2005年10月14日

夏が冬より暑い理由

昨日、生命の痕跡について書いたので、今日は体内の同位体の話をするつもりでしたが、ちょっとあることを思い出したので、それについて書きたいと思います。

何故、夏の方が暑いのか、です。


小さい頃、この質問を親に聞いた方も多いと思います。でも、結構、適当に答える親が多いんです・・・。

夏の方が太陽が近いのよ』とか・・・典型的な誤答です。

いや、むしろ、夏の方が太陽は遠いですよ、北半球では。

それに、太陽との距離だと『じゃ、何で北極は寒いの?』という質問に答えられません。『太陽から遠いから』ですか?

まぁ気温に関しては、簡単に分かるものじゃないんですが、子供への答えになるくらいの説明はあります。


まず、太陽との距離が、「夏が暑い」説明にならないことを説明します。

地球は太陽の周りを円に近い楕円軌道で回っています。一番近い時と一番遠い時の差はだいたい1〜2%くらいです。

まぁでも、太陽と地球の距離は平均で約1億4960万kmで、数字だけで表すと149,600,000kmです。
ここで、地球の赤道半径は6,378kmですから、だいたい、地球の公転軌道半径は地球の半径の約2.3万倍です。とりあえず、百分率(%)のレベルじゃないです。

つまり、地球が最も太陽に近付き、公転軌道が1%内側にずれると、約150万km内側=地球約117個分内側になるんです。

で、地球が一番太陽に近付くのは、1月です。日本では冬ですね。

太陽に地球117個分近くても寒いんです。

これだけ太陽までの距離が変動しているので、太陽までの距離で気温が決まるなら、地球のどこでも同じ季節ですよね・・・常夏とかいう地域がある様に、場所によっては年間通じて殆ど気温が変わらないところもあるんです。それを考えれば、太陽までの距離とか、全然関係ないですよね。


まぁ距離と関係ないことは分かると思いますが、いざそれを説明しろとなると、ちょっと困ります。熱源は基本的に太陽しかないので太陽が鍵だということは分かると思います。

まぁ熱は拡散したり残ったりするので、一瞬の現象で説明するのは困難です。でも、厳密さにはかけますが、間違ってはいない、とても簡単な説明があります。子供に聞かれたら、こう答えてください。


『夏が暑いのは、昼が暑いのと同じ。』


考えてもみてください。何で夕方は涼しいんですか?太陽は同じ丸い太陽なのに、昼より夕方の方が涼しいんです。
勿論、夕方は昼の熱を未だ残していますので朝に比べれば暑いかもしれませんが、昼から夕方にかけて気温は下がります。晴れていれば最高気温はだいたい2時ごろで、それ以降は気温が下がります。太陽は出ているのに気温は下がるんです。

そして、その理由は、『太陽の角度です。

冬と夏の太陽の大きな違いは、太陽の角度です。北緯35度(京都市や静岡市くらい)の場所では、太陽は、冬至の頃は地表から30°くらいにしか上がりませんが、夏至の頃は80°近くまで太陽は上るんです。

この大きな角度の差が重要なんです。

その説明には太陽の代わりに懐中電灯を使ったら良いと思います。
懐中電灯で地面を照らす時、懐中電灯を真上から垂直に照らした時と、斜めから照らした時で、どちらが円(楕円)の中が明るいですか?勿論、垂直に照らした時ですよね。斜めから照らすと、地面には楕円形の光の円が出来ます。それは垂直に降ろしたものよりも面積が大きく、全体的に暗くなっているはずです。
地表から30°の傾きだと、光の面積は2倍になります。つまり、その中の一点だけを見ると、光は半分しか来ていないのです。また、大気を通る距離が斜めの方が長くなり光が散乱されたりもします。

光が少ないので熱も少ないのです。ただ、これだけです。

これが、夏が冬より、昼が夕より、赤道が北極より暑い理由です。



posted by new_world at 13:54| Comment(19) | TrackBack(2) | 地球の科学・暦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
(T∇T)。。。
宇宙規模の話になると大変です(笑)
夏が何故暑いのかなんて考えたこともありませんでした。。。
Posted by マチルダ。 at 2005年10月14日 14:29
マチルダ。さん
地球が傾いてるから太陽の光が広がってしまうだけなんですが、結構気付いていない方が多いです。

懐中電灯を傾ければ光が暗くなることは知っているのに、太陽の光が傾いているとはなかなか思いませんからね・・・。
Posted by new_world at 2005年10月14日 14:59
あのー夏至な6月なんですけどー。
(^^;)
でも8月暑いのと、午後2時が暑いのは同じ理由ですね。
Posted by オオクボ at 2005年10月14日 18:59
オオクボさん
・・・誰かはそこを突っ込むと思っていました。
たぶん、そんな感じでしょうね。熱は残るんで。
まぁでも、なんで2ヶ月も差が出るのかは私はよく分かりません。流体の熱力学とかやったら分かるかもしれませんが・・・冬も2月が一番寒いですよね。
子供には、そこらへんは上手くはぐらかして教えればいいんです。それが大人です・・・。
Posted by new_world at 2005年10月14日 19:03
なんとなく、距離かなーと思ってました。
角度なんですね!
日が当たる面が多くなるから暖かい(暑い)、が正解だとは。
目からウロコ。

