2005年11月05日

ヤコブ病・・・

プリオン病については以前書きましたが、このプリオン病、大変怖い病気の一つです。

発症したら(今のところ)助かりません。

今のところ治療法はなく、体の防御システムも対応できておらず、致死率は100%といわれています。

発症から数年で死に至るそうです。

私たちの免疫は異状プリオンには機能していないようですので、“体の強さ”は関係ありません。

本来は遺伝子の異状によって100万人に1人程度が年をとって発症する珍しい病気だったのですが、狂牛病由来の新型のヤコブ病は、十代の子供でもかかる可能性がある病気です。

プリオンは異種間においてはアミノ酸配列が微妙に異なるので、プリオンを摂取した場合でも種が遠ければ感染力は殆どありません。

たとえば、羊と人ではアミノ酸配列が違いすぎて殆ど感染する可能性はないといわれています。

しかし、羊と牛、牛と人はそれに比べるとやや似ていて、感染力が少し生まれるようです。


一方で、同種においてはプリオンの構造は同じなので、異種間に比べると感染力は格段に上がるといわれています。

たとえば、牛から牛への感染力は高く、少量のプリオンを経口摂取して感染することが確認されているそうです。

人から人に関しては、移植の際の感染についてしか私は知りませんが、クールー族と言う東南アジアの民族が以前食人の習慣があり、同様の症状を持つ患者がいたことが確認されています(現在ではその習慣はなくなり、その症状も出ていないということです)。

感染力についてはよく知りませんが、私たちには人を食べる習慣はないので、気をつけるのは移植などの医療行為でしょう。

ただ、遺伝子型による感染力の違いは指摘されています。

食人や医療によって体内への異状プリオンタンパク質が侵入し、それによって正常なプリオンタンパクが変性させられることでプリオン病は発症します。

しかし、ヒトによって二種類の正常プリオンをもつひとがいて、二種類持っているとプリオン病に対する抵抗力が上がるそうです。

ヘテロ接合体というのですが、ヒトは両親由来の二つの相同染色体(まぁ同じ機能の染色体です)を持っていて、そのそれぞれがコードするプリオンが異なる場合、ヘテロといいます。(同じものはホモ接合体といいます。)

ヘテロ接合体だとプリオンが二種類あるので変性の伝播のスピードが遅れるようです。

ただ、変性の詳しいメカニズムは今のところ分かっていません。



話が少しそれましたが、とりあえず、牛のプリオンを万が一食べた場合でも、感染力は極めて低く、滅多にかかる病気ではありませんので、そこまで騒ぐ必要はないと思います。

イギリスではパニックになって大変だったそうですが、パニックになっても状況は決してよくはなりません。

まぁイギリスの場合、20万頭近い牛が狂牛病に感染したと言われ(数えずに大量に処分したので正確な数は不明)、ヒトも150名ほど亡くなっていますので、混乱するのも無理はないと思いますが・・・しかも、牛の脳も食用に回されていたそうですし。牛の脳を入れると味がよくなるそうです・・・よく知りませんけど。


潜伏期間は数年〜十数年と長く、発症したら数年の命、これは、かなりの恐怖でしょう。私も、すでに異状プリオンが増えているかもしれません・・・。

しかも、脳がやられやすい病気ですので、家族への負担も大きくなります。ごく短期間ですが・・・。


感染する可能性はほぼ0だとは分かっていても、気味が悪くて私はあまり食べる気はしませんね・・・とりあえず、今のところは豚や鶏からはプリオン病が見つかっていないので、動物タンパクは豚肉や鶏肉から・・・。

まぁいつ豚とかにもプリオン病が出てくるかは分かりませんけど。

因みに、このようなプリオン病は、猫や鹿、動物園のライオンやトラ、チーターなど、様々な動物で見つかっています。


posted by new_world at 19:32| Comment(11) | TrackBack(0) | 生命の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 狂牛病はとても関心があるので、今回の記事は興味深いものでした。プリオン病は「病原菌というより、毒素」と解釈した方がわかりやすいという考えた方は、目からウロコです。

 でも、重箱の隅をつつくようですいません。

>(牛→牛、人→人ではかなりの感染力です)

は納得できません。なぜなら毒ならば、食べることによって感染するのであり、食べなければ感染はしません。
だから牛→牛、人→人の感染というのは、共食いしかありません。

