キラーT細胞とかは有名ですが、これは実際に病原菌などを攻撃するものではありません。
血液中・組織内の免疫の細胞にはT細胞の他にB細胞、マクロファージ、樹状細胞、マスト細胞、好中球、好酸球、好塩基球などがあります。
では、それぞれについて簡単に説明していきます。
これらの細胞は全て元々は骨髄にある造血幹細胞という細胞から生まれます。
白血病とかの治療の骨髄移植で移植される細胞です。
赤血球や血小板もこの細胞から生まれます。
「生まれる」と言うのは細胞分裂によって生じると言うことです。
造血幹細胞は“幹”とついているとおり、細胞の分化があまり進んでいないもので、様々な細胞になることができるのです。
いわゆる万能細胞として知られるES細胞はエンブリオステムセル、胚性“幹”細胞です。
分化(=特殊化)した細胞を枝葉とすると、幹細胞は幹にあたるのです。
そして、造血幹細胞はまず『骨髄系』前駆細胞と『リンパ系』前駆細胞に分化して、それからそれぞれの細胞へと分化していきます。
『骨髄系』の細胞にはマクロファージ、樹状細胞、マスト細胞、顆粒球(好中球など)があります。
マクロファージ、樹状細胞、好中球は食細胞とも呼ばれ、進入してきた異物を“非特異的”に食べます。
非特異的とは、適応免疫系に見られるような一種だけへの攻撃ではなく、幅広いものへ攻撃を加えることが出来ると言うことです。
抗原の認識は“受容体”が行うのですが、マクロファージなどには多くの種類の抗原受容体が存在する為、様々なものを認識できます。
その受容体自体も効率がよく、一つの受容体が様々なものを認識できます。
受容体自体は型が決まっているのですが、異物に“多く見られる”部位に結合する為、多くのものを認識できるのです。
一方、“抗体”と呼ばれるものはそれ自体が受容体で(B細胞の受容体が分離したものが抗体)、しかも、特定のものに集中して攻撃を加えるように出来ている為、殆ど一種類のものにしか結合することが出来ません。
話を戻しますが、食細胞で最も数が多いのは好中球です。
あまり聞きなれない名前ですが、この好中球の死骸の集まりが“膿”です。
マクロファージは体中に存在して何度でも異物を食べることが出来るのですが、好中球は炎症が起きた部分に集中的に存在して、一度しか異物を飲み込むことが出来ません。
つまり、好中球は炎症と言う異常事態にのみ活躍できるようになっているのです。
普段は血液中をめぐっていて、異物が入るとマクロファージなどにより呼び出されます。
マクロファージは監視にはいいのですが、組織中にいなければならないのでたくさん置いておくことは出来ないんです。
ですから、好中球という別戦力を血中に保持しているのです。それに、免疫細胞が多すぎても色々問題を起こしますので、マクロファージのような長寿な細胞を沢山持っておくわけにはいかないのです。
次のマスト細胞は粘膜防御などで活躍するもので、時にはアレルギーなどを起こします。
そして、好塩基球や好酸球は寄生虫への攻撃を行っていると考えられていますが、好塩基球に関してはよくわかっていません。
つぎに、『リンパ系』ですが、リンパ系前駆細胞からはBリンパ球(B細胞)とTリンパ球(T細胞)、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)が生まれます。
B細胞は抗原を認識すると形質細胞に変化して受容体を抗体として分泌します。
そして、T細胞は、ウイルスに感染した細胞などを殺すキラーT細胞と他の免疫細胞を活性化させるヘルパーT細胞に分かれます。
NK細胞はT細胞B細胞と異なり受容体を持たないリンパ球で、細胞の目印がないものやある種の糖の鎖をつけているものを手当たり次第に殺します。
なぜ“ナチュラル”キラーなのかと言うと、これはヘルパーT細胞などによる指示(=活性化)なしでもどんどん殺していくからです。
以上が免疫系の細胞です。今後、少しずつそれら個々について説明して行きたいと思います。
先日血液検査したら,
白血球と血小板がかなりロー数値になってて
かなりビビッタのですが・・・(爆)
おかげで免疫に親近感持ちました!
PS:どうしても,「キラー細胞」ってネーミング的にホストっぽいイメージがあるんです.
「キラー」の言葉に反応しているだけかもですが(笑)
免疫シリーズは今書式を書き換え中のカテゴリなんですが、自分で読み返しながら、「分かりにくいなぁ・・・」と悲しくなっていたところです。
用語が多すぎるんですかね・・・説明が下手なんだと思います。
でも、私たちの体の中で常に起きていることなので私は凄く興味があります。
まだ3つしか書き換えていないのですが近日中に10個全部書き換えた上に、久々にもう新しい記事を書こうかなぁとか考えています。
キラー細胞がホストっぽいですか・・・?
私にはない感覚ですね・・・
なかなか説明し辛いかもですね.
免疫の分類の図があるだけでもだいぶ
わかりやすいかもしれません.
理科好きの私でさえ?思わず読み返したところが
ありましたので(^-^)
ですよね・・・
図や写真も入れたいんですが、著作権の問題があって・・・絵を描くのも苦手ですし、パソコンもあまり得意じゃないんで。
表くらいならつくろうかなぁとか思ったりもしますが。
概略図とかはたまに描いたりしますけど。
あと、書いた時の気分って言うのもありますね・・・疲れてたりすると適当な文字の羅列になってより一層分かりにくくなっています。
書くのに慣れてきたからか、最近の記事の方が多少は読みやすくなってきていますが、まだまだですね・・・
マクロファージは、まるで、月面着陸船みたいなかっこうしてますね。図面で見たことありますよ。
ああ、それはマクロファージではなく、たぶん、バクテリオファージか何かのことだと思います。
ファージというのは食べるという意味で、バクテリオファージはバクテリアを食べるという意味です。マクロファージの方は、ちょっと名前のついた経緯が違って、昔あったミクロファージという分類(今で言うリンパ球あたりのようです)に対応する形で命名されたそうです。