2008年07月15日

霊長類の生息域とヒト

以前、ヒトの生物学的な特徴について書いた事があります。

その際にも書きましたが、ヒトの持つユニークな特徴の一つとしてその広大な生息域があげられます。

特に、本来熱帯の生物である霊長類の一種であるヒトがこれほど広い生息域を持つ事自体が特異なんです。

人間の生息域は、ヒト以外の霊長類の生息域(下図)の倍はあります。

ヒト以外の霊長類の生息域

新しい環境に進出する場合、通常の生物は遺伝子を頑張って頑張って数百、数千万年という時間をかけて変化させ体を新しい環境に適応させていきますが、ヒトは、火や衣服、住居などの様々な道具を用いる事で自分のさらされる環境を自分が生きられるように適応させます。そのため、数万年と言うあり得ない速さで世界中に広がり、しかも、遺伝的な変異がほとんどなく、アフリカのヒトと南アメリカのヒトは同種です。

しかも、ヒトは道具を使う事で移動能力すらあげています。

ガラパゴス諸島にほ乳類がほとんどいなかったように、通常、体温維持が必要なほ乳類は広い海を渡る事ができません。

ところがヒトは、食べ物を積み込んだ船をコントロールする事で、大海も横断する事ができるのです。


また、ヒトは言葉と言う、言わば第二の遺伝子を持っています。

通常の生物が、偶然の突然変異によって情報を残していくのに対し、ヒトは、自ら生み出した言葉によって複雑な情報を難なく周囲の仲間や子孫に伝える事ができます。ある種の遺伝と言えると思います。

学校教育がその最たるものですね。必要となる基礎的な情報を集中的に伝えるヒト独自の重要なシステムです。

言葉による情報の共有によって更なる効果も生み出されます。

単に情報を伝えるだけではなく、ある個体が優れた改良点を発見した場合、それを周囲に伝える事で、全体の水準を上げる事ができるのです。

科学技術などを例に挙げるとわかりやすいですね。

新しい優れた発見も、たった一人の優れた個体が見いだす事ができれば、人間はあっという間にそれを共有し、子々孫々伝えていく事ができるのです。

このように、ヒトは情報を共有し、それを高め合う事で相乗的に進歩してきたのです。


ヒトが特別な存在と言う訳ではないですが、ヒトにはこんなにも優れた能力が備わっているのです。

ただ、これはヒトの持つ特徴であって、他の生物には他の生物独自の特徴を持っています、ヒトが最も進化した生物だと言うのは明らかな誤りです。ただ、ヒトが極めて弱い存在だと言う偏見も間違っています。

ヒトは一つの生物種、それ以上でも以下でもありません。


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2008年06月15日

動く植物

植物の動き・・・生長以外でも植物は色々と動きます。たとえば、生長中のヒマワリは葉を太陽に向けますし、倒れた植物は上に向かってのびようとします。このような植物の動きの中で、最も有名かつ素早い動きとしては、オジギソウの葉の動きがあげられると思います。

ご存知の通り、オジギソウは接触刺激により葉を閉じます。

この刺激の伝達には動物の神経と似た伝達方法が用いられています。「オジギソウの刺激伝達物質」がいくつか発見されていて、それらの物質によって接触部から葉の根元の葉枕と呼ばれる部分まで刺激が電気刺激として伝えられます。

ただ、植物には動物のような筋繊維は無いので、動くには別の仕組みが必要です。

詳しくは分かっていないようですが、そこには、「水分子の移動」が重要な働きをしているようです。まず、伝達物質を受けた葉枕の細胞は水分子を細胞外へ排出し、それによってアクチンと言う細胞骨格(※)の束が(脱リン酸化され)崩壊し、それが葉の動きに影響しているのではないかと考えられているようです。


ちなみに、オジギソウにもジエチルエーテルによる麻酔が可能だそうで、動物同様に、エーテルを“かがせる”と、オジギソウも動かなくなるそうです。そのメカニズムはまだよく分かっていないようですが、エーテルによる動物神経の非特異的な抑制と似たようなメカニズムが働いて、刺激伝達物質の伝達が抑えられてしまうのかもしれません。


また、オジギソウには概日リズム(サーカディアンリズム、体内時計)が存在します。それについても、いつか紹介したいと思います。



※細胞骨格
細胞骨格とは、細胞の形状を維持したり、細胞の動きや内部構造の変化などに重要な働きをしている物質です。

動植物の細胞のような真核細胞には、太さの異なる微小管(太めの管)、中間径フィラメント、アクチン繊維(細い繊維)という3種類の細胞骨格が存在し、それぞれが多くの役割を果たしています。

骨格と言っても安定的なものではなく、特に微小管やアクチンフィラメントなどは繊維を作ったり崩壊したりする事で重要な働きをしています。たとえば、アクチンが束を作る事で細胞に突起ができ、アクチンが崩壊する事で突起がなくなる、みたいな感じです。

細胞の形状維持・変化以外にも、たとえば、微小管は細胞分裂時に染色体を分配させますし、アクチン繊維はミオシンという繊維状の物質との相互反応で、筋収縮(筋肉の動き)を起こしています。

細胞骨格と細胞接着分子との連携により、多細胞生物における全体の形状維持にも重要な働きをしています。
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2007年02月19日

双子が生まれる確率

教官の雑談で聞いた話で確かな根拠はないのですが、最近、日本において双子が生まれる確率が高くなっているそうです。続きを読む
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2007年01月30日

花粉症の原因“風媒花”〜風で花粉を飛ばす植物〜

スギヒノキカモガヤブタクサシラカンバ・・・花粉症の原因植物は基本的に風媒植物という風で花粉を飛ばす植物です。(植物名のリンクはWikipediaに飛びます。)

被子植物、裸子植物の送粉システムは、風による風媒、水による水媒、虫による虫媒、鳥による鳥媒などに分けたりしますが、風と水をまとめて風媒、虫と鳥をあわせて虫媒(もしくは動物媒)などと言ったりもします。続きを読む
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2007年01月28日

アオムシとクロムシ

大した話ではないのですが、野菜などにつく蝶などの幼虫には大きく分けて二種類の色があるそうです。続きを読む
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2007年01月27日

ハミルトンの赤の女王仮説

ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』(「不思議の国のアリス」の続編)の作中、次のようなやり取りがあります。

赤の女王に引っ張られて精一杯走ったはずなのに周りの景色が変わっていないことに気が付いたアリスが赤の女王に尋ねます。

アリス『ずっとこの木の下にいるようですが・・・みんなもとのままじゃないですか?』

赤の女王『勿論。どうなればいいのです?』

アリス『私達の国では、あれだけ大急ぎで走ったら別のところに行き着くはずです』

赤の女王『なんてのろまな国なの。いいこと、ここではね、同じ場所にとどまるためには精一杯走っていなければならないのですよ。他のところに行こうと思ったら、せめて2倍の速さで走らなきゃ。』


・・・続きを読む
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2007年01月26日

ワーカー(働き蜂・働き蟻など)の解釈 ハミルトンの包括適応度

蜂や蟻などの社会性昆虫に見られる子孫を残さないワーカーという階級の存在は、ダーウィン以来、多くの科学者を悩ませていました。

働き蜂、働き蟻などのワーカーは子孫を残すことなく自分の母親である女王やその子供を精一杯育てます。これは明らかな利他的行動であり、それを正当化する解釈はなかなか見つかりませんでした。

その解釈を与えたのは20世紀の偉大な生物学者の一人、ウィリアム・ドナルド・ハミルトン(1936-2000)博士です。彼は40年ほど前に『包括適応度』という考え方を提唱しました。続きを読む
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2007年01月14日

孤島の生物進化と人間

孤島は進化の実験室・・・そんな言葉をどこかで聞いたことがあります。続きを読む
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2006年12月18日

イモ

私達が日常的に見る“イモ”には、ジャガイモやサツマイモ、サトイモ、ヤマイモ、あとはコンニャクイモなど色々ありますが、驚くことに、「イモ」という植物の仲間があると思っている人がいるようです。

まぁどれもイモという地下茎や根に養分をため込むシステムを持つ植物という意味では仲間ですが、種としては全く違う植物です。実物を見たことがある人は分かると思いますが、まるで違う植物です。

分類(目+科)を列挙してみると、ジャガイモはナス目ナス科、サツマイモはナス目ヒルガオ科、サトイモとコンニャクイモはサトイモ目サトイモ科、ヤマイモはユリ目ヤマノイモ科・・・ちなみに、ジャガイモとサツマイモは双子葉綱で、サトイモ・コンニャクイモとヤマイモは単子葉綱で、綱まで違います。

