2005年07月20日

DNAの塩基配列を調べる(サンガー法)

今回は、画期的なDNA解析法、サンガー法についてです。基本は簡単なので、ぜひ読んでみてください。

1970年代にサンガーという人が開発した画期的なDNAの塩基配列(※)解析法があります。(サンガーはノーベル化学賞を2回受賞)

Dideoxy Methodと言います。

まぁ生物か化学をやっていない人には意味不明な名前でしょう。

でも、仕組みはとっても簡単です。


そのポイントは『塩基A、G、C、Tのどれか一つで不定期に止める』ということです。

どういうことかというと、DNAを伸ばしていく際に、Aのつく部分で、ある確率でDNAの伸びを止めるとAの場所が分かるのです。

たとえば、TTTTTATTTTTATTという配列があったとします。

これを作る際にAの所で1/2の確率でとまるとすると、
半分(1/2)はTTTTAでとまり、残りの半分(1/4)はTTTTTATTTTTAでとまります。

Aを作った時、半分はAで止まってしまうのです。

これで、DNAの長さを測れば(※)、Aは6番目と12番目にあることが分かります。



これをTについて、Gについて、Cについても行えば、AGCT全ての場所が分かるのです。


ここで問題となるのは『どうやってDNAが伸びるのを止めるのか?』ということです。

それを考え出したのがサンガーです。

彼はDNAの、鎖の結合を担うOH基を片方Hにしたのです、一部だけ。

そうすると、新しく作られた一部のDNAはそこから先に結合できなくなります。

つまり、DNAは2つの手を持っていると考えることが出来るのですが、サンガーはある割合でその片手をふさいでしまったのです。


サンガー法

人間も手が二本なので人間に置き換えて説明します。

4クラス(A組、C組、G組、T組)あり、各クラスとも生徒は充分にいて、外見ではどのクラスか区別がつかないとします。

そして、先生がこういうのです。

「A組のうち数名は片手でこの荷物を持ちなさい」

そして、先生は決められたクラス順で生徒を並べて両手をつながせていきます。A組→G組→C組→T組→A組→G組→T組→A組・・・のように。

そうすると、いつか、A組の生徒の中で、片手で荷物を持っている人の所でとまりますよね。

そして、同じ順番で何回も列を作っていくんです。


そうすると、それを遠くから見ていた校長先生には「A組の生徒を○番目に入れたな」というのが分かるのです。

(まぁ実際は、“手を切った”という方が適切かもしれませんが、倫理上の問題で荷物を持たせました。)


因みに、DideoxyのDiは「二つ」という意味で、「Deoxy」は「酸素を除く」という意味です。さっき、OH基の酸素を抜いてHにしましたよね。

そう、そして、これは、デオキシリボ核酸(DNA)のデオキシと同じです。

つまり、DNAのデオキシ(※)の部分と、更に抜いたデオキシでDideoxyなんです。

そう考えると、分かりやすい名前ですよね。



※DNA(デオキシリボ核酸)
DNAはRNA(リボ核酸)から酸素を一つずつ抜いたものです。
↓リボース(左)&デオキシリボース(右)

