2005年12月15日

老化D ヒトのように老化するマウスから

1997年、『動脈硬化』『肺気腫』『骨粗鬆症』『毛根の減少』『しわ』などヒトとよく似た老化現象が現れる早期老化マウスが同定されました。

平均寿命は60日

マウスの平均寿命は2年前後ですので、どれだけ短いかは分かると思います。

このマウスに欠損していた遺伝子それが作るタンパクも判明し、その遺伝子・タンパクは、ヒトの運命を司る、生命の糸を紡ぐ女神klothoに因んでklotho(クロトー)遺伝子・klothoタンパクと命名されました。

そして、このklotho遺伝子と同じ機能をしている遺伝子がヒトでも発見されました。

このklothoタンパクが担っている役割を解析することで、ヒトの老化現象にアプローチしようとしているのです。

ヒトのような老化ヒトには当たり前なのですが、マウスにとっては異常なので、その異常(=ヒトのような老化)の原因からヒトの老化を考えようというものです


現在のところ、このklothoタンパクは、ビタミンDの制御によるカルシウムのコントロールに関与していると考えられています。

陸上で生きる私たちにとってカルシウムは極めて重要ですよね。

丈夫な骨格があってこそ機敏に移動することが出来るのです。


また、このタンパクはインシュリンの作用を抑制する働きがあることも分かっています。

インシュリンは血糖値を下げるホルモンとして有名ですが、実際には様々な作用があり、代謝系全体に重要なホルモンです。

その作用をklothoタンパクは抑制しているんです。

インシュリンを抑制しすぎると糖尿病になってしまいますが、ある程度の抑制がないと、代謝が活発になって活性酸素が沢山出てきたりして、体に大きな負担となります。



このような機能を持っているklothoタンパクが多く発現するマウスを遺伝子操作で作ると、そのマウスの寿命は通常の1.3倍程度まで伸びたそうです。

このタンパクが増えただけで寿命が延びたんです。



ヒトにおけるklothoタンパクの研究によって、このタンパクが『虚血性心疾患』『脳卒中』『骨粗鬆症』などの成人病に関与していることが分かっています。

もしかすると、老化の治療にも使えるかもしれないんです。

まぁまだ、よく分かっていないんですけどね。

マウスから発見された抗老化遺伝子(?)klothoはまだまだ研究途上だそうです。


東京大学の記者発表一覧に「抗老化ホルモンklothoによる寿命の延長とその分子機構の解明」というものがありました。

一番下に、klothoタンパクの血中濃度が通常の倍になったマウス×3匹の、三歳の誕生日の記念撮影(?)が載っていました。



posted by new_world at 20:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 生命の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
▼o・_・o▼コンニチワン♪
長寿マウスかしまし3兄弟かなとてもかわいいですね。
人間も120歳でこんなにげんきそうだといいですね。
Posted by むっち at 2005年12月16日 10:14
むっちさん
こんにちは。元気そうですよね。ちゃんと並んでいい感じに写っていますし。
Posted by new_world at 2005年12月16日 17:23
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