つまり、ジャガイモはサツマイモよりもナスやトマト、ピーマンやホオズキなどに近く、逆にサツマイモはアサガオ(ヒルガオ・ユウガオなども)に近い植物です。

サトイモの仲間には水芭蕉などがあり、サトイモ目にはショウブ科も含まれます。山芋が属するユリ目の“ユリ”は、勿論あの花の“ユリ”で、他にも彼岸花科なども含みます。

ちなみに、ユリ科はかなり多様な科で、ユリの他にもチューリップ、ヒヤシンス、スズランのような花として有名なものから、ネギ(たまねぎ・ニンニク・ニラ・ラッキョウetc...)やアスパラガスなどの野菜として有名なものも含みます。



ちなみに私達は哺乳綱サル目ヒト科(ヒト属ヒト)。

まぁ綱や目などの決め方は結構曖昧なので一概に比べられませんが、それくらいに違うということです。

いい例えかどうかは分かりませんが、『イモ』という分類は、私達動物で言えば、『母親が子育てをする動物』『父親が子育てをする動物』『両親で子育てをする動物』『子育てをしない動物』みたいなカテゴリですかね。
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2006年11月17日

狂犬病と感染経路

怖いですね・・・36年ぶりに日本人の狂犬病の発病が確認されたそうです。フィリピンで野良犬にかまれたのが原因とのこと。

狂犬病ウイルスは、噛まれた場所から神経を伝って脳神経まで感染し発病します。狂犬病は発病したらもはや手遅れで、1週間ほどでこん睡状態に陥り死にいたる恐ろしい病気です。発病後の治療法はなく、自然治癒もまず望めず、致死率は100%と言われています。

日本では根絶されたと言われる狂犬病のウイルスですが、一部の島国や北欧の国を除いて、未だに世界で猛威を振るうウイルスなんですよね。最近も、オリンピックを控える中国が狂犬病対策に躍起になって、補償や動物愛護などの問題との兼ね合いで苦労しているような話を聞いたことがあります。

感染しても消毒してすぐにワクチンをうてばまず問題ない弱いウイルスなのですが、途上国などではワクチンの不足や偽ワクチンの流通、動物に噛まれた際の不適正な処置などで、依然として世界で毎年5万人ほどが発病し、亡くなっているそうです。




そういえば、小さい頃、飼い犬の注射をした際に、「狂犬病になると何故水を怖がるのか?」という質問を親(?)にしたことがあります。

何故、『水』限定なのか、ということです。まぁ知らないと答えられない質問ですよね・・・。

この水を怖がるという現象は、液体を飲み込むと喉などの筋肉が痙攣して激痛が走ることで生じるそうで、狂犬病ウイルスが直接脳に作用して起こす現象ではないそうです。まぁ直接作用していたら凄いですけど。
何故その筋肉が痙攣するのかは私は知りませんが、神経に働くウイルスなので痙攣であれば何となく納得できます。

海外に旅行した際に哺乳類系の動物に噛まれたら必ず検査するべきです。狂“犬”病とは言いますが、哺乳類であれば大体感染するようですので。





追加:感染経路など

感染者数はインドが一番多い(約3万人)ようですが、インドは人口も中国並みに多いので、人口当たりの死亡者数はどうなのか分かりません(中国はインドほど多くはないようです)。マラリアのように蚊が媒介しているわけではないので、寒い地域、たとえば、ロシアなどでも感染者が多く出ています。(参照:発生有無世界地図 http://nichiju.lin.go.jp/ekigaku/keneki/kyouken.htm)

犬のほかには、コウモリ(特に南米の吸血コウモリ)やキツネ、アライグマなどが感染源になることが多いようです。

予防するに越したことはないですが、発症前であれば消毒とワクチンで対処可能です。

狂犬病のウイルスは空気感染はしないようですが、恐ろしく容赦のない感染拡大の“ノウハウ”を持っています。

傷口から末梢神経に侵入し、ゆっくりと時間をかけて(1週間〜数ヶ月、長いものは数年:侵入部によって異なります。)中枢神経まで達することで発症、更に神経を伝って“唾液腺”へ行き、唾液中に送られます。そして、発病した動物の多くは、狂ったように周囲の生き物に“噛み付き”ます。その唾液には、ウイルスが含まれています。しかも、喉の周囲の筋肉がけいれんし、痛くて唾液は飲み込めませんので、口の中には大量の唾液がたまっています。

ウイルス入りの唾液があふれた口で、見境なく噛み付くんです。

吸血鬼をほうふつとさせるシステムです。

しかも、家族同然に可愛がっていた動物が、です。性格が豹変し凶暴化、“毒”の牙で噛み付いてくるんです。そして、すぐに弱って死んでしまいます。飼い主までも道連れにして。

また、動物の種類によっては、凶暴化せずに、麻痺症状がすぐにあらわれるものもあるようです。(この場合、どうやって拡大するのかは私は知りません。)

凶暴化した場合、『仲間』という意識が警戒心を解いてしまうので、群に一匹発病すると、急激に拡大することになります。空気感染でも近くにいる仲間に感染しやすいと言えますが、感染効率は噛み付いたほうが高いと思います。(発病率は約30〜60%)

しかし、キャリアがすぐに死んでしまうのでどの程度拡大できるのかはわかりません。ただ、哺乳類内であれば大抵感染可能ですので、移動能力の高く噛み付く能力に長けた生物種(吸血コウモリなど)に感染した場合は広く拡大することになります。



狂犬病ウイルスが進化の過程で獲得したシステムなんでしょうけど、ぞっとしますね・・・
posted by new_world at 07:22| Comment(4) | TrackBack(2) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月18日

取り出しても動く・・・

今月の実習はニワトリの胚発生についてなのですが、そのなかで、組織から取り出した細胞の培養をしました。

私の担当は温めて7.5日目の胚の心臓。7.5日目の胚は、大体2cmくらいで、ちゃんと鳥のような形をしています。それを卵から取り出し、すぐ心臓を摘出し、それをピンセットで細かくし、薬品で細胞をばらばらにして、シャーレにまいて培養します。条件がよければ、結構増えてくれます。


心臓は“卵から取り出しても”しばらくは動いているので内臓の中では一番分かりやすいのですが、この心臓、実は、“体から取り出しても”動いているんですね・・・いや、確かに、父の専門が心臓なので、心臓の細胞が勝手に動くとは聞いたことはありましたが、まさか、PBS(細胞の洗浄液のようなもの)中に心臓だけ浮かばせても拍動するとは・・・

シャーレの中、PBSにぽつんと浮かんだ2mmくらいの心臓が、しっかりトクトクと動いていました。

心臓って凄いですね・・・
posted by new_world at 03:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月17日

バナナは3つに分かれるそうです

雌しべって雌しべで1つだと思っていたのですが、実は、一本の雌しべでも、複数の構造単位から出来ているそうです。

たとえば、ミカン。

ミカンは1つの花(1つの雌しべ)から1つの実ができるのですが、その中身は複数の部屋に分かれていますよね。

これ、実際に雌しべも構造的にその数に分かれているそうです。

その構造単位を“心皮”と呼び、多くの被子植物は複数の心皮を持っているそうです。この一本の花柱が複数の心皮からなる構造は、複数の雌しべが合着することで生まれたもので、種類によっては雌しべの先端が完全にはくっついていないものもあるようです。

そして、その心皮の数は、種類によって決まっているとか。つまり、ミカンの中の房の数は基本的に同じ、ということです。

ちなみに、10個。

でも、どうもそんな気がしなかったので、スーパーで小さなミカンを10個買ってきて数えてみました。

が、殆ど10個じゃなくて・・・どうなってるんですかね。どうも見ても、10個と決まっているようではないみたいです。ただ、オレンジジュースに描いてあるオレンジの絵の房は10個でした。


他の果物は調べていませんが、バナナは3つ、柿は4つ、梨・リンゴは5つだとか。これらはミカンのように分かれていませんが、種の配列を見たら大体分かるそうです。
posted by new_world at 21:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月08日

被子植物

今期、被子植物についての講義を受けています。実は、植物の授業って中学校以来なんですよね・・・高校では物理選択で、大学でも植物についての講義は受けたことがなくて。興味はあったんですけど。

で、授業の空きがあったので、理学部の教官がやっている、一般教養の植物学の講義を取ってみたんです。教官は微妙に頼りないのですが、内容は知らないことばかりということもあって、結構楽しめています。