 実際、狂牛病になった牛の餌には、牛(肉骨粉など)が入っていました。人間も同じ症例があるそうです。死んだ人(身内)の肉を、食べる儀式が、伝統的にある村でおこる病気だそうです。それでも発病の確率は低いそうです。
Posted by オオクボ at 2005年11月06日 09:31
人から人へどうやってうつるんですか?
私は牛肉はほとんど食べないのでそこまで
心配はしてませんが。。。
コロッケを買って、中のひき肉が。。。ってことも
あるんですよね。。。
怖いですね。。。
Posted by マチルダ。 at 2005年11月06日 11:20
潜伏期間が長い……よく調べてからでないと、移植とかもできませんね(((((((( ;゚Д゚)))))))

イギリスの「危険」といわれている時期に、兄が旅行で行ってたんです。
本人は何も言いませんが、不安だと思います。家族も。
病気はほとんどがそうですが、知らない間に蝕まれているのってこわいですねー。
Posted by bow_n at 2005年11月06日 12:23
オオクボさん
説明が曖昧だったようで、文章を足しておきました。
確かにヒトからヒトへの感染はよく知りません。牛から牛は授業で習った気がします。

ご指摘、どうも有難うございました。


マチルダ。さん
ヒトtoヒトの場合は異状プリオンを移植や成長ホルモンの注入などによって摂取した場合でしょうね。あとは、輸血も問題になっています。

プリオンは熱にはかなり強いようです。数百度まで上げないと活性を失わないといわれています。

コロッケをあげる時は160℃くらいですから、プリオンは壊れませんね。

でも、滅多に感染しないので、そこまで気にすることはないと思います。特に、国産牛の場合は、技術はまだ未熟ですが全頭検査もしていますので、ほとんど大丈夫なのではないでしょうか。
Posted by new_world at 2005年11月06日 14:16
bow_nさん
基本的に、牛肉を食べなきゃ大丈夫なので、そこまで気にしなくてもいいとは思います(まぁ色々使われてたりしますけど)。

でも、献血は出来なくなりますね・・・。


病気について多く知っていると多少は長生きできるかもしれませんが、あまり気にしていると楽しい人生はおくれませんよね。
無知なのはよくないですが、神経質になる必要はないと思います。
Posted by new_world at 2005年11月06日 14:22
私も感染する確率が極めて低いことは、強調すべきだと思います。

ところで、全頭検査について、こんな記事があります。

http://cruel.org/other/beefstuff.html
Posted by オオクボ at 2005年11月06日 14:25
オオクボさん
そうですね。20万頭の牛に広がって100人、しかも、脳を食用に回していてですからね。


全頭検査はいろいろ問題があるようですね。

まぁその精度の問題はあるにしても、アメリカのやり方はちょっと嫌です。

まずは『20ヶ月以下の牛の輸入再開』を決めさせて、そうしたらすぐに『30ヶ月まで拡大しろ』ですから・・・いくら科学的根拠を提示されても、もう少し謙虚であって欲しいです。まぁ外交ですからね・・・。

科学的な根拠はなくても、いい気分はしません。

あと、日本の牛肉ってアメリカは輸入禁止にしていましたよね?それもなんかアメリカ的です・・・。

まぁ私が反米的なだけかもしれません。


米の高率関税撤廃問題にしても、アメリカが食料輸出国だからそれを進めてるんですよね・・・

まぁ日本に力が足りないともいえますけど。
Posted by new_world at 2005年11月06日 15:57
そもそものBSEの発生が、インドのヒトの骨が輸出されてそれを英国の牛が食べたからという説が出ましたね。さて種の壁はどうなるんでしょう。

BASEなんていう新型BSEも出てますので、ちょっと情報をまとめてみました。

アルツハイマーとヤコブ病の誤診・集団発生など、情報リンク
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/c094e704f8b3b1260ca616eb4c1dcb97
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/
Posted by Mariko。 at 2005年11月19日 01:16
Mariko。さん
そうなんですか?ヒトの骨が、ですか・・・羊の骨っていうのは聞いていましたが。

アメリカ産牛肉輸入解禁でBSE問題はまた騒がしくなりそうですね。
Posted by new_world at 2005年11月20日 18:45
new_worldさん、人の骨の話です。

BSEの起源はクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsvs/05_byouki/prion/pf167.html
Posted by Mariko at 2005年11月23日 01:43
Marikoさん
へぇ・・・私はてっきりスクレイピーからうつってきた物だとばかり思っていました。

まだよく分かっていなかったんですね。

しかも、羊ではなくヒトから・・・

私たちの感覚ではヒトの骨が牛の餌に混ざるなんて考えられないんですが、インドとかではヒトを川に流すんですよね・・・

へぇ・・・
Posted by new_world at 2005年11月23日 23:26
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。