2005年07月03日

とても可愛いプラナリア〜最強の生物?〜

最近、ある教官の授業を受けて生物の再生について興味をもちました。その教官はプラナリアやイモリの研究をしていて、その授業はプラナリアについてでした。

プラナリアは再生能の極めて高い生物として有名です。全長は大きいもので2〜3cmで形は矢印みたいな感じです。そして、いくら切られても再生します。しかも、10個に切り分ければ10匹になります。

たとえば、こんな感じに・・・(京都大学阿形研究室HP参照)

プラナリア 再生.jpg

プラナリア.jpg

このように、プラナリアは切れば切るほどに増えます。
記録では240分の1の断片から1匹ができたといいます。勿論、これは240匹になったと言うわけではなく、240分の1の断片1つから1匹が回復できたと言うことです。

このような再生能は“幹細胞”という細胞が体中に存在し、しかも、それが上手くコントロールされていることで可能になります。
再生医療などで注目されているES細胞はエンブリオステムセル、胚性幹細胞のことです。
つまり、プラナリアの幹細胞の研究は再生医療への重要な基盤となるのです。


一般に幹細胞とは受精卵のような何にでもなれる細胞を指します。実際に、プラナリアの体中に満遍なく配置された幹細胞は全ての組織に変化することが可能です。
たとえば、しっぽの先だけを切っても一匹になりますし、頭を半分にしても1匹になります。

以前は、再生芽という組織が切り口に生まれてそこで新しく作られると思われていましたが、実際は、再生芽は細胞を作っているだけで、細胞の分化は元々残っていた部分でも起きているようです。

つまり、頭−胸−尾の3部があるとして、頭と胸の間で切ったとします。そして、頭の部分を観察すると、切り口からどんどん新しい細胞が出来上がるのですが、出来上がったものの頭は切り取られた頭より小さいんです。つまり、胸と尾が生えたのではなく、全体的に広がっていったと見る方が正しいのです。

この機能は空腹時にも適用されます。

プラナリアは食べないと“縮み”ます。文字通り、縮むのです。だんだんと同じ形のまま小さくなるのです。これも、幹細胞によって各部分が何にでもなれるから出来る芸当です。
最後の最後には形を維持できなくなって死んでしまうそうですが。
2cmくらいあるものは大体3ヶ月ほどは何も食べずに生きていけるそうです。

飼育する場合は、鶏のレバーなどを餌に与えるそうですが、餌やりを忘れても問題ありませんし、数を増やすのも簡単なので、実験動物としては優れているそうです。学問的に興味深い生物であることは勿論です。ただ、自然界では水質汚染で結構打撃を受けているようですが。

プラナリアの持つもっとも重要な機能は、『幹細胞の安定化』の機能でしょう。
幹細胞は何にでもなれますが、逆に言えば、コントロールが難しいと言うことです。何にでもなれるので適切な指示を出さなければ大変なことになります。

ただ、やはり、プラナリアも完璧ではなく、ある程度適当に再生しているようです。
たとえば、頭の一部を尻尾に埋め込みますと、そこが頭になるそうです。つまり、『頭−胸−尾』の胸−尾の間に「頭」の一部を挿入すると、『頭−胸A−胸B−頭−胸−尾』になるのです。胸の中間部で同じものが重なります。

アルファベットで説明すると、ABCDEのBの部分をDとEの間に入れるとします。
1.A( )CD(B)E
2.ABCDCBCDE
のように再生します。別に長くなるわけではなく、さっき話したとおり、満遍なく変化します。

また、切り方によっては頭が2つあるような変な形にもなります。

実際に奇形のプラナリアは自然界にも存在するようです。

プラナリアは自然界には比較的普通にいる生物です。ある程度綺麗な川には生息しているそうです。岩の裏なんかにくっついているのを集めることが出来ます。



まじまじと見ると微妙に気持ち悪い感じもしますが、見方によっては可愛い感じもしなくもない気がします。

その教官も、餌をやっている映像を見せながら、「ほら、この満足げな表情!」とか楽しそうに話していました。

※youtubeなどで実際の映像(食事など)を見る事ができます。結構、気持ち悪い感じもします・・・。



◇関連記事
プラナリアが平たい理由

イモリの再生能力と再生医療


プラナリアの一部の上下を入れ替えると・・・


◇参考図書(amazonへのリンクです。)
切っても切ってもプラナリア


posted by new_world at 03:45| Comment(19) | TrackBack(0) | 生命の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
う〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん、可愛いといえば可愛いけど・・・・・う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん・・・・・・
Posted by 葉生姜農家の嫁さん at 2005年07月03日 08:44
プラナリアは高校生物の参考書でイラストを見た事がありますが,写真ですが,実物を見たのは初めてです。
形が単純だから,イラストと見たまま同じですね。
再生の話が出てくると,かならず出てくるおなじみの生物ですね。
Posted by とろまおパパ at 2005年07月03日 09:08
葉生姜農家の嫁さん さん
分かります。わたしも「とても」をつけるのには躊躇しましたが、つけた方が語呂がよかったのでつけちゃいました。
これ、一匹ならそこそこ可愛いんですが、複数いると気持ち悪いです。

とろまおパパさん
高校生物の教科書に出てくるらしいですね。私は高校では物理をしていたので直接習ったわけではないですが、生物を取っていた妹にこういう生物がいると聞いたことはありました。
動いている映像を見たのはその授業が初めてでした。