植物は9つほどの分類ができるらしいのですが、その中で最後に出てきた、いわゆる“花”を咲かせている植物が被子植物です。植物全体の9割ほど(種類)を占めているそうです。まぁ9割ですので、まず殆どの植物が被子植物ですね。被子植物以外の植物には、コケやシダ、イチョウやマツ、スギといったものがありますが、種類的にも数的にも少数派でしょうね。まぁスギとかヒノキ、マツ、イチョウといった裸子植物は結構ありますけど。

とはいえ、9割というのは凄い数字ですよね。まぁ動物も殆どが昆虫ですけど、植物の場合、地域差はありますが、小型のものから大型のものまで被子植物が主流です。(昆虫は構造的に大きくなれません。)

あと、定義によっては種子植物の生殖器官を花と呼び、イチョウやマツ、スギ、ヒノキといった裸子植物のものも花となるのですが、一般人の感覚では、やはり、サクラやアサガオみたいな“花びら”があるものが花ですよね。




被子植物の一番目立つ形態的特徴は勿論大きな花なんですが、それ以外にも、重要な特徴がいくつかあります。その中でも、特に面白いのが、でんぷん・糖の輸送機能です。
決められた場所に、高密度のでんぷんを貯蔵することが出来るようになったのは被子植物からです。果実や芋といったものを作るようになった、ということです。今まで考えたこともなかったですが、確かに、芋や果実のように、特定の部分に大量の養分を溜め込む能力って凄いですよね。

それは被子植物の動物を誘う能力の要で、彼らが生きるうえで最も重要な機能の一つですので、重点的に強化されてきたんでしょう。花が派手だから虫が来るのではなく、蜜があるから虫が来るんですよね。花はその目印に過ぎません。私達も、果実を食べるためにくだものを育てています(まぁサクラとかは花を見るためですけど・・・)。

この被子植物の果実などを作る性質には、糖分の輸送のコントロールが必要です。つまり、同じ師管のネットワークを使って、時期によって糖の流れを極端に変化させる必要があるんです。そのコントロールを担っている細胞が師管の師部細胞の隣にある伴細胞というものらしいのですが、その伴細胞のコントロール方法についてはその教官は知らないそうで・・・まぁ何らかの物質の濃度勾配とかを使って誘導しているのかもしれません。

他にも、受精のシステムや水の輸送方法(道管の構造)も裸子植物よりも効率化されているようです。



初回の講義はこんな感じでしたが、これからも講義を受けるんで、なんか面白いことを聴いたらまた何か書きたいと思っています。じきに教科書も届きますし。
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2006年07月15日

霊長類の種の定義

種というものは連続的なものなので近縁なものでは厳密な定義ができないことも珍しくありません。

これは霊長類でも同様で、ヒトは近縁種が全て絶滅しているので実感しにくいことではありますが、霊長類の種の定義はかなり難しいんです。続きを読む
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2006年07月10日

増えすぎる絶滅危惧種

絶滅危惧種である南米のフンボルトペンギンが、日本でどんどん増えているとか。


野生の個体数は現在1万羽前後で、この10年で2〜3000羽の減少。その原因は、生息域の環境破壊、エルニーニョ現象、エサの魚の乱獲など。まぁよくあることですね・・・。



フンボルトペンギンの生息域は南米の太平洋岸、南緯5〜40°付近。ちなみに、日本の本州が北緯33〜41°なので、緯度的には同じくらいです。まぁ南米の気候は日本付近とは違いますが、気温的には日本やヨーロッパと同じくらいのようです。

なので、このペンギンは、ペンギンなのに寒さに弱く、逆に、日本の暑さにも普通に耐えられるくらいに暑さに強いんです。

それもあって日本の動物園ではよく飼育され、飼育技術・繁殖技術が向上し、比較的容易に増やせるようになっています。なので、殆どの個体が日本生まれで、日本に“生息する”フンボルトペンギンは、本家南米野生種の15%にもなるそうです。
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2006年06月02日

カエルの目とオタマの目

全てのカエルでそうなのかは知りませんが、カエルの視覚とオタマジャクシの視覚は微妙に違うところがあります。

色の見え方です。続きを読む
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2006年05月19日

植物食と昆虫食

今月は偶数日更新を目指していましたが、昨日は殆ど一日読書に費やしてしまい、気づいたら夜でした。

今更更新です。気合が抜けているので、大した内容じゃありません。

牛や馬、キリンは草ばかりを食べますが、鳥やネズミが草ばかり食べているという気はしませんよね。

ネズミには草を食べるものもいるようですが、鳥にはいなかったと思います。

鳥は果実と昆虫などの小動物が主なエサです。

ネズミの場合は、果実よりも種などを食べるものが多いようです。


これは、小型になればなるほど熱が奪われやすく、恒温動物であれば、体温維持のためにより多くのエネルギーを得る必要があるんです。

そのため、小型の動物はカロリーの高いものを好んで食べるんです。

果実や種、生き物です。

小型生物の多くが昆虫なので、小型の哺乳類や鳥類のえさにはそれより小さい昆虫類が多いようです。

哺乳類の場合、基礎代謝は体重の3/4乗に比例するとも言われています。

とりあえず、小さな哺乳類は、葉っぱを食べていたんではエネルギーが足りないみたいです。

逆に、大きな哺乳類は、葉っぱでも生きていけるんです。

ただ、ゾウくらいに大きくなると、さすがにかなりの時間を食べていないと生きて行けないようですが・・・まぁゾウくらい大きくなると外敵が少ないので、それでもやっていけるのかもしれませんね。


そういえば、大型の肉食獣の場合、あまり食事できていませんよね。NHKの自然の番組では、鳥は凄くたくさん食べていますが、ライオンやチーターは結構狩に失敗していた気がします(教育上の問題?)。正確なデータはないですけど。
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2006年05月06日

言葉の獲得

人類が言葉を習得したのはいつごろだと思いますか?

これ、結構最近なんですよね。続きを読む
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2006年04月27日

学習と本能U できても、学習できないことも。

ヒヨコ(ニワトリのヒナ)は卵から生まれたらすぐにエサをついばみます。

習ってもいないのにエサをついばむのでこれは本能だと思われていました。

しかし、前回紹介したKuo氏(20世紀初頭の科学者)はこれも学習ではないかと考えたんです。

Kuo氏が注目したのは『卵の中での動き』です。続きを読む
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2006年04月23日

五月病の変化、うつ病の遺伝

教官が話していたのですが、私の大学でも、以前は1割以上の学生が五月病にかかって、中には自殺(未遂)者までいたそうです。

でも、最近の学生には、五月病というものがあまり見られないみたいです。続きを読む
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2006年04月22日

学習と本能T 猫がネズミを追いかけるのは

最近の猫はネズミを捕まえませんよね。

猫はネズミを捕まえる本能は持っていないようです。(本能とは学習する機会を奪っても残っているものです。)

でも、昔は本能だと思われていたんですよね。続きを読む
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2006年04月15日

“老人”というヒトの特徴

顕著な老年期はヒトにしか存在しません。続きを読む
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2006年04月05日

カニだましとヒトデの管足


カニダマシこれ、カニダマシという生き物です。続きを読む
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2006年04月04日

カシパンというウニ

先日の実習で磯採集を行ったのですが、そこで友人が得体の知れないものを拾いました。

その写真はこれです。

カシパン人工物のようにも見えますが、実はこれ、ウニの仲間の“カシパン”という生き物の骨格らしいんです。

カシパンです、カシパン。菓子パン?

