2005年06月27日

アリは共生しているアブラムシを食べる。

前回に続き、常連のアブラムシが再登場です。

別にアブラムシが好きなわけじゃないですが、アブラムシは大変面白い生き物です。
今回も、エイコアブラバチの時と同様、食べられる役回りです。

しかも、護衛のアリにです。

アリとアブラムシの関係は対等ではないのです。
アリはアブラムシを守ってあげているだけで、守る必要がないものは食べてしまいます。
たとえば、ある植物においては害虫駆除の為に蜜を出してアリを呼んでいるものがいます。その植物にアブラムシがつくと、アリはどちらかを選ぶことになります。蜜が美味しいほうを選ぶんです。
つまり、アブラムシと植物はアリを獲得する為に競争しているんですね。
競争に負けたアブラムシは容赦なく食べられますし、競争に負けた植物はアブラムシに栄養を吸い取られ成長などが阻害されます。そして、最悪、死を迎えます。

アリは自分が好きなほうの味方をすればいいのです。

そのため、アブラムシによっては戦線離脱し、アリとのかかわりを絶っているものの方が多いようです。アリと共生関係にあるのは全体の4分の1程度だといわれています。まぁそれでも結構な割合ですね。



今回はこれとは少し違う話です。

タイトルに書いた通り、アリが“共生しているアブラムシ”を食べるんです。

雇っているガードマンに殺されるようなものです。
アブラムシが可哀相ですね。

でも、勿論、理由があります。

アブラムシの数の調整です。
増えすぎたアブラムシを食べて減らすんです。

アブラムシが増えすぎると蜜が余ってカビが生えたり、植物が死んでしまう可能性もあります。そうなると、アリは困るんです。
ですから、増えすぎたアブラムシは食用に回します。

私たちが家畜や農産物の数を調整するのと同じです。
アリとアブラムシの関係は私たちと家畜との関係と同じなんです。
人間と家畜・農作物の関係も共生と言えますが、どうも対等じゃないですよね。
今の日本では家畜・農作物の生殖まで管理しているのでそのようなことは行われていませんが、遊牧民などでは今も普段は家畜からミルクなどを取って、数の調整の為に時々食べています。
アリも普段はアブラムシから蜜をもらっていますが、数の調整の為に時々肉にもするんです。
アリはアブラムシを“飼っている”と言えます。

ただ、ここで気になるのは“どうやってアブラムシの数を把握しているのか”ということです。
私たちなら数を数えますが、アリは数を数えられません。
アリは数は数えられませんが、案外単純な方法でアブラムシの数を管理しています。

“印”です。

アリは蜜をもらったアブラムシに印をつけているんです。そして、印のないアブラムシは適度に食べられていきます。
そうやって増えたアブラムシは食用にされて数が調整されているんです。

上手くできています。

これもまた進化の凄いところですね。



posted by new_world at 06:14| Comment(7) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アブラムシ関連の話、非常に興味深く読ませて頂いてます。
とても面白いです。
進化って本当に凄いですね。
次の記事も楽しみにしています。
Posted by MARUTSU at 2005年06月27日 10:59
植物にとってはバンバンザイってこと
ですよね?
アリのおかげで。。。
Posted by マチルダ。 at 2005年06月27日 11:32
MARUTSUさん
進化って凄いですよね。今度書こうと思っている免疫も免疫もかなり考えられています。

マチルダ。さん
まぁ生かさず殺さずって感じですかね・・・
でも、アリの管理が行き届かないくらいにアブラムシが増殖すると植物は枯れてしまいます。
それにアリがいないところに生えている植物は管理者がいないのでアブラムシが植物を枯らすまで師管液を吸い尽くします。

まぁアリは植物の味方でもアブラムシの味方でもなく、自分の味方なんですね。
Posted by new_world at 2005年06月27日 16:45
いつもカシコイなあーと思って感心して見せて頂いておりますが、あまりにも高度な為コメント書くことできませんでした(~_~;)

アブラムシがアリに食べられる事があるとはビックリしました。 常識ってあてにならないですよね。

僕も龍谷大学中退なので京都には何かしら思いがあります。 特別好きな町ではないのですが、気になるというか。 あ、これからも楽しんでください!(~o~)
Posted by ぱんげあ at 2005年06月28日 00:08
賢くなんかないですよ。単なる趣味です。
あまり難しくならないように気をつけてはいますが、少し難しい所があるかもしれません。そこは私の力不足です。

私もアリの賢さに驚きました。

京都は雰囲気はいいんですが、気候がいまいちですね。冬は寒いし夏は暑い。盆地に川も沢山流れているので湿度も高いです。
龍谷大は深草の辺りですよね。川端通りをひたすら下ってダイエーに行った時に前を通った気がします。
Posted by new_world at 2005年06月28日 11:09
えぇぇぇ!アリってすっかりアブラムシと仲良しだと思っていたので、ちょっとびっくりしました。
昆虫のライバルが植物って面白いですね。
なるほど、アリは生きるためにアブラムシと植物の共存を実現する。うまくできてますね。

ちょっと違うけれど、
海岸の岩に張り付いて生活する藻類食者たちが共存できるのは、優位な種をヒトデがほどよく食べてくれるおかげ、っていう話を思い出しました。(new_worldさんこういう話詳しそうですね。)
Posted by 小波 at 2006年05月18日 14:45
小波さん
利害関係があれば、植物とか動物とかにかかわらず、協力も敵対もするんですよね。

食物連鎖は上手い具合に出来ていると思います。何万も卵を産むマンボウも、成体になり、子供が残せるのは数匹です。一組の親からはだいたい一組の親ができるようにできているんですよね。

確かに、出生率が5以上あるアフリカの発展途上国では人口増加が問題になっていますよね。ヒトの場合、子供を長く育てることもあってか、子供が死ぬのをよしとしないので。
それに、現代のヒトの場合、もう、子供は死なないものですからね・・・5人生まれても、3人死ぬのであれば、人口増加は問題にならないのですが、その3人目以降を生き残らせようとするので人口が急増して、食糧難になったりするんです。

出生率が6で、子供全員を生き残らせるためには、単純計算で、親の世代の3倍の食料が必要ということですからね・・・無理な話です。
Posted by new_world at 2006年05月21日 02:04
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