2005年10月26日

鉄鉱石と生物誕生

ガン遺伝子の話が思いのほか面白くなかったので、鉄鉱石の話をしたいと思います。

今人類が使っている鉄は鉄鉱石から製錬しているのですが、その鉄鉱石を作ったのは、実は、生物なんです。

まぁ有名な話なので知っている人も多いかもしれませんが、最初に聞いたときにはちょっと驚きますよね。

本当に生物が作ったといえるんです。



その理由は原始地球の大気にあります。

今の大気と何が違うかというと、酸素がなかったのです。

酸素のない地球では鉄は酸化されずに単体の状態で動きます。酸性雨に当たってイオン化し、海に流れ込みます。また、海の中で海底火山から鉄が供給されることもあったでしょう。

そのため、原始地球の海には大量の鉄イオンが溶け込んでいたんです。

その中で生物が誕生します。

最初の頃の生物には酸素は不要でした。むしろ、毒だったといわれています。それなのに、なぜ酸素を吐くことが出来たかというと、周りに鉄イオンが大量にあったからです。

生物から酸素が海水中にはき出されると周辺の鉄と反応し酸化鉄を生じて海底に沈殿していくのです。つまり、鉄イオンが海水を“浄化”していたんです。

そうして、鉄鉱石の層が出来るんです。

しかも、鉄鉱石の層の中の酸化鉄の純度が規則的に変化しているんです。縞状鉄鋼層と呼ばれています。これは、“昼と夜の酸素供給の差”が蓄積したものだと考えられています。

昼は光合成により酸素が沢山供給されていて大量の酸化鉄が沈殿していくのですが、夜になると酸素の供給が止まり、そのほかの不純物ばかりが降り積もっていくのです。それの繰り返しによって層状の構造が出来るのです。

最古の縞状鉄鉱層は38億年前なのですが、そのころの生物は酸素を排出する段階にはなかったといわれています。そのため、この縞状鉄鉱層は何らかの化学変化によるものだといわれています。(まだよくわかっていないみたいです)

ただ、35億年前頃には光合成を行う生物、シアノバクテリア(藍藻)が生まれていた証拠が残っています。

その証拠は藍藻の作るストロマトライトと呼ばれる岩石です。

藍藻は糸状などの構造をしていて、夜間は活動を停止して表面から粘液を出して泥などを固定します。そのあと、昼になると再び泥から顔を出して活動を再開します。

これは一年で0.5mm〜数mm程度くらいずつ高くなっていったと計算されています。

まぁ数百年〜数千年で1mくらいです。

高さにも限界があるのでそこまで高くはならないのですが、千年くらいで1mですので、地球の年齢から考えると、結構速いといえます。


っと、話が変わってしまいましたが、とりあえず、鉄鉱石は生物の光合成によって生じた酸素によって鉄イオンが酸化して海底に沈殿したものなんです。殆どが。

勿論、地球の核は鉄で出来ていますので、地殻運動などで鉄が地表に現れることはよくあります。しかし、鉄鉱石の量は莫大で比べ物になりません。


鉄鉱石の消費量は年間10億トンと言われていますが、鉄鉱石の埋蔵量は今の消費量の100万年分くらいといわれているそうです。ただ、多くは“海底”なのでなかなか取り出せないみたいです。


posted by new_world at 22:30| Comment(12) | TrackBack(1) | 地球の科学・暦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもいろいろ読んで、思うんですけど。。。
こんなの見つけたりする人って凄いですよね。。。
どうやってたどり着くんだろう(・_・?)
と、思ってしまいます(笑)
Posted by マチルダ。 at 2005年10月27日 11:30
小さな生物と小さな鉄イオンの小さな反応が、見当もつかないような時間をかけて今の地球を作っていったんですね。

今この瞬間も、わたしたちには分からないところで、ものすごい量のいろんな反応が起こってるんでしょうね。

まだ知らないことだらけで、考えれば考えるほど世界が広く大きくなっていきます。

知らないままで終わってしまうことがほとんどでしょうけど、少しでもいろんなことが知れてうれしいです(^o^)丿
Posted by bow_n at 2005年10月27日 21:51
私が鉄鉱石で、イメージするのは宮沢賢治の童話です。

ところで最近、自分のブログの字のポイントを大きくしました。その理由は、過去ログを読んでいたら字が小さくて、目が痛くなったからです

この「京都にて」は、内容的には非常に面白いのですが、字が大変多く、更新がとても早いので、読んでいると、目が疲れます。
勝手なお願いですが、できれば字のポイントを、もう少し大きくしていただけないでしょうか?
Posted by オオクボ at 2005年10月28日 00:17
辿り着くのは、あれです、

「運命」。
Posted by 蒟蒻パンチ at 2005年10月28日 07:16
マチルダ。さん
頭いい人がいますからね。まぁでも、あんまり頭がよくなくても、そのことばかり何ヶ月も何年も考えていたら思いつくのかもしれません。

調べてみて、実際の現象とひらめきが一致すれば、そのひらめきは正しいかもしれない、ということになり、実際の証拠と照らし合わせていくうちに、ほぼ事実であると認められるんです。
Posted by new_world at 2005年10月29日 09:42
bow_nさん
石油や石炭なんかよりもはるかに多いんですからね・・・凄まじい量です。それくらいに光合成が凄かったんです。

ほんと分からないことだらけです。私たちの体で起きていることも地球の上や中、外で起きていることも。

私も、できるだけたくさんのことを知りたいと思います。
Posted by new_world at 2005年10月29日 09:47
オオクボさん
そうですね・・・確かに、読みにくいと思います。たまに太字とかは使ってたんですが、かなり気分だったんで。

新しい記事からはちょっとは改善したいと思います。昔の記事も少しずつ手直ししていきますね。

指摘してくださって有難うございます。
Posted by new_world at 2005年10月29日 09:49
蒟蒻パンチさん
運命ですか・・・よく意味が分かりませんけど。

まぁ私たちが生まれるまでは偶然の連続でしたが、でも、私たちは生まれたんですよね。
Posted by new_world at 2005年10月29日 09:51
この本、面白かったです。
Posted by fujun at 2005年11月02日 00:24
この本、面白かったです。
『鉄理論=地球と生命の奇跡』講談社現代新書
Posted by fujun at 2005年11月02日 00:28
こんにちわ
鉄を食べるバクテリアがいるのは聞いたことありますが、藻が鉄を作ってたのは知りませんでした。
Posted by むっち at 2007年01月31日 11:08
むっちさん
まぁ鉄自体は核融合で作られているのですが、それを鉄鉱石として“固めた”のが生物なんです。

あと、鉄は地球の主成分でもありますね。核は鉄で出来ています。まぁまだはっきりとは分かっていませんが。
Posted by new_world at 2007年02月01日 09:13
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