なかなかのお名前ですよね・・・。続きを読む
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2006年01月21日

人体解剖図を見て・・・

とある文庫を読んでいたら、人体の解剖図が挿絵で載っていました。

人間の解剖図とかまじまじと見たのはたぶん高校受験以来です。

ヘビとかマウスとかニワトリとかヤドカリとかセミとかフナとかの解剖図なら最近見ましたけど。

で、ちょっと違和感を感じた部分がありました。


大腸です。


変な形してますよね。

解剖図の一番下から、真ん中の胃の辺りまでぐいっと登ってきて(上行結腸)、真横に進んで(横行結腸)、また下に下りていく(下行結腸)んです。(その後、S字結腸を経て直腸。ここまでを大腸と呼ぶみたいです。)

せっかく回腸(小腸後半部)で一番下まで下りたのに、また胃の位置まで登ってきちゃうんです。しかも、綺麗な四角

大腸では水分が減り消化物が固くなるので、できるだけカーブを減らした結果があれなんでしょうかね。

他の動物ではどうなのかはよく知りませんが、ネズミや鳥ではそこまで大腸は発達していなかったと思います。(記憶は曖昧ですが・・・)



※図
参照HP:国立がんセンター「大腸がん」・・・大腸付近の臓器をCGで再現してあります。
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2006年01月16日

ニワトリの胚

今日は、ニワトリの胚の観察をしました。(何故かやたら疲れているので、書きたいことはあったのですが、今日も日記にすることにしました・・・。)

胚とは、受精卵が個体になるまでの状態です。

ニワトリの胚による発生の研究はアリストテレスの時代から行われていたと言われています。続きを読む
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2006年01月13日

数え切れない線形動物

線虫のことです。

発生学や遺伝学で活躍する線虫ですが、一般の感覚では、回虫とか蟯虫とか、あまり嬉しくない生き物たちです。続きを読む
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2006年01月12日

昆虫の繁栄の裏側《後半》 幼虫とサナギの開発

前回は脊椎動物が昆虫を追って空へ進出し、現在かなり繁栄しているという話で終わりましたが、今回はその続きです。続きを読む
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2006年01月11日

昆虫の繁栄の裏側《前半》 空を制する者

昆虫はかなり繁栄している種ですが、結構大変な歴史とたどってきています。続きを読む
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2006年01月09日

ゾウリムシより小さな蜂

ゾウリムシはだいたい200〜300マイクロメートル(μm=ミクロン=1/1000mm)=0.2〜0.3mmなのですが、それよりも小さな昆虫がいるそうです。続きを読む
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2006年01月07日

イモリの黒焼き

ある研究室でペットとして飼われていたピラニアにイモリを食べさせたらころっと死んでしまったと話を聞いたことがあります。続きを読む
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海と川のカニの卵の違い

カニやエビなどの甲殻類は、昆虫の進出できなかった海において昆虫と同等の生態的地位を占めているのですが、その幼生がちょっと面白いんです。続きを読む
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2005年12月24日

ヘビは餌の取り合いをしない

ヘビって基本的に餌の取り合いをしないそうです。

餌を奪い合っている光景(といってもテレビですが)は見たことないですね。

その理由はいくつか考えられますが、まずはヘビの食事の頻度です。

ヘビって食べる頻度が凄く低いんです。

ヘビは省エネで餌をあまり食べなくてもよく、普通のヘビでも週に1回くらいで、ガラガラヘビとかは年に数回しか餌をとらなかったりするそうです。

そして、この餌を食べる頻度が低い理由がもう一つの理由です。

ヘビの餌となるカエルやトカゲなどの小動物は移動能力が高く、普段は分散しているため、餌をとるときに他のヘビと鉢合わせになる可能性が低いのです。






ただ、ウミガメの子供など期間限定で決まった場所で餌が取れる場合は、餌の取り合いが生じることが確認されています。

しかし、これは極めてまれなケースで、よく分かっていません。

ヘビの他者の認識能力は高く、以前負けた相手の臭い(?)をかいだだけで退散したりするそうです。

上下関係が決まっているのか、早い者勝ちと言うシステムはないそうです。(上下関係があるのかはまだ分かっていないみたいです)


ヘビが舌をペロペロ出していますよね。

あれは臭いをかいでいるんです。

posted by new_world at 18:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月23日

昆虫の動脈と静脈はつながっていない

まぁ心臓ではつながっているんですけどね。

開放血管系という循環系があります。

心臓から動脈と静脈が伸びていて・・・それだけです。

私たちのような毛細血管はありませんし、血管が肺や腎臓とかともつながっていません。

私たちは心臓⇒動脈⇒毛細血管+排出系+呼吸系⇒静脈⇒心臓という流れがありますが、昆虫などの節足動物や貝などの軟体動物には真ん中が“抜けて”います。

大動脈で血体腔という空間に送り出すだけです。

こういうのを開放血管系と呼ぶのに対し、私たちはそれが毛細血管で閉じている閉鎖血管系といいます。


あと、私たちの体の中を流れている血液とは少し違う液体です。

私たちの閉じた血管系だと、細胞間を満たしている組織液を通して、血管やリンパ管が細胞とコミュニケーションをとっています。

しかし、昆虫のような開いた血管系だと血体腔がその役割を果たすので、血液・リンパ液・組織液の境がなく、組織液・リンパ・血液の働きを一括して行う体液が心臓から送り出されることになります。

血リンパという素直な名前で呼ばれたりもします。


ただ、毛細血管がないので、足や羽など細い部分への体液の循環が悪くなってしまいますよね。

そのためにその付け根にはちゃんと小さな心臓みたいな脈を打つ器官が付いているそうです。



※排出系
私たちは腎臓の毛細血管から老廃物を排出しますが、昆虫は血体腔から老廃物を排出します。

昆虫やクモはマルピーギ管という腸から枝分かれした細い管でそれを行っています。

まぁクモと昆虫では腸の別の部分から出来ていて、同じ機能で同じ名前ですが違うものとして扱うこともあります。

※呼吸器
昆虫は気門から空気を取り込み、体全体に張り巡らされた気管を通して、血体腔に酸素を供給しています。

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2005年12月08日

蝶々の“本当の色”

蝶によっては私たちの見えない色でお互いを認識したりしています。

私たちでいう紫外線です。

勿論、蝶にとっては色ですので当たり前なんですが、多くの生物には見えません。

つまり、プライベートな信号といえます。

一見保護色になっていても、実は彼らには全然違うものに見えるのです。


私たちの見ることが出来る波長が狭まって、今は赤く見えている部分が見えなくなったとします。

そうすると、赤ペンで書いた文字は見えません。

その中でごく一部のヒトだけが赤色が見えたとしたら、赤色が見える人だけでコミュニケーションが取れます。

白い紙に赤いペンで文字を書いても、それ以外の人には真っ白に見えますので。

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2005年12月01日

雌雄A オスの闘争の多様性

オスは遺伝子のみの小さな精子を多数保有し、メスは栄養にとんだ大きな卵子を少数保有しています。

オスの精子の数に対してメスの卵子の数が圧倒的に少ないので、オスによるメスの取り合いが生じます。

多くの種においてメスがオスを選択するように出来ているのはこのためだと考えられます。


一夫一妻の動物ではそうでもないかもしれませんが、一夫多妻の動物ではメスを獲得するオス同士の争いは厳しいものとなります。


今回は、そのオスの争いの多様性について紹介したいと思います。


※長くて読みにくかったので以下を複数の記事に分けます。

@カブトムシの小さな角の機能

Aウシガエルのサテライト

Bグッピーのメスの好み

C燕には左右対称な尾が“綺麗”


posted by new_world at 19:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

グッピーのメスの好み

グッピーのメスは少数派が好みです。続きを読む
posted by new_world at 18:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ウシガエルのサテライト

カエルと言えば、鳴いて雌を呼びますよね。続きを読む
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カブトムシの小さな角の機能

カブトムシのオス同士の喧嘩の方法についてです。続きを読む
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2005年11月30日

雌雄@ オス:メス≒1:1となる理由

オス=遺伝物質のみの小さな配偶子(精子)を多数保有する個体
メス=栄養にとんだ大きな配偶子(卵子)を少数保有する個体

オスは多数の配偶子を保有しているので、多くの子孫を残す為に、多数のメスを獲得しようとするでしょう。

一方、メスは産める個体数はある程度決まっているので、オスを選択しようとするでしょう。

多くの種においてメスがオスを選択するように出来ているのはこのためだと考えられます。

ただ、これ、メスがオスより沢山いればわざわざ選択しなくてもいいわけですよね。

その方が効率的に種の数を増やせます

二種類ある配偶子の多い方にあわせた方が有利なんです。

しかし、オスとメスの比は1:1に近いものが多いですよね。

特殊な環境に適応したものや劣悪な環境におかれたものはメスが増えたりしますが、一般的にオス:メス≒1:1です。

人間にしても、若干男性の出生数の方が多いですが、100:102〜105くらいです。

これは国民性とか男系優先とかの影響かもしれませんが、よく知りません。

国によっては出生数で女性が多い所もあります。


あと、女性が長生きすることと出生数が少ないことはあまり関係ないと思います。

生物の基本は子孫を残すことなので、問題は生殖可能な個体数です。




雌雄の比に関して、70年以上前の行動生物学者の人が出した説明があります。

この説明の根拠(といっても推定ですが)は、メスは産める子供の数が限られていてもできるだけ沢山の子孫が残したいということです。

次の説明において、メスは10匹の子供を産めることとします。

@オスが多い場合
オス=10
メス=5   ⇒子供=5×10=50匹

オスにとっては、平均5匹

メスにとっては、平均10匹


つまり、メスの方が沢山子孫を残せるんです。


オスが多い状況だと、メスを多く産んだ個体の子孫が多くなります。


メスにとってみれば、子供の世代の数は限られていても、メスを産めば、自分の孫の世代が多くなるんです。


Aメスが多い場合
オス=5
メス=10    ⇒子供10×10=100匹

オスにとっては、平均20匹

メスにとっては、平均10匹


つまり、オスの方が沢山子孫を残せるんです。

このような状況だと、オスを多く産んだ個体の子孫が多くなります。

メスにしても、同様に、オスを多く産んだ方が自分の孫の世代が多くなるので嬉しいんです。


まぁ、オスが多いと種としての子孫を残す効率は悪いんですけどね。

@、Aでも、同じ15匹でも、子孫の数は50匹と100匹です。


とはいえ、雌雄の比は@、Aのような平衡状態にあるのではないかという説明です。


実際にどうなのかは分かりませんが、こういう考え方も面白いと思います。

遺伝子の振り分けにおける確率の問題だ、とかよりも、楽しい説明です。

posted by new_world at 13:55| Comment(11) | TrackBack(1) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月23日

