2006年04月27日

学習と本能U できても、学習できないことも。

ヒヨコ(ニワトリのヒナ)は卵から生まれたらすぐにエサをついばみます。

習ってもいないのにエサをついばむのでこれは本能だと思われていました。

しかし、前回紹介したKuo氏(20世紀初頭の科学者)はこれも学習ではないかと考えたんです。

Kuo氏が注目したのは『卵の中での動き』です。殻の中でヒヨコは足を動かす動作をします。

殻の中は空間が限られているので、足を伸ばすと頭がぶつかり、頭は殻のラインに沿って前に曲がるんです。

この動作がエサをついばむ動作に似ていると彼は気づいたんです。

そこで彼は卵の表面の硬いからを取り除いたんです。

卵って殻の下に薄い膜がありますよね。あれだけを残したんです。

あの膜だけであれば変形しますので足を伸ばしても頭が曲げられることはありません。

そして、そうやって育てたヒヨコは、実際に、エサをついばまなかったんです。

つまり、あれも学習なんです。



ただ、これにも問題提起がされました。

ツバメのヒナは親からエサをもらいますよね。

でも、ツバメのヒナも同じ事を卵の中でしてるんです。

それなのに、ツバメのヒナは生まれたら親からエサをもらおうとします。

同じ事を経験したのに、ツバメは学習できなかったんです。




同じ事をしていても、100%学習する種と100%学習しない種があるということは、学習というものが本能であるといえますよね。

まぁ、その機会を奪ってしまえば習得できない技術なので、エサをついばむという動作が学習と呼べることは確かです。

ただ、全てのヒヨコは硬い卵から生まれますので、必ず学習するんです。




エサを食べる動作が何故学習という形で習得されるのかはよく分かりませんが、もしかしたら、ついばむと言う動作が偶然の結果なのかもしれません。

鳥のヒナの本来の姿がツバメ型なのかニワトリ型なのかにもよりますけど、ツバメ型のヒナが偶然卵の中での動作を覚えていて、それを行うことでエサをより多く取ることができれば、ニワトリ型に変化していくかもしれません。

これは鳥の段階ではなく、その祖先の恐竜(鳥類は恐竜の生き残りです)やそれ以前のことかもしれませんけど。

まぁその辺りはよく知りません。



ただ、このツバメとニワトリの違いは、学習というものが遺伝子で縛られているいい例だといえますね。

体の構造的な問題ではなく、遺伝的に学習できるかどうかというところが重要です。

ツバメにだって能力的にはできるんです。

でも、できないんです。


posted by new_world at 12:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。実はお久しぶりです。
1年位前(?)によく読み、コメントさせていただいてました。

今、実験でニワトリの発生段階を調べるために、さまざまな発生段階の胚を卵から取り出していて、この話題にも興味を持ったのですが、現在はこれはどのように考えられているかわかりますか?ちょっと疑問に思ったので…。

何か教えてくださるとうれしいです☆
Posted by cobatch at 2006年05月03日 00:34
cobatchさん
お久しぶりです。

その講義はマクロ系の話で、具体的な遺伝子の話はなかったので、残念ながら、詳しいことは私は知りません・・・すみません。
Posted by new_world at 2006年05月06日 00:08
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