2005年07月26日

獲得免疫の主役達〜T細胞とB細胞〜 4.胸腺学校の恐怖の教育

免疫シリーズ第9弾、T細胞の教育の話です。

T細胞のTは胸腺ThymusのTですが、T細胞を教育する胸腺は凄く厳しいのです。

T細胞が持つべき性質は大きく分けて二つあります。

1.決められたMHCタンパクを認識できること
2.自分を攻撃しないこと

この二つを教え込むのが胸腺です。

これを『正の選択』と『負の選択』と呼びます。即ち、MHCタンパクと結合するものを選ぶ(正の選択)のと自己抗原と結合するものを殺す(負の選択)のです。

正の選択においても、MHCを認識できなかったものは殺されます。つまり、不合格者には死が待っています。胸腺の出口付近には、マクロファージなど食作用を持つ細胞が沢山待っているのです。

しかも、合格率は2〜4%なんです。

つまり、最大98%が殺されます。


なぜ、せっかく作っておいてこんな無駄なことをするのでしょうか?
上手く説明は出来ないのですが、これは、やむを得ないことなのです。B細胞以上にT細胞の合格率が低くなるのは、T細胞がMHCタンパクという決められたものと結合しなければならないからです。

B細胞においては『負の選択』しか行われません。しかも、結構アバウトで、ほんの少し自己抗原と反応するくらいなら生き残ります。

それに対し、容赦がないのが胸腺なんです。生命の防御の要であるT細胞を徹底的に教育するのです。まぁ教育といっても試験をするだけなので、どちらかと言えば選別に近いですね・・・。

私たちの体の中を流れているT細胞はそれくらい厳しい難関を突破してきたものなのです。


あと、私の胸腺は既に半分以上が機能していないと思います。
胸腺のT細胞産生は思春期以降は落ちてきます。年をとると胸腺は殆ど機能しなくなります。

この理由はよく知らないのですが、突然変異を起こさないT細胞は沢山作り続ける意味がないからかもしれません。T細胞のレパートリーは明らかに有限なので、ある程度作ったら後は作ったものが分裂することで対応していっても問題ありません。それに、T細胞の産生・教育にはかなりの無駄がかかります。それもあって、ある程度経ったらT細胞の生産を減らしていくのだと思います。
一方、どんどん新たな敵に対応する為に変化し続けるB細胞はずっと骨髄で産生・教育されて出てきます。


こんな感じです。何か書き忘れもあるかもしれませんが、まぁ、試験勉強じゃなくてブログですから問題ないでしょう(適当・・・)。

以上、T細胞とB細胞についてでした。


posted by new_world at 00:02| Comment(0) | TrackBack(1) | 生命の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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