クラゲについて。

今年も日本海から瀬戸内海、太平洋岸まで賑わしたエチゼンクラゲ。水温が15℃を下回ると死に出すということで、もうそろそろ(?)の時期も終わります。

大きいものでは1匹で150kgをこえ、多い時にはたった1日で5億匹以上が日本海に入ってきたと言われており、今期の日本海流入の総質量は全日本人どころか全中国人・・・もしかしたら世界中の人間の質量すら越えていたかもしれません・・・。

海というものの偉大さを感じさせられます・・・。

人間が増えすぎているといわれていますが、海は太平洋東岸というほんの少しの区域だけでも、たった一年で桁違いのエチゼンクラゲを生み出します

まぁエチゼンクラゲは人間以上に水分が多いので、比べる意味があるかは微妙ですが・・・。



さっきと表現しましたが、エチゼンクラゲは食用にされているくらげの一種だそうです。

中華料理などでも利用されることのあるクラゲだとか。

でも、毎日私たち日本人の総質量の何倍も入ってくるクラゲを食べきるのは無理でしょうね・・・


大量発生の原因は『東シナ海〜日本海の魚の減少によるプランクトンの増加』とか言われていますね。

あの巨大な体を維持する為の主な食料はプランクトンや小さな魚(稚魚など)らしいですね。

海って凄いです・・・

まぁあまり自分から動かないのでエネルギーもあまり必要ないのかもしれませんけど。


そういえば、クジラもプランクトンが主食だったような気がします。イカとかも食べるようですけど。




クラゲってかなり原始的な生物なんですよね。

プラナリアよりも原始的な形です。

進行方向への左右対称(⇒左右相称)ではなく、鉛直方向への放射状の対称形(⇒放射相称)で、移動はかなり苦手です。

進行方向に口はなく、動くのも苦手で追いかけることもしないので、獲物を捕らえる効率は悪いです。

偶然近付いてきた餌を捕らえるだけです。


筋肉は多少ありますが、運動能力は低いです。

運動能力があると筋肉を動かすことで老廃物が生じます

プラナリアにはその老廃物を排出する腎臓のような器官がありますが、クラゲにはありません

あまり動かないので老廃物が殆ど出ず、細胞間の浸透作用などで自然と排出されます。

腎臓は要らないんです。

また、プラナリアには中枢神経系、つまり、脳のようなものがありますが、クラゲには脳はありません

まぁ何も考える必要がないので要らないんです。


そもそも、クラゲはイソギンチャクと同じ仲間で、というか、イソギンチャクからクラゲができるんです

まぁ“イソギンチャク”からは“クラゲ”はできませんけど・・・


イソギンチャクやクラゲ、あとサンゴなどは刺胞動物といいます。

刺胞動物にはイソギンチャクのようなポリプの世代と普通のクラゲのようなクラゲの世代があります。


ポリプの世代はイソギンチャクのように海底などにくっついて動きません

ポリプもクラゲも放射相称で構造も殆ど同じなのですが、ポリプはクラゲをひっくり返した構造をしています。(というか、クラゲがポリプをひっくり返した構造ですかね・・・)

触手が上にあって消化器官などが下にあります。

クラゲはその逆です。


ポリプの一部が取れてクラゲの幼生(エフィラ幼生)になります。



刺胞動物は4つの綱に分かれていて、ヒドロ虫綱箱虫綱鉢虫綱花虫綱があります。


花虫綱にはイソギンチャクやサンゴが属しており、この仲間の最も大きな特徴はクラゲの世代がないことです。

イソギンチャクが海を泳いでいたりはしませんよね。

だから、イソギンチャクからクラゲは生まれないって言ったんです。

あと、内部の構造が他の綱のポリプよりも少し複雑です。

海底などにじっとくっついていることで生き残りを図った種なのです。


じっとくっついている、と言いましたが、この刺胞動物の仲間は基本的に“待ち”の姿勢です。

クラゲの世代も積極的に動くことはなく、待ち伏せ方、というか、伏せてもいません。(「待ち伏せ」の語源はよく知りませんが・・・)

逃げも隠れもせず堂々と浮遊して、偶然近付いたものを食べます


これは放射相称であることと深いつながりがあります。

積極的に動く為には、進行方向に向かって細長く左右相称であるほうが有利なのです。

節足動物も魚にしても爬虫類にしても哺乳類にしても基本的に前後に長く左右対称です。(鳥類も羽を除けば進行方向に向かって細長く出来ています。ダチョウや鶏は微妙ですが・・・)

まぁ人間は立ち上がってしまったので変な形をしていますが・・・でも、変な形をしているので機敏に動くのは苦手ですよね。

あと、カニとかには片方だけ大きい腕を持つ左右非対称ものなどがいますね。キリンも首が長いですが、胴体は進行方向に長いです。



まぁクラゲも左右対称ではあるのですが、縦長で、どう見ても動くのに効率の悪い形です。

人間と同じですね・・・上下に向かった形で左右が対称、まぁクラゲは上下方向に放射相称ですけど。

クラゲは前にスムーズに動くことができません。

そもそも、スムーズに動くような生き方をしていないのです。

毒の触手をもち、外敵から常に身を守ると共に、間違えて近付いた小魚や自然と流れてきたプランクトンを食べるのです。


生き方はポリプの世代と殆ど同じといえます。

流れに乗って移動できるという違いがあるくらいです。





次にヒドロ虫綱ですが、この綱はポリプの状態が優勢な綱です。

ポリプの世代で無性生殖によって増え、クラゲの世代で有性生殖をします。

また、この綱には花虫綱以外で唯一クラゲの世代を持たないヒドラという生物がいます

ヒドラは有名ですね。高校の生物の教科書にも載っているそうです。

出芽による無性生殖やプラナリアみたいな脅威の再生能力を備えています。

ヒドラにはクラゲの世代はないのですが有性生殖はします。

ヒドロ虫綱の中でヒドラだけはポリプから直接精巣と卵巣が出てきて受精します。

あと、昭和天皇がヒドロ虫綱を研究していました。


次に箱虫綱鉢虫綱ですが、両者ともクラゲの世代が優勢で、まぁいわゆるクラゲです。

箱虫綱は名前の通り、箱のような形をしています。

猛毒を持つものも多く、オーストラリアの北岸などに多く、よく人への被害が出ます。

沖縄でハブクラゲとか言われているのも箱虫綱の仲間です。


鉢虫綱はまぁ普通のクラゲです。

海水浴場などで見られるミズクラゲなども鉢虫綱です。

エチゼンクラゲもこの仲間です。


鉢虫綱にしても箱虫綱にしても、クラゲの世代が優勢ではあるのですが、種によって増殖能力に差はありますが、ポリプの世代も健在で、次から次に幼生を送り出します

そのため、環境によっては大量にクラゲまで成長してしまうことがあるのです。




と、クラゲのことを書いてみたりしました。


※図がないので分かりにくかったですよね。増え方(生活環)については日本博物館協会のHP⇒クラゲの増え方
に絵があります。

posted by new_world at 15:26| Comment(16) | TrackBack(1) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月10日

