2007年04月17日

自分の細胞

就職先が決まり、研究室で実験を始めてはや半月・・・

今は、大腸菌や細胞、DNAの増やし方、緩衝液や培地の作り方、超遠心機や分光光度計の使い方、タンパク質へのタグの付け方など、基本的なバイオ実験のスキルを会得中です。まぁ来年には全く要らなくなる技術なんですけどね・・・


就職先が決まっている私は研究室に一年しかいないため、研究テーマも1年でそれなりに成果が出ると予想されるものということになり、それで、昨年まで他の学生がやっていた研究を引き継ぐことになりました。

その研究テーマは網膜にあるロドプシンという光受容タンパク質のとある機能の解析なのですが、解析するためには解析しやすいように細工をしたロドプシンたんぱくが必要です。

前任者は、そのロドプシンDNAの細工をするまでで他へ移った(他の大学院に進んだ)そうで、私はその変異体を使って機能解析を行うことになります。

ただ、変異体なので、自然にはなく、自分で増やさないといけません。変異体のDNAまでは前任者が作ってくれているので、それを増やしてタンパク質にします。


まぁDNAの量産→タンパク抽出までのスキルは、バイオ実験の基礎中の基礎なのですが、これを行うためには細胞が必要です。

細胞といっても何でも良いわけではなく、ちゃんと実験にむいた細胞株という安定的に増殖し様々な特性を持った細胞の系統が色々と樹立されています。

その細胞株は多くの科学者によって共有されていて、私も教官からシャーレ一枚分もらいました。

それを増やしながら、増えた分を実験に使っていきます。ある程度の細胞数を維持しながら、実験を進めていくことになります。


色々な種類の細胞株があるのですが、それぞれに様々な特性があるようで、研究室の分野や研究テーマなどで使う細胞株は異なってきます。

ヒトの細胞からも細胞株が樹立されていて、有名なものでは、50年以上前にヘンリエッタ・ラックス(Henrietta Lacks)という女性の方から分離された細胞株であるHela細胞(ヒーラさいぼう)というものがあります。これは世界初のヒト由来の細胞株なのですが、今でも多くの科学者によって使われています。

かなり広く使われているので、ヘンリエッタさんの体の細胞の数をはるかにしのぐ数の細胞が作られてきたと言われています。



細胞を用いる研究においては、細胞のコンディションが実験に大きく影響を及ぼします。いくら実験に使いやすい細胞とはいえ生き物ですので、育て方や使うタイミング次第でその能力は結構差が出てきます。一枚のシャーレに多すぎても少なすぎてもダメですし、育てる環境(培地の組成や温度など)でも大きくコンディションは変わってきます。また、実験操作を手早くやらないと細胞に負荷がかかってしまいますし、使う試薬の温度まで調整する必要があったりします。

いい成果を出すには上手く細胞を管理する能力が必要なんです。

しかも、その細胞の世話、1日おきにしなくてはいけないんですよね・・・つまり、細胞を育てている限り、連休というものはありません。

そんなに時間がかかることではないので手間がかかるというわけではないのですが、二日以上家を空けるような遠出はできませんね。


そんな感じの今日この頃です。

更新が殆どされてなくてすみません・・・忙しくて・・・。


posted by new_world at 01:16| Comment(10) | TrackBack(0) | 日常生活(日記) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あら?いつの間にか就職決まったんですね(笑)
おめでとうございます☆(*´∀`)ノノ""
Posted by マチルダ。 at 2007年04月18日 09:41
京都で大学生活だなんてうらやましいです。
学会などで訪れるたびにいいなー、って思います。

HeLa細胞は私も研究室で育てていますよ。
他の人が違う細胞を使っていてHeLa細胞を飼っていないので、細胞のコンディションとかコンタミネーションとか注意していないといけないので休日出勤とかよくあります。
ゴールデンウィークとかイヤだなー、なんて思いますが仕方ありません…。
実験頑張ってくださいね!
Posted by flowerbox at 2007年04月18日 14:59
就職おめでとうございます。
Posted by tenmado_skylight at 2007年04月20日 18:58
マチルダ。さん
いつの間にでしょうね・・・正直、私本人も実感がないくらいあっという間に決まってしまいました。

