2008年03月21日

“生食”用の肉類とは

牛のたたきやレバ刺しなど、生で食べる肉類って結構ありますよね。

しかし、通常の料理の場合、生肉は食中毒の原因だといってよく火を通して食べるように言われます。

矛盾していますよね。

「生で食べられる肉類」と「生では食べられない肉類」、どこが違うのでしょうか?

別に、無菌室で飼ったりしているわけではありません。そもそも、私たちが食中毒を起こす細菌の多くは牛や豚、鶏の消化管などに普通にいるいわゆる常在菌なんですよね。

私たち日本人の食中毒の半数以上の原因といわれるサルモネラ菌も他の多くの動物の腸で普通に生きている常在菌です。


ただ、常在菌は通常、表皮や消化管にいるものなんです。


つまり、家畜を殺す際や解体する際に食中毒菌が常在している消化管などを破らないようにすれば食中毒となる確率がかなり下がるわけです。

もちろん、以前の豚肉にあったような、寄生虫などは別です。寄生虫は上皮より内側に入っているものも多いので。

そして、その解体に用いる道具や解体する場所は消毒された専用のものを用い、解体する人も直前に手を消毒するように決められているそうです。さらに、解体した肉は速やかに低温保存され、それ以降10℃以上には決してならないように保存しなければならないようです(4℃以下を推奨しています)。



このように、生食用の肉はすごく手をかけて作られているわけです。



しかし、このことを知っている調理師が意外と少ないそうです。

そのため、居酒屋や焼肉店などで出されるレバ刺しの多くは生食用ではないレバーだそうです。


中には

「仕入れた当日のものしか使っていない」

という言い訳をする調理師もいるそうですが、とさつ・解体段階での処理方法が違うのですから、これって全然言い訳になっていないわけです。


事実、厚生労働省の調査では、レバ刺しの11%において食中毒の原因No.2のカンピロバクター菌が確認されたそうです。


とはいえ、ちゃんと処理されたものを用いれば食中毒の確率を抑えることが出来るはずですよね。

しかし、このような特殊な処理が出来ると畜場が6箇所(19年度調査:新潟、長野、福岡×2、熊本×2)しかなく、流通量を増やすことがなかなか出来ないようです。(これらは馬刺し専用のと畜場も含みます。)


つまり、出回っている多くの刺身用牛レバーは、結局、通常スーパーに並んでいる牛肉と同じということです。

よく火を通して食べるべきものなんです。



ちなみに、通常の加熱用の肉類にどの程度の割合で食中毒菌が確認されるかというと、肉の種類や加工・輸送の場所・過程によって差が出るようですが、数十%のレベルだということです。

特に多いのが鶏。鶏肉の7割以上でカンピロバクター菌が確認されるそうです。

なぜ鶏に多いかというと、鶏が小型の生物だからだそうです。つまり、消化管を傷つけやすいということです。

スーパーのパックに入ってしまえば200gだの300gだの牛も豚も鶏も同じですが、元の大きさは全然違います。

つまり、同じ重さの肉をとるために、鶏はかなりの数が処理されているんです。そのため、一羽一羽丁寧に裁いていくのは現実的ではなく、消化管の細菌が付着しやすいようです。



余談ですが、これらの食中毒が意外と多いのが高校生〜大学生。

何となくわかりますよね。このくらいの人たちって、よくバーベキューやら焼肉やらをしますし、若いので(?)充分に加熱していない肉類を口にすることが多いんでしょうね。

もちろん、抵抗力の低い幼児や高齢者の方が多いのですが、これは体力の問題で食中毒が表面化しやすいということでしょう。

抵抗力が高いのに食中毒が多く確認されるということは、本当は相当な数の人が食中毒菌を摂取しているということです。

それに加え、食中毒を風邪や寝冷えの類いと勘違いして病院に行かない人も結構いるようで、実際は相当な数の人が食中毒をおこしている可能性があるということです。


posted by new_world at 21:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 生活の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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