ペッカーリの平等な群れ

前回、利己的な群れの形成の話をしましたが、今回は利己的でない群れの話です。

ペッカーリというイノシシに似た動物です。

イノシシはユーラシア大陸とアフリカ大陸に生息していますが、ペッカーリは南アメリカ大陸、アルゼンチンあたりに生息しています。

イノシシとは共通の祖先を持ち、それぞれ別の大陸で進化していったものと言われています。

このペッカーリは10頭前後、種によっては100頭を超える群れで暮らしているのですが、この群れにはリーダーがおらず、全てのペッカーリは平等だといわれています。

まぁここまではそこまで珍しいものではないのですが、このペッカーリの最も驚くべき性質は、外敵に襲われた時の行動にあります。


なんと、群れの中の一匹が自ら出て行き、オトリになるんです。


己よりも群れの存続を優先するんです。

しかも、そのオトリ、命を落とすことも多いそうです。

一匹が犠牲になって仲間を守るのです。

まぁ襲われるたびに一匹ずつ死んでしまっては、群れの個体数がすぐに減ってしまいますので、襲われる頻度とオトリが命を落とす確率、そして、子供が生まれる頻度が上手い具合につりあっているんでしょうね。


とはいえ、いくら群れを守る意識の比較的強い人間でも、そこまでする人は殆ど映画の中にしかいませんよね。まぁ何千人や何万人に一人くらいはいるかもしれませんけど・・・。

人間の場合、後天的な要素が大きいので時代背景や教育にもよってはそういう行動が行われる場合はありますけどね・・・戦争時とか。

あと、子供のためであれば、自分の命を犠牲にしてもいい、という親は結構いるかもしれませんね。

最近ではそれも怪しい親が多いですが・・・。

話がそれてしまいました。



《結論》
ペッカーリは命を張って仲間を守る素晴らしい生き物です。

勿論、彼らは本能のまま動いているのかもしれませんけど、生物は、そういう風に進化することもあるっていうのが素晴らしいです。




※補足
生物は、個体としてみれば利己的な面を持っていますが、それを構成する細胞レベルで見ると、かなり利他的です。

個体全体の存続の為には、それぞれの細胞は簡単に自殺しますし簡単に殺されます。

当たり前のようですが、細胞だって生きているんですから、きっと生きていきたいと思います。

ゾウリムシだって皮膚の細胞だって一つの細胞です。集合体に所属しているかどうかで全然性質が違うんですよね・・・凄いです。

参考記事『
細胞の自殺
posted by new_world at 01:22| Comment(4) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

群れの形成

『利己的な群れの形成』というモデルがあります。

群れの形成はどことなく“協力”っぽい香りがしますが、実は必ずしもそうではないみたいです。

5匹カエルがいるとします。主人公はBです。

A   B   C   D   E

こんな感じでカエルが並んでいた場合、Bが外敵から襲われる確率はAとCの間よりもCとDの間の方が低いんです。

だから、ぴょんと移動して

A       C B D   E

という風になるんです。

同様に、AやEも狙われる可能性が高いので誰かの間に入ろうとして・・・

群れが出来るんです。


まぁこれは一つのモデルであって、利己的な群れの形成を行う種でも、完璧これと同じ原理で動いているわけではありません。


まぁ動物は基本的に利己的なんです。

人間の“優しさ”は結構マイナーなんです。

種を守ることは必要なのですが、種を守ることよりも己を守ることの方が優先されがちなんです。まぁ当たり前ですけどね。


群れを作る目的は自分の襲われる確率を下げるだけでなく、集団が襲われる確率も下げるといわれます。

群れが大きくなると目立つので見つかりやすくはなるのですが、群れを作ることで、監視する個体の数が増え、外部への警戒がしやすくなり、危険が近付いた際により早く逃げることが出来るようになるんです。


ただ、群れを作った場合に問題になるのが食料です。

群れが大きくなると食料が足りなくなります。


そのギリギリのところがその群れに含まれる個体の数なんです。


あと、必ずしも利己的であるといえないものが他にもあります。

たとえば、メスをめぐるオスの喧嘩です。

教育番組とかでメスを争ってオスが喧嘩したりしていますよね。

私も昔から気になっていたのですが、あの喧嘩、結構手ぬるいですよね。

子孫を残すという生命最大の使命の為なのに、なんか手を抜いているような戦いをよく見ます。

勿論、怪我をして死んでしまう場合もあるのですが、多くの場合が、相手を死に至らしめることなく勝敗が決まります。

人間の場合、昔は決闘とか普通に殺しあったりもしていたみたいですが、基本的に勝敗と生死は関係ありません。


毒蛇のガラガラヘビの喧嘩もそうです。

毒蛇のガラガラヘビのオスは、メスを取り合って喧嘩する時にその毒を使うことはありません。

ガラガラヘビもガラガラヘビにかまれたら死ぬのですが、決して相手を噛んだりはしません。


なんか、相手よりも頭を高く持っていったら勝ちみたいです。


手加減してるんですかね・・・こういうのを儀式的な闘争とも言います。


鳥の求愛のダンスやセミの鳴き声など、こういった儀式的なものが主流みたいです。

posted by new_world at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月08日

鹿と牛の違いと、悲劇のプロングホーン

アジアにもヨーロッパにもアメリカにも北極圏にもいる鹿の仲間ですが、アフリカにはいないそうです。(オーストラリアはよく知りません。ニュージーランドには西洋人が持ち込んだものが繁殖しているようですが)

なんででしょうね・・・理由はよく知りません。

鹿が森林を生活域に選んだからだとか、生まれたての小鹿は上手く立てないから隠れる場所がないところでは生きていけないからだとか・・・明らかに説得力に欠けますね。時間をかければ解決できる問題です。

まぁでも、シカみたいな動物はいますよね。

ガゼルとかインパラとかです。角がまっすぐで長い、よくぴょんぴょん跳ねながら逃げている動物です。

あれは一応ウシの仲間のようです。角が生え変わらないので。

牛の鹿の大きな違いは角が生え変わるかどうかです。角が生え変わらないのが牛です。(カモシカもウシです。)

ヤギや羊もウシ科です。(ウシ科ヤギ属など)



鹿の角は毎年生え変わりますが、結構、無駄っぽいですよね・・・

この角の生え変わりは、ある特定のオスによるメスの独占を避ける為ではないか、といわれています。

鹿のメスは角が立派なオスを選ぶようで、死ぬまで同じ角であると角が折れてしまったオスは子孫を残せなくなってしまうのです。

別にそれでもいいとは思いますが、鹿の場合は、角が毎年生え変わることで、前の年にはメスに選ばれなかったオスでも、次の年は“生まれ変わって”再チャレンジできるのです。

公平と言えば公平ですね。

ただ、何となく優秀な遺伝子を残すという点では不利な進化のようにも見えますけど。

それくらい折れやすいんですかね・・・。


普段の生活に角は必要ない(むしろ邪魔?)からかもしれませんね・・・基本的に、繁殖期以外は角は生えていないそうです。




あと、シカやウシの仲間にプロングホーンというシカみたいな動物がいます。

この動物は北アメリカにしかいないのですが、凄い能力を持っています。

走る速さはチーターにつぐといわれ、時速100km弱で走ることが可能だそうです。

また、短距離専門のチーターとは異なり、高速で長距離も走ることができ、時速70km程度で7kmくらいは走り続けられるそうです。まぁ時間にすれば6分ですが、車と同じスピードで10km近く走れるのですから凄いです。

ただ、この動物、好奇心が強すぎて、絶滅の危機に瀕していたそうです。


北アメリカ大陸では負け知らずの脚力を持っているためか、動くものがあると(確認するために?)よってくるそうです。

自らの脚力への自信の現れともいえるその好奇心が、人間相手では命取りになるんです。


人間は姑息ですからね・・・


旗を振るなどしてプロングホーンをおびき出し、あっという間に狩ってしまいます。


アメリカバイソン同様、数千万頭いたプロングホーンも西洋人のアメリカ西部開拓で1万頭程度まで数を減らしたと言われています。

現在は保護されていて生息数を少しずつ伸ばしていますが、今でも未だ数十万頭程度で、150年前の1%程度に過ぎません。
posted by new_world at 20:47| Comment(3) | TrackBack(1) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月07日

頭に血がめぐっていない?