長年の勘違いを正してくださって、ありがとうございます (^_^)
Posted by 琴音 at 2005年10月14日 19:55
琴音さん
ちょっと勘違いされちゃいましたね・・・光の面積ではないです。光の密度(?)といったら良いのでしょうか。

夏は濃い光が、冬は薄い光が降り注いでいるんです。

記事にも書きましたが、懐中電灯の光の濃さを考えてみたら分かりやすいです。斜めから楕円の光にすると、光の円は大きくなりますが薄くなります。薄くなるということはそれだけ光が少ないということです。
Posted by new_world at 2005年10月14日 20:15
虫眼鏡で、光を集めて黒い紙を焼く遊びを、思い出せばいいのでないでしょうか?
Posted by オオクボ at 2005年10月14日 22:43
『論破できるか!子どもの珍説・奇説』松森靖夫 講談社ブルバックス新書
に、この話が載っています。
「へえー」と思う話が、いっぱい載っている好著です。
Posted by オオクボ at 2005年10月14日 23:01
しかし、人間の感覚のなんと敏感なことか。

たかが20℃のちがいで暑かったり寒かったり感じるんだから。

ああ、人類滅亡の日も近いかも・・・・
Posted by misty at 2005年10月14日 23:23
オオクボさん
そう、虫眼鏡と同じですね。

子どもの珍説・奇説・・・面白そうな題名ですね。ブルーバックスにそんなのがあったんですか。知りませんでした・・・ブルーバックスは本探しに目録読んだんですけど。
Posted by new_world at 2005年10月14日 23:45
mistyさん
生物は体温が命ですからね・・・まぁ人間は毛皮を脱いで、服で調節できてるんで他の動物よりは温度への適応能力は高いと思います。同じ個体がシベリアから赤道直下まで住めるのは驚異的ですよ。防御はそれぞれ必要ですけど。
ただ、人間の場合、免疫機能の低下などの方がきついですね。特に文明の中で育った個体の場合、文明の外ではなかなか生き延びられないでしょうね。
Posted by new_world at 2005年10月14日 23:49
「太陽高度と気温との関係は、地表温度が密接に関係している」と、塾講師しているときに教えました。

詳しい科学的なことは分かりませんが、
大気気温は、直接太陽光で暖められるのではなく、
太陽光で暖められた地表や海水温によって間接的に暖められるもの、
ということなのです。

2時間の時差はそこで生まれます。
なぜ2時間か、そこは科学的に私は説明できませんが、

一日をおおざっぱに12時間とみて
正午から2時間ずれるのと
一年が12ヶ月で、
6月から2ヶ月ずれるのと
符合しているんですね。
Posted by gouya_na_hibi at 2005年10月15日 10:59
gouya_na_hibiさん
中学校(小学校?)の時、習いましたね。何で2時間なのかは知りませんけど・・・。

確かに、一年12ヶ月、昼を12時間とすると、2時間のずれですね。気付きませんでした。
Posted by new_world at 2005年10月15日 14:28
ほぉ〜面白いですね。
子どもなら疑問に思うことなのかも!
大人になったら、当たり前って
思っちゃうんですがね〜。
Posted by のび at 2005年10月15日 15:23
のびさん
大人って他の事で忙しくて、生活に関係ないことは見えなくなりがちですからね。

子供は、時間もありますし、生まれたばかりなので、当たり前が少ないんでしょうね。
Posted by new_world at 2005年10月15日 16:53
2時間や2ヶ月のズレは難しく考えなくてもいいのではないでしょうか?

例えばお湯を沸かす時を考えてみれば、どうでしょう。
お湯を沸かすのには時間がかかります。
それと同じでは。

弱火→強火→弱火

の順番に火の強さを変えても、一番火の強い時が、一番熱くなるとは限りません。
だいたい遅れます。
これは熱が、全体に行き渡るのに時間がかかるからです。
Posted by オオクボ at 2005年10月15日 20:35
オオクボさん
そうですね。でも、同じ2/12って気になります。昼になるのも夏になるのも似た様な事ですので似たようになってもおかしくないですけど。
あと、もう少し早くてもいいかなぁって思ったりもします。

まぁもしすぐに温まるなら地球全部同じ温度ですけどね。
Posted by new_world at 2005年10月15日 20:51
地球の距離が太陽に一番近くなるのは12月だったのでは?
Posted by 太陽の距離 at 2007年05月11日 06:16
太陽との距離 さん
今年の太陽への地球再接近日(近日点)は1月4日だったそうです。

近日点−近日点の期間は公転周期より若干長く、近日点は次第に前進しているのですが、その前進スピードは年に5分弱だそうで、たぶん、12月に近日点があったのは大昔だと思います。

近日点は約10万年で1周するそうです。
Posted by new_world at 2007年05月13日 13:50
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