しかも、その翌日から研究室で、実感を感じる余裕なんてありませんでしたね・・・今も、実験のことで頭が一杯です。

まぁでも、第一志望のところだったので、早く決まってくれたのは凄くよかったです。
Posted by new_world at 2007年04月20日 22:31
flowerbox さん
コンタミは怖いですよね・・・自分のサンプルなどがダメになる分はまだましですが、他の人に被害が出ると最悪ですよね。人間関係が急激に悪化すると思います。

細胞を培養している場合、2連休でも困難ですから、GWなんて考えられませんよね。

私は、どうせ取れない休みは最初からなかったものと思っています。
Posted by new_world at 2007年04月20日 22:47
tenmado_skylight さん
あっという間に決まってしまって・・・助走を10kmくらいひたすら走った後、スタート地点に立ったと思ったらそこが実はゴールだったような感じですかね・・・ゴールを通過した実感がなかったです。
Posted by new_world at 2007年04月20日 22:51
はじめまして。

たまたま検索で1年近く前からblogを拝見していました。
理学部をこの3月に卒業したものです。

知識量といい文章力といい凄い後輩がいるものだと、名前も知らない貴方のblogをよく訪問していたのですが、驚き、その前任の学生とは私のことです。おそらく。

失敗ばかりな上に残したデータも私のおおざっぱさが伺えるものとなっていると思いますが…

是非成果を残してください!!

偶然に驚いて思わず出てきてしまいました。
Posted by きたお at 2007年04月30日 00:43
久しぶりにのぞいたら就職内定。おめでとうございます。やはり人気薄(?)の視覚の研究室に行かれたのですね。ロドプシンは私にとって謎の物質で、そもそも色素タンパクって何?です。(以前のブログに書いてあったのかもしれませんが・・)
最後の1年、研究を楽しんで下さい。
Posted by kyoko at 2007年05月03日 09:35
きたお さん
はじめまして。凄い偶然ですね・・・驚きました。

私は、4月初めのテーマ決めの時には既に就職先が決まっていたので、殆ど選択の余地がなかった感じはありましたね・・・

まだ実験の練習をひたすらやっているところで、研究テーマのことは殆ど考える余裕がないですが、6月頃には考える余裕を持てるようになりたいと思っています。

まぁ6月には耐震工事でお引越しがあるんですけどね・・・院試がない私は、多分かなり働かされます。



このブログですか・・・これほど続くとは思ってもいませんでしたが、今でも知識不足と文章力不足は相変わらずですね・・・最近はさらに気力・体力不足で更新すらままなりません。

書きたいことは結構たくさんあるのですが、それを記事としてまとめる知識と文章力が足りなくて書ききれていない記事が幾つもあります・・・



今年は4回生の人数が少ないので基本的に一対一で実験を教えてもらっているのですが、既に銀行への就職が決まっている私に沢山の時間を割いてもらうのには少し罪悪感を感じてしまいますね・・・。

助教の先生の労力に報いるためにも、新米の私に何ができるかはわかりませんが、できるだけ成果を残していきたいと思っています。
Posted by new_world at 2007年05月03日 11:41
kyokoさん
うちの研究室、去年は人気があったようなんですけどね・・・今年は人気なかったです。何とか3人入りましたが、3人目の登場に驚いたくらいにマイナーな感じでした。

視覚の話も余裕が出来たら書きたいと思っていますが、今は余裕がなくて・・・。あと一月くらいすれば実験にも慣れてくるでしょうし、ぼちぼち書く余裕が出てくるんじゃないでしょうか。

6月には耐震工事で校舎が使えなくなる影響で研究室のお引越しもあって、たぶん、一区切りつけることになると思いますし。
Posted by new_world at 2007年05月03日 11:47
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。