先週、耳式の体温計を買いました。『小児向け』とか書いてありましたが、まぁ小児より耳は大きいので問題ないかなぁとか思って。

すごいですね。瞬時に測ってくれます。

まぁ瞬時に測ってくれるのはいいんですが、耳の温度と脇の下の温度は人によって結構違うようで、まずは耳の平熱を知る必要があるみたいです。

説明書には、普通は耳の方が0.5〜1℃ほど高いという統計データが載っていました。


ところがです。私は耳の方がかなり低いんです。

最初は測り方が悪いのかと思ったんですが、何度測ってもだいたい同じ温度を示しますし、脇の下と耳の体温が近くなる時もあるのでそういうわけではないみたいです。

でも、だいたい耳の方が0.5〜1.5℃低いです。


寒くて血流が悪くなって、頭までうまく血が回っていないんですかね・・・

冷え性が頭にもきているのかもしれません・・・一応、学生なのに。

普通、頭はしっかり血をめぐらせておくものですよね。

なのに冷えちゃってるってことは温かい血がうまくめぐっていないってことです。


性格も冷たいといわれますが、頭も冷たいみたいです・・・。


まぁでも、とりあえず、昨日の昼から、何度か耳と脇の下の温度を測ってデータを集めています。

ちょっと面白いです。

サーカディアンリズムの講義で教官が院生の頃測ったデータ(※)を見たことはあったのでが、自分の一日の体温の変化は測ったことがなかったです。

というか、普通、風邪もひいていないのに一日に何度も体温を測るような面倒なことしませんものね。

でも、ちょっと面白そうなので、休み時間とかに測ったりしています。耳と脇の両方で。

データが集まったらエクセルかなんかでグラフにしてみます。面白いグラフだったら紹介するかもしれません。これ、個人情報ですかね・・・?



※教官の若かりし頃の実験
これが結構面白かったんです。

まず、数週間普通の生活をしながら定期的(間隔は忘れました)体温を測り、同時に握力と乱数による計算テストを行ったそうです。

食事や運動、睡眠などの体温へ影響を与える行動も記入していきます。


その結果、朝方は体温が低く、夕方になると体温が高くなるというデータが取れ、計算力・握力も体温に伴って上がったそうです。

それなら、『朝から運動をして体温を上げたらどうか』ということで、その教官、数週間、午前中だけ鉄工所で重労働をしてみたそうです。(なぜか鉄工所で・・・)

働いている最中のデータはあまりあてにならないといえばそうなんですが、重労働で体温を上げると、握力・計算力ともに上がったそうです。

握力は筋力を使っているので上がるのは当たり前なのですが、計算力も上がったというのは面白いです。

体温が低いと脳の能力も低くなるようです。

更に、重労働を数週間続けた後、また普通の生活に戻ってそのまま計測を続けていくのですが、ある程度の期間は、重労働がなくても、朝方の体温が上がる体になっているそうです。

勿論、握力・計算力もです。





人間以外の動物も同じで、環境が変化するとそれに対応してリズムが変化します。


私たちは基本は太陽の周期ですが、海岸の生物、たとえば、ヤドカリなどは潮の満ち干に影響を受けたりするそうです。

あと、ゾウリムシでも実験をしたそうです。

ある種のゾウリムシは接合の型(まぁ性別みたいなものです。複数種あります)が1日2回変化するそうです。

その周期は光に対応しているようで、その教官は、暗室を用いて1日を20時間、18時間、16時間、12時間、28時間、32時間、など様々に変化させて、接合型の変化を調べたそうです。

そうすると、最初のうちは戸惑うようですが、数日すると、(ある程度までは)その周期に対応していくそうです。

ただ、あまりに周期が違いすぎると(12時間など)何故か24時間周期に近い形に戻るようになっているそうです。

また、ショウジョウバエの実験ですが、1000世代ほど暗室で飼い続けたショウジョウバエを一匹24時間リズムの環境に取り出して一日の活動具合を計測すると、きちんと野生と同じリズムを持った生活をするようになるそうです。

1000世代ですから、人間で言うと、25年×1000=25000年ですか・・・。

2万5千年前と言えば、ネアンデルタール人が滅びたころ(約3万年前)ですね。

それでも太陽を忘れなかったショウジョウバエは偉いです・・・。


あと、一日の周期と寿命の関係を調べた実験があります。

ショウジョウバエを1日27時間の世界、1日21時間の世界で育てたそうです。

すると、平均寿命が10%前後縮んだそうです。

また、こちらはクロバエですが、1日24時間で、一週間ごとに6時間ずつずらしていく生活(週に一度昼が6時間長い日があるということです。)をさせていくと、寿命が20%縮んだそうです。

ハエの実験ですが、規則正しい生活が体のためにはいいようですね。
posted by new_world at 17:03| Comment(6) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月06日

キリンやゾウは眠れない・・・

キリンやゾウは重力とかなり戦っている動物です。

キリンは血圧が高すぎて長時間頭を下げて寝ることができず、ゾウは体が重すぎて長時間横になれないそうです。



キリンは見ての通り、大変長い首を持っています。

重力に逆らってあの位置まで血液を持っていくために、心臓付近では人間の2〜3倍の血圧があります。

そのため、首を下げると頭に血が集まって大変なことになってしまうのです。

となると、『それなら足はどうなんだ』、っていう疑問が当然生まれると思いますね。

足は常に凄まじい圧力にさらされることになります。

ただ、足は“常に”圧力にさらされることになるわけで、逆に対応がしやすいのです。

足の皮を硬くしたんです。


まぁそうなると『頭もそうすればいいじゃないか』と思われるかもしれませんが、複雑な脳ですので、足のようには上手く行かなかったようです。

勿論、口は頭にあり、水は地面にあるので、水を飲むときには頭を下げなければなりません。(ゾウみたいに口以外で飲み物を持ってくる動物もいますが)

そのときは頭にも足と同様の圧力がかかることになるのです。

そういうときに活躍するのがキリンの仲間(キリンとオカピ)だけが持つワンダーネットという特殊な毛細血管網です。

この毛細血管網が脳への急激な血流増加を防いでくれてるんです。

ただ、これにも限界があり、長時間頭を下げることはできません。

そのため、キリンは30分程度しか首を背中に下ろして寝ることはないそうです。

後は、首を立てたままうとうとするくらいだといわれています。

キリンにとっては当たり前のことなのかもしれませんが、かなり大変そうです。

あと、キリンって反芻するんですよね・・・あれはどうかした方がいいと思います。

一度食べたものを胃までもっていって微生物に処理してもらい、もう一度、長い長い首を通して口まで運ぶんです。

効率悪すぎです・・・。



次にゾウについてですが、あの巨体がゆえに、ぐっすり眠れないそうです。

ゾウは巨体がゆえに横になると内臓などへ負担が生じ、2時間くらいしか体を横にして眠ることができないそうです。

あとは、たったまま4時間くらい眠るみたいです。

まぁキリン同様、ゾウにとってはそれが当たり前なので別に苦じゃないのかもしれませんが、私たちの感覚からすれば、ちょっと辛そうです。

重力がある所為で、あの巨体を維持するにはかなりの負荷があるんです。

クジラなどが陸に打ち上げられた際も同じで、早く浮力のある海に戻してあげないと内臓などに負荷がかかってしまうそうです。
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2005年11月05日

バイソンの激減と人間の思惑

バイソンと言えばバッファロー(本来は“水牛”の意)とも言われて強さの象徴として野球などのスポーツのチームのシンボルともなっているのですが、このバイソン、凄まじい勢いで激減した時期がありました。

勿論、人間によってです。



バイソンにはヨーロッパバイソンアメリカバイソンの二種類がいます。

ヨーロッパバイソンはかつて、ヨーロッパに広く分布していた種でした。しかし、人間の乱獲と森林破壊によって激減してしまいました。
一時期、帝政ロシアの皇帝によって保護され、ある程度まで増えたこともあったのですが、20世紀初頭、ロシア革命でロシア帝国が崩壊した際、バイソンは帝政ロシアの象徴とみなされ、手当たり次第に虐殺され、いとも簡単に絶滅してしまったのです

今は保護区に集められている程度で、野生のものはいません。



一方、アメリカバイソンもかつては北アメリカ大陸の平原に6千万頭は生息していたと言われる北アメリカの代表的な動物でした。

しかし、西部開拓時代の19世紀半ば、たった60年ほどで、約99.998%が殺されました

19世紀初頭には4000万頭はいたそうですが、19世紀半ばに西部開拓が始まり、わずか数十年間で、肉として、また、娯楽として大量に虐殺され、あっという間に600頭足らずまで激減したそうです。

40000000頭が半世紀で600頭です。

信じられない数字ですが、これが人間の力なんです。


これは、ロシア同様に政治的な意味もあったようです。

先住民がバイソンに頼った生活をしていたのです。つまり、兵糧攻めです。

先住民の生活の糧を奪うことで、西部開拓を早く進めようとしたのです。

19世紀後半、バイソンの絶滅が危惧され、保護の運動も起きたそうですが、先住民制圧の為に軍はバイソンの乱獲を奨励し、20世紀になるまで保護は殆ど行われなかったということです。

