポポはクローン

セイヨウタンポポも日本のタンポポも種子が出来て綿毛が出来て飛んでいきますよね。

でも、種子は全然違うんです。

セイヨウタンポポの種子は親のクローンなんです。

セイヨウタンポポは三倍体、つまり、染色体が3組あります。
普通は、両親由来の偶数組であり、生殖細胞が作られる際は、父由来のものか母由来のものかが入って生殖細胞は出来ます。父由来A1〜A5、母由来B1〜B5のように複数ある場合は、A1、B2、A3、A4、B5のように父母由来が混ざって生殖細胞は出来ます。このように偶数組がその半分になることを減数分裂といいます。

つまり、セイヨウタンポポは三倍体で二つに分かれること(減数分裂)ができないので生殖細胞が作れず、有性生殖が出来ないのです。

しかし、普通はそうなると種は出来ないのですが(種無しスイカはこの原理です:種無しブドウは違います)、セイヨウタンポポは進化の過程で偶然種を作るものが出来てそれが広まっていったものです。
受粉せずに種子を作るのです。つまり、親のクローンです。

ということは、完全に隔離された状態でも種子を作ることができ、都会の真ん中などで一本しかなくても種子・綿毛ができるのです。


一方、日本のタンポポの多くは二倍体か四倍体で有性生殖を行います。(三倍体のものも存在するようですが)

ところが、ここで面白いのが、“セイヨウタンポポとニホンタンポポの雑種”が出来るという現象です。

不思議ですよね。

なんと、生殖細胞が出来ないはずのセイヨウタンポポが花粉を作るそうです。
その花粉は2組か3組の染色体を持っているそうです。(2組の場合は不完全な減数分裂を行っていることになりますね。)

その花粉をニホンタンポポが受粉して、その種子は3組か4組の染色体を持つようになるそうです。


強いですね、セイヨウタンポポ。


セイヨウタンポポのような減数分裂・受精を行わずに母親の遺伝子のみで卵を作ることを単為生殖といいます。

これを行っている昆虫がいます。

アブラムシです。

アブラムシの群れ(?)には基本的にメスしかいません。オスは年に1回しか生まれないのです(越冬用の卵はオスとの有性生殖でしか生まれないそうです)。ところが、アブラムシは年に何十世代も子供を生みます。1世代以外は全てメスです。しかも、オスなしで子供が生めます。つまり、自分の分身をどんどん作ってるわけです。
詳しくは知りませんが、オスが生まれるときだけ、何らかの酵素かなんかで染色体を変えているのでしょう。

アブラムシは、幼虫の状態で生まれるのですが、5日前後で成虫になり、また幼虫を生みます。
そして、増えすぎて栄養が足りなくなると羽が生えた幼虫が生まれ移動します。そして、そこでまた幼虫を生みます。

アブラムシが凄まじい数存在するのはこの驚異的な繁殖能力の為です。

ほんと恐ろしいまでの増殖能力です。


なんか、こういう話で終わりたくないので、もう一つお花の話をします。

彼岸花って知ってますよね。あれ、花はありますが種はないんです。
彼岸花の種、見たことありますか?

ないですよね。(海外では種類によっては種ができるものもあるようです)

あれも三倍体なんです。でも、セイヨウタンポポのように種子を作るようなことは出来ません。

というか、種を作らずに繁殖できるって所が凄いですよね。
彼岸花は、球根が分裂して種子の役割を果たしているんです。

ただ、そうなると、誰かが球根を動かしてくれないと、隣にしか生えないってことですよね。動けて数cmです。

日本中に広がったのは私達の(先祖の)お陰でしょう・・・なんか、昔、あれ(球根)を非常食として食べてたらしいです。



posted by new_world at 07:35| Comment(7) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
セイヨウタンポポがクローンで繁殖とはね。面白いですね。ここのブログは勉強になりますね。記憶力のいい人にはね。
Posted by sabue at 2005年06月06日 10:05
セイヨウタンポポとニホンタンポポの違いがわからない。。。(笑)
アブラムシは♀だけで増えていくことができるのに
何故に♂が生まれるんでしょうね(・_・?)
彼岸花って葉っぱが無いですよね?。。。
不思議な咲き方ですよね。。。
Posted by マチルダ。 at 2005年06月06日 11:14
sabueさん
覚えるなら記憶力がいるでしょうね。すいません。
生物の場合は、物理や数学と違い、知識が大部分を占めてしまいますからね・・・分野としては面白いんですが、覚えるのは大変です。

マチルダ。さん
セイヨウタンポポは花の根元の緑色の傘の部分が反り返っているそうです。ただ、最近は雑種が増えてきてわかりにくいようです。

アブラムシのことですが、実は、オスとの有性生殖でできた子供は幼虫ではなく卵で生まれるそうです。
それで冬を越すようです。

オスは越冬用の卵を産むために必要なようです。

ただ、どうしてオスがいないと卵にならないのかはわかりませんでした。(上の文章も訂正しておきました)

葉っぱですか?・・・よく覚えてません。でも、彼岸花ってすらっとしていてきれいですよね。
Posted by new_world at 2005年06月06日 19:05
(」゚ロ゚)」(」゚ロ゚)」(」゚ロ゚)」オオオオオッッッ
何でも答えがかえってきて凄い!!
私は今アブラムシとの戦いなので
そんな話を聞くとちょっとじっくり
観察してみたくなりました(*´∇`*)
Posted by マチルダ。 at 2005年06月07日 10:54
いや、調べただけですから。それに、そこはちょっと気になっていたところでした。

アブラムシって凄いですよね。

小さくて柔らかく、しかも動きも遅いという他の生き物の格好の餌食となる体を持ちながら、その驚異的な繁殖力で生き残っているんですよね。
Posted by new_world at 2005年06月07日 13:13
 彼岸花は種が出来ると思います。現在出来つつある感じがするのですが。観察中です。
Posted by 恒河沙 at 2006年10月07日 16:44
恒河沙さん
基本的に彼岸花には種は出来ないようですよ。ただ、突然変異で2倍体となったものがあって、まれに種が出来る個体があるようです。
Posted by new_world at 2006年10月08日 05:14
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