そう、図書館であった友人にこれを説明しようとしましたが、本には図しかないんですよね。なかなか写真はありません。ということで、その教官のHPから拝借してきました。
Posted by new_world at 2005年07月03日 11:13
気持ちがわり〜です(T∇T)
私にはヒルにしか見えませんよ!
どのくらいの大きさなのかわかりませんが、
可愛くないです☆
Posted by マチルダ。 at 2005年07月03日 11:45
そうですか?結構愛嬌のある顔だと思うんですがね、目の辺りが特に・・・まぁ形がヒルなのは認めます。

大きさは2cmですからちょうど1円玉の直径と同じくらいです。

可愛くないですか・・・残念です。
Posted by new_world at 2005年07月03日 11:55
いつもご訪問ありがとうございます。

プラナリアかわいいですよねぇ。
何かのキャラクターに出来そうだと思うのですが・・・
最近は実物にお目にかかってませんが、近所で探すと意外に見つかるものなんでしょうか?
Posted by たっちゃん at 2005年07月03日 20:02
詳しい生息域は知りませんが、全国的に生息しているようです。山の方の少し綺麗な渓流などの石や落ち葉の裏辺りにいると聞きました。
私の大学のすぐそばの山にもいると教官は話していました。
Posted by new_world at 2005年07月03日 20:27
足跡のコメントで真っ先に飛んできてしまいました^^;
私、この生物大好きなんですよ(w

中学生の時、授業でその存在を知ってから気になってしまい、
湧き水が出る場所で採りにいって冷蔵庫で飼っていました。
カットはさすがに出来ませんでしたが・・・汗。

生物ねたは恐らく飛びつきますので
また機会があればアップしてほしいなと思います^^
Posted by maria at 2005年07月03日 22:44
プラナリアって存在すら知りませんでしたが、目が可愛いと…♪
1匹なら飼って観察してもいいかも♪って感じ!
…でも、これ、、複数いたらやっぱり気持ちよくないかも。。 (;´Д`)
だけど切っても切っても再生できるって凄いけど。。
切りたくないのが本音だなぁ。。
だけど!お顔はかわいいかも♪ (≧∇≦)b
Posted by 真琴っ (≧∇≦)b at 2005年07月04日 03:57
ぬう。

桜玉吉ってひとの漫画に、プラナリアの事に触れた話があって、「こいつの命はいくつなのだ?一人に一つ大切な命なんて人間の戯言だと思った」ってのを思い出しましたよ。
Posted by ら。 at 2005年07月04日 07:50
プラナリアは子供の頃に教わりました。
そうですか、きれいな川ならどこにでもいるのですか。見てみたいな。
でも、切れないよね〜
はさみ?カッターナイフ?きゃ〜
Posted by jun_ko at 2005年07月04日 12:50
mariaさん
飼ったことがあるんですか?へぇ、私もいつか飼ってみたいです。

生物系の話は分野は様々ですが2〜3日に1回くらいは書いています。まぁ僕の興味なんで、他の人には無味乾燥なものも多々ありそうですが・・・。


真琴 さん
顔は可愛いですよね。沢山いたらかなり気持ち悪いですよ。餌に群がる映像を見ましたが、ちょっと・・・あれはヒルのイメージです。
やはり、切りたくないですか?

そういう意見が多いですね。

でも、私は切ってみたいです。

あと、ある程度大きくなると、自然と分裂するそうです。


ら。さん
一人にひとつって言うのは生物全体には当てはまりませんね。単細胞生物も普通に分裂しますし、寿命もありません。たぶん、プラナリアにも寿命はないはずです。そこらへんにいるプラナリアは私たちよりも長生きでしょうね。

あ、でも、プラナリアの種類によっては“卵”も産むそうです。

jun_koさん
やはり、切るのは躊躇しますか・・・
切断器具はメスとか薄いナイフだと思います。
Posted by new_world at 2005年07月04日 17:17
教授クラスになると表情までわかりますか・・・。
でも切って分裂させてみたい!
エサやらない以外に人みたいに心臓が致命的とかないのかな?
Posted by 玲乃 at 2005年07月05日 00:57
心臓はないんです。小さいと血管はいらないみたいですよ。圧力をかけなくても普通に浸透していきますので。なんか、前後に長い腸が血管の役目をしているそうです。

この生物は切り刻む系攻撃には無敵です。人間の手で出来る程度の攻撃ではびくともしません。増えるだけです。

ただ、水質汚染には弱いそうです。

ある意味最強ではありますが、それはそれなりに限度というものがあるんですね。そうでないと、世の中、プラナリアだらけになってしまいますし。
Posted by new_world at 2005年07月05日 02:32
この再生能力を人間に使う事ができればと思うとゾクゾクする。
Posted by 差出人不明 at 2006年02月20日 12:09
差出人不明さん
実用化されれば、本当にすごい技術になるでしょうね・・・
Posted by new_world at 2006年02月21日 16:34
プラナリアは寿命があるんですか?
家のやつらは延々増えてますけど…
Posted by 誰かさん at 2007年07月01日 17:30
プラナリアは寿命があるんですか?
家のやつらは延々増えてますけど…
Posted by 誰かさん at 2007年07月01日 17:30
誰かさん さん
私は寿命は基本的にないと思っていたのですが、最近読んだ本に寿命が書いてありました。

生殖形態によって違うのか・・・よくわかりません。
Posted by new_world at 2007年07月11日 17:29
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