人間の思惑や欲求の為に、バイソンはいとも簡単に絶滅に追い込まれたのです。

ただ、アメリカバイソンは20世紀初頭からは保護され、いまでは数万頭まで増えているそうです。



私たちは、ウシや犬のような家畜を大量に増やす能力も持ってはいますが、一方で、いとも簡単に特定の種を絶滅に追い込む能力も持っているのです。

植物にしても同じです。

米や麦、大根や人参のような食料となる“有用な”ものは栽培によって大量に増やしていますが、“使えない”原生林や雑草は次から次に刈り取ったり焼き払ったりしているのです。

まぁエイズウイルスとか鳥インフルエンザには手を焼いていますけど・・・。
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2005年11月02日

餌があると長生きできないゾウリムシ

昨日、ゾウリムシの秘密兵器の話をしたので、ついでに今日もゾウリムシのお話です。

ゾウリムシって『接合』して有性生殖みたいなことをしないと300回くらいしか分裂できないのです。

しかし、食べ物がなくならないと『接合』しないそうです

つまり、餌があると寿命があるんです。

不思議ですよね。

単細胞は分裂したら同じ年齢のものが出来るので、寿命があるということは絶滅が予測されているようなものです。

もし、常に餌を充分に供給し続けたらゾウリムシは全滅しちゃうんです。

本当でしょうかね・・・教官はそういっていましたが、餌があるのに死んでしまうなんてちょっと信じられません。

まぁ300回も完璧に増殖されたら2の300乗になるんで育てられないとは思いますけど。


餌があるときには細胞分裂を優先するようです。

自然界には餌は限られているので、いずれ餌が足りなくなって接合することになるのでしょう。


確かに、餌が多い時に餌をできるだけ食べておいて出来るだけたくさん分裂して個体数を増やし、餌が少ない時は体のメンテナンスをするというのは賢いような気もしますが・・・

餌をあげ続けると死んでしまうというのはちょっと・・・。

ある時期になったら接合するんじゃだめだったんでしょうかね・・・。

まぁ自然界では、餌がなくなるという状況は頻繁に生じるので、餌があるときには常に増殖を最優先するというシステムの方がいいんでしょうね。

人間の社会以外では、食べ物があり続けるというのは不自然なんですよね・・・。

posted by new_world at 12:39| Comment(8) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月01日

ゾウリムシの“秘密兵器”

中学校の理科にも登場する代表的な単細胞生物のゾウリムシでも、中学校では習いませんが、ゾウリムシって結構凄いんです。

なんとトゲがあるんです。

普段は隠しているみたいですが、外敵に襲われたりすると無数の槍状の針を体中から放出します

顕微鏡で見たら、何か針状の結晶がゾウリムシ周辺に突如現れたように見えます。長さはだいたいゾウリムシの横幅より少し短いくらいです。しかも、槍状で抜けにくいそうです。


ゾウリムシって実は凄いんです。

単細胞なので寿命も基本的にない(※)ですし、ちゃんと触覚センサーも持っていて、物にぶつかると退避行動をとります。まぁ急にバックするだけですけど。

退避行動くらいなら許せますが、体中から針を出したときにはほんと驚きました。テキストには文章で載っていたのですが、実際見るまでは半信半疑でしたね・・・。


画像はこのHPに載っています。

 

※ゾウリムシの寿命
『生物の寿命』の記事で書きましたが、ゾウリムシなどの単細胞生物には基本的に寿命はありません。ただ、ゾウリムシくらいの高性能な単細胞生物になると、単体では長くても30〜40年ほどしか生きられないようです。たぶん、これは多細胞生物の寿命と同じような感じなのではないでしょうか。DNAの損傷などによる細胞の老朽化です。
そこでゾウリムシは他の個体と『接合』して遺伝子を半分ずつ交換しているそうです。有性生殖に似た機構がそこに存在するのです。
詳しい機構は知りませんけど。

posted by new_world at 18:42| Comment(6) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月31日

15万個の卵

NHKの番組で東京湾のタコがとりあげられていました。

メスのタコって卵を守って孵化させたら、その殆どが力尽きて死んじゃうんだそうです。

『この15万個の卵のうち、生き残るのは数個です・・・』とか悲しげにナレーションの人は言っていましたが、まぁ、当たり前ですよね。

もし、15万個のうち何十個も生き残ったら、海はタコだらけになってしまいます。

単純計算でも、そのうち1〜2匹のメスが産卵できれば個体数は維持できますので、まぁ、3〜4匹が生き残ればいいんです。

これは全ての生物で一緒なんですよね。

急激な増減をする生き物もありますが、基本的に種の数はある程度維持されるように出来ています。

マンボウが何億個の卵を産もうが、ゾウが生涯で何頭の子供を育てようが、どちらにしても結局、うまく子孫を残せる子供はあわせて2〜3匹くらいでしょうね。


まぁ日本人とか韓国人とかは出生率が低くて数が減っていきそうですけど。
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2005年10月27日

プラナリアが平たい理由

ちょっとプラナリアの話を聞きました。

『プラナリアは扁形動物の一種であるが、扁形動物が基本的に薄く平たい形をしているのは・・・』

扁形動物というのは扁平な形の動物という意味で、基本的に平べったい動物です。

原始的な動物で骨格がないのはもちろんのこと、呼吸系や循環系(血管とか)もありません。

辛うじて、動く為の筋肉と、それを動かす原始的な神経系・感覚器官(目など)ができ、消化器官がある程度複雑になってきたくらいです。


扁平である理由は、ここにあります。

血管がないのです。

私たちは当たり前に体中に酸素やエネルギーがいきわたっていますが、血管のないプラナリアには酸素やエネルギーを効率的に行き渡させる仕組みがないのです。

そのため、酸素は体の表面から浸透させて得るしかないですし、エネルギーも腸から浸透させなければならないのです。まぁ腸は血管のように網目状になっていて比較的楽に細胞にいきわたるのですが、酸素はそうは行きません。それで、出来るだけ表面積を増やす為に平たくなったんです。

また、扁平動物にはサナダムシや肝臓ジストマなど寄生虫が多いです。全体の6〜7割は寄生虫です。それらも血管を持たないので平らです。サナダムシなどは何となくミミズみたいなイメージがありますが、サナダムシの名前が真田紐から来ているように、ベルトのように平べったいんです。

あと、寄生虫の場合、宿主が消化したものを取り込む種もあるので、種によっては消化器官がないものもあります。

絵を見ましたが、消化器官がないと、体の殆どは生殖器です。ちょっと変だと思いますが、消化器も呼吸器も循環器もなければ、あとは生殖器くらいですよね・・・。

サナダムシって節が沢山連なって紐状の構造をとっているのですが、その節一つ一つに生殖器があるそうです。その姿は異様です・・・しかも、長いものは10mほどあるそうで。

それが人間の腸の中で・・・普通のサナダムシは危険ではないのですが、ブタに寄生するタイプのサナダムシは危険なんだそうです。しっかりサナダムシを殺して食べてください。


プラナリアが何故平らなのかなんて考えたことがなかったです。言われて見れば、確かに酸素を体全体に供給するには薄い方がいいですね。


◇関連記事
とても可愛いプラナリア〜最強の生物?〜

イモリの再生能力と再生医療


プラナリアの一部の上下を入れ替えると・・・


◇参考図書(amazonへのリンクです。)
切っても切ってもプラナリア
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2005年10月25日

クロマティとシロマティ

実習で動物園に行ってきました。霊長類のお絵かきです・・・じっとしてくれないので全然上手く描けませんでした。まぁじっとしていても上手く描けないでしょうけど。

今日は霊長類の観察だったのですが、私はシロテナガザルとワオキツネザルを観察しました。他にも何種類かいて、そのなかから一つ二つ選んでレポートを描くんです。ついでに携帯で写真を何枚か撮っておきました。

ワオキツネザルの名前は忘れましたが、シロテナガザルは黒いクロマティと白いシロマティ、そしてその子供ダイチがいました。


クロマティクロマティです。雌です。
今は妊娠中(人工授精)で隔離されています。飼育係の人は『お気に入りの人形をいつも近くにおいています』と話していましたが、結構置き去りにされていました。
写真ではお気に入りらしいお人形を木にはさんで落ちないようにした後に、その上に座っています・・・。
お人形の毛づくろいとかもするそうでお