2005年06月23日

免疫学の歴史

免疫シリーズ第1弾

免疫とは『疫病を免れる』が語源です。

人類は経験的に「一度かかったら二度目はかからなかったり軽い症状ですんだりする」ことに気付いていました。紀元前の記録にもあるくらいです。

ただ、それを応用した治療技術(ワクチンなど)が開発されたのはごく最近で、18世紀末以降です。

それ以前は病気が“病原微生物”によるものという認識すらなかったのです。

後で紹介するワクチンの発明者“ジェンナー”も当時の医学会からは認められませんでした。

よくヨーロッパ史の映画などでペストなどの患者から“血を抜く”光景が出てきますが、それは当時、病気は“体液のバランスの崩れ”が原因だと思われていたからです。

このような“治療”は宗教の影響が強い地域などで20世紀に入っても行われていたといいます。

また、患者の手当てや死者の埋葬を行っていた修道士の中に免疫を獲得して伝染病にかからない人が現れたのですが、このような現象は“神のご加護”だと言っていたようです。

病気が病原微生物によるものではないかという考えは17世紀から18世紀辺りから出始めたのですが、顕微鏡の精度の問題で、実際に病原菌が見つかるのは19世紀末になります。

19世紀末にはコッホによって結核菌・コレラ、北里によって破傷風菌・赤痢菌などが発見されます。


治療の分野においては、18世紀末にジェンナーによる種痘の開発、19世紀末のパスツールによるワクチンの開発などがあります。

ジェンナーは、牛痘(本来は牛の病気)という病気にかかった人が天然痘に対して強いことに着目し、牛痘患者の“膿”を注射するという大胆な方法で天然痘への免疫を作ることに成功しました。

これはいわゆる“ワクチン”と同じ効果がありますので、ジェンナーをワクチンの開発者とする人もいます。

一方、ジェンナーの死ぬ一月前に生まれたパスツールは、病原体を“弱毒して”注射しました。

これが本格的なワクチンの始まりです。

パスツールはニワトリコレラや狂犬病のワクチンを作りました。

因みに、ワクチンと命名したのはパスツールですが、ワクチンの名前の由来は“牛”です。


ワクチンの開発により、天然痘は25年前に撲滅されましたが、いまでもテロリストに“生物兵器”として使われる恐れがあると言われています。

実は、この生物兵器「天然痘」の歴史は古く、スペインの中南米攻略にも貢献したと言われています。

それが意図的なものであったものかは知りませんが、西洋人が持ち込んだ天然痘の蔓延によって、民衆はもとより、国王まで死んでしまったというのは事実のようです。


posted by new_world at 22:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 生命の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
インカ帝国の滅亡にはヨーロッパ人の持ち込んだ天然痘が関与し、そのヨーロッパ人がインカから梅毒を持ち帰ったという話を思い出しました。
Posted by south_of_the_border at 2005年06月24日 01:29
同じ人間ですからね・・・同じ病気にかかるんですよね。
Posted by new_world at 2005年06月24日 17:01
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