2006年02月13日

川はもう曲がらない

日本は山地から平地までをぎゅっと縮めてまとめたような地形をしているのですが、日本ではもう見られないものもあります。

たとえば、川です。川は本来、動くものです。

洪水によって流路を変えたり、河床を削りながら次第に曲流していったりします。(山間部での曲流はまだあるでしょうけどね。)

そうやって、扇状地やらができてきたわけですが、私たちは川の流れを止めてしまったのです。

自分たちが都合がいい位置に川を持ってきて、そこに高い堤防を築いて川の流れを固定するのです。

しかし、それでも川は川ですので、山では土砂を削り、平地〜河口では土砂を堆積させます。

そのため、天井川というような異常な川が生まれてしまうんです。

天井川というのは、人間が高い堤防により川を固定してしまったせいで、同じ場所に土砂が堆積していき、河床が平地部分よりも高い位置に来たものです。

平地なのに、川の底の下に道が通っていたりするんです。(山地であればトンネルなどはありますが。)

私が住んでいる京大付近も本来は扇状地なのですが、川は固定され、既に扇状地の形成は人の手によって停止させられています。

扇状地とは、山から平地に出るところに生じる扇型の緩やかな斜面です。

山間部で削られた土砂は、川の傾斜がゆるくなる平地になると次第に堆積していきます。

堆積によって河床が上がったり、洪水によって流路が変わることで、山の出口付近に満遍なく土砂が積まれて扇状の斜面ができるのです。

つまり、人が川の流れを固定してしまうと、それができないんです。

本来、川が動きやすい部分ですので、もしかすると、洪水によって強力に流路を変更させる力が加わわると、堤防が決壊する可能性も高いんです。




日本では狭い平地に大勢の人が密集して住んでいますので、地形の変化はできるだけ起きないようにされていますし、地形の変化が起きても、すぐに人の手で元に戻されてしまいます。

それがいいことなのか悪いことのかは知りませんが、自然な状態じゃないんですよね。

これだけ地形をがんじがらめにしておきながら、当の本人たちはあまり認識していません。

私は、土地を住みやすい形に固定することに関しては別に構わないと思いますが、土地を固定していることをちゃんと認識していてもらいたいです。

別に、そんなこと知らなくても生活に支障はきたしませんけどね。


posted by new_world at 20:01| Comment(2) | TrackBack(0) | 地球の科学・暦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そうですね。私の住む地域は天井川の下を水路がくぐるという状態になっていて、不自然です。
「もう曲がらない」と考えると、生き物として後ろめたさを感じてしまいますね…。
Posted by takatsukinohitori at 2006年02月14日 00:32
takatsukinohitoriさん
結構あるみたいですね、天井川。せめて、その理由くらい知っていてもらいたいものです。

後ろめたさは感じますが、流れが変わってしまうと大変ですからね。土地の問題とかでもめそうです。
Posted by new_world at 2006年02月16日 23:57
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