ribose.jpg




※DNAの長さを測る方法
DNAは“リン酸―糖―リン酸―糖―・・・”と連なっているのですが、このリン酸が負の電荷を持っています。

つまり、DNAは長さに比例して負の電荷を持っているのです。

倍の長さのものは倍の静電気力が加わってくれるので、何も障害がなければ、どれも同じ速さですすみます。

しかし、抵抗がある所では違います。長さに比例して抵抗力が働くのです。

そうすると、短い方が先まで進んでいきます。

よって、試料をおいた場所から遠くにあるものが短いDNAとなります。

こうやって、DNAの長さは測ることができます。


※塩基配列
アデニン、シトシン、チミン、グアニンという4つの物質(塩基)が(DNAの場合)デオキシリボースという糖に結合しています。

さっきの生徒で言うなら帽子の色とでもいいましょうか。まぁ帽子の色なら遠くからでも分かりますが、塩基の種類は遠くからでは中々分かりません。

その塩基の列が情報なんです。いわば、4進法のデータです。

その4進法でアミノ酸の配列を記録していて、その情報にそってアミノ酸を並べていき、アミノ酸の鎖であるタンパク質を作るのです。

脂質などタンパク質以外の成分はタンパク質により作られます。血液の濃度や、イオンバランスなどもタンパク質が制御しています。

体が持っている情報はタンパク質の分だけです。

他のものは間接的に支配しているのです。

その4進法のデータを読もうというのが今回の企てでした。


上で説明したサンガー法は言われれば当たり前のことなのですが、それがなかなか思いつかないんでしょうね。


あと、アミノ酸は次の表(コドン表)に基づいて並べられています。(この表はDNAをRNAに読んだ後の並びですので、TがUに置き換わっています。)

コドン表.jpg






因みに、コドン表にある3文字によるアミノ酸の略は次のものをさしています。


グリシン Gly
アラニン Ala
バリン Val
ロイシン Leu
セリン Ser
スレオニン Thr
システイン Cys
アスパラギン Asn
グルタミン Gln
チロシン Tyr
イソロイシン Ile
メチオニン Met
フェニルアラニン Phe
プロリン Pro
トリプトファン Trp
アスパラギン酸 Asp
グルタミン酸 Glu
ヒスチジン His
リジン Lys
アルギニン Arg


◇参考図書(amazonへのリンクです)
DNA (上) (ブルーバックス)

DNA (下) (ブルーバックス)

DNA複製の謎に迫る (ブルーバックス)





posted by new_world at 01:55| Comment(6) | TrackBack(1) | 生命の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
でたっっ!六角形。。。
まったく意味のわからない世界です(*´∇`*)
悪い癖を見つけました。
私わからない言葉や難しそうと思うと
絵にしか目がいかないようです(爆)
Posted by マチルダ。 at 2005年07月20日 11:46
すいません、五角形です・・・。

文章も読めば分かってもらえると思うのですが、やはり、敷居が高いイメージですかね・・・先入観って言うのはなかなか克服できないものです。私も、分野外のことに関してはどうしても抵抗を感じてしまいます(特に文系:経済・法律など)。

4クラスの生徒を並べる例えだけでも読んでみて下さい。

確かに、図・絵を書いて説明するとこれもとても簡単なことなんですが・・・絵は下手なのでちょっと無理です。
Posted by new_world at 2005年07月20日 12:57
サンガーきたぁ〜
岡崎といいピンポイント今回のテスト範囲だ
是非テスト前に個別集中講義して欲しかったw(明日テストだけど・・)

この方法、伸びをとめて、電気泳動で短い順に分離してってのまではわかるんだけど
そのあとその伸びが止まったとこの残基の特定はどうやってるのだろう? Edmanみたいに端っことっちゃうのかな?
Posted by でび♪ at 2005年07月20日 23:16
止まったところというか、Aでしか止まらないようにすればAの場所が分かる、ということだけど、それじゃ説明になってないかな?

つまり、同じ鋳型でACGTの4回別々に操作を行えばいい。

電気泳動の結果の写真を見ると4列になっている。これは4つを別々にやっているから。

なんか最近は色々方法があるみたいだけど。
Posted by new_world at 2005年07月20日 23:47
(爆)気がつきました?六角形。。。(笑)
私、書き込みしてお茶碗洗いながら「あれ?」
っと思い。。。
五角形じゃんと一人で笑ってました(*´∇`*)
五角形と六角形の違いはわかってますからね☆
あ〜おかし(笑)
ちょくちょく変なこと書いてると思いますが
見逃してやってくださいm(。・ε・。)m
Posted by マチルダ。 at 2005年07月21日 12:12
気がついちゃいました・・・すいません。

書き間違えだとは思いましたが、ちょっと目立っていたので一応・・・
Posted by new_world at 2005年07月21日 16:22
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

今日の出来事
Excerpt: 今日の出来事、今日は、gooで生物の勉強をしていました。10塩基のDNAは何種類か、温泉の藻類のバリンの種類と寒冷地の藻類のバリンの違いとか、そんなのをやっていました。 途中、京大のブログに当たった..
Weblog: 編入に向けて一歩
Tracked: 2006-01-05 17:36
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。