2005年11月10日

ペッカーリの平等な群れ

前回、利己的な群れの形成の話をしましたが、今回は利己的でない群れの話です。

ペッカーリというイノシシに似た動物です。

イノシシはユーラシア大陸とアフリカ大陸に生息していますが、ペッカーリは南アメリカ大陸、アルゼンチンあたりに生息しています。

イノシシとは共通の祖先を持ち、それぞれ別の大陸で進化していったものと言われています。

このペッカーリは10頭前後、種によっては100頭を超える群れで暮らしているのですが、この群れにはリーダーがおらず、全てのペッカーリは平等だといわれています。

まぁここまではそこまで珍しいものではないのですが、このペッカーリの最も驚くべき性質は、外敵に襲われた時の行動にあります。


なんと、群れの中の一匹が自ら出て行き、オトリになるんです。


己よりも群れの存続を優先するんです。

しかも、そのオトリ、命を落とすことも多いそうです。

一匹が犠牲になって仲間を守るのです。

まぁ襲われるたびに一匹ずつ死んでしまっては、群れの個体数がすぐに減ってしまいますので、襲われる頻度とオトリが命を落とす確率、そして、子供が生まれる頻度が上手い具合につりあっているんでしょうね。


とはいえ、いくら群れを守る意識の比較的強い人間でも、そこまでする人は殆ど映画の中にしかいませんよね。まぁ何千人や何万人に一人くらいはいるかもしれませんけど・・・。

人間の場合、後天的な要素が大きいので時代背景や教育にもよってはそういう行動が行われる場合はありますけどね・・・戦争時とか。

あと、子供のためであれば、自分の命を犠牲にしてもいい、という親は結構いるかもしれませんね。

最近ではそれも怪しい親が多いですが・・・。

話がそれてしまいました。



《結論》
ペッカーリは命を張って仲間を守る素晴らしい生き物です。

勿論、彼らは本能のまま動いているのかもしれませんけど、生物は、そういう風に進化することもあるっていうのが素晴らしいです。




※補足
生物は、個体としてみれば利己的な面を持っていますが、それを構成する細胞レベルで見ると、かなり利他的です。

個体全体の存続の為には、それぞれの細胞は簡単に自殺しますし簡単に殺されます。

当たり前のようですが、細胞だって生きているんですから、きっと生きていきたいと思います。

ゾウリムシだって皮膚の細胞だって一つの細胞です。集合体に所属しているかどうかで全然性質が違うんですよね・・・凄いです。

参考記事『
細胞の自殺


posted by new_world at 01:22| Comment(4) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ヤギか何か……忘れてしまいましたが(-""-;)
襲われたら硬直して、コロンと転がってしまう動物がいますよね。
あまりにもひどいうろ覚えで説明できませんが、以前テレビで見ました。
1匹が犠牲になって、群れを守るためだという説明でした。

その後「うーん、他の動物と人間の違いって、種と個人のどちらを優先するかっていうところにもあるのかなぁ」と考えたりしていたんですが、そうでもないんですね。

「人間」=汚れている
「動物」=清らか

というイメージが強すぎたんでしょうね。
すぐに何にでも影響されてしまう自分がちょっと悲しいです(-_-;)
Posted by bow_n at 2005年11月10日 21:30
私もbow_nさんと同じ番組を観た記憶があります。

生命は果ててしまえばそれで終わりですよね。
自らオトリになるなんて、どんな光景なんでしょうねぇ?
数匹がオトリに立候補したらどうなるんでしょう?

なんかいろんな想像をします〜。

群れで行動する魚も、どこが具合いが悪かったり、致命的なケガをしたりすると、群れから離れたりしますよね。それも同じような理由なんでしょうかねぇ・・・?
まぁ、病気は他の固体に移してしまうといけないから本能的な行動だと説明もつきそうかな?

いろんな意味で感動的なお話でした!
Posted by やまさん at 2005年11月11日 00:14
bow_nさん
人間がかなり未熟な状態で生まれてくるからか、育て方次第で結構性質が違ってきますよね。まぁ他の動物にも個性は結構ありますけど、人間ほどその個性が後天的な要素によって変化する動物はいないと思います。

それと、今の世の中、人間という種を脅かす動物がいないんですよね・・・病原菌やウイルスくらいです。あとは自然現象です。

そのため、身を守る習慣がなくなって、群れとしての意識が低下したのかもしれません。

戦争状態みたいに、他種ではなく同種ではありますが、“群れ”の存亡の危機の時には“群れ”としての意識が本能的に強まるのかもしれませんね。
Posted by new_world at 2005年11月12日 15:35
やまさん さん
オトリの選別の基準は不思議ですよね。たぶん、最初に思いついた個体なのかもしれません。

鳥(ハトとか)の移動もそんな感じらしいです。

移動したい気分になった鳥は飛びたち、群れに向かって鳴きながら急降下して『帰りたい』と伝えたりするそうです。そういう個体が増えると群れ全体が移動するとか・・・見たことはないですが、本で読んだことがあります。



確かに病気で瀕死の状態の個体が群れから離れるというのは合理的ですね。

そういった性質の個体を多く持った群れがより多くの子孫を残せていけることも理解できます。
Posted by new_world at 2005年11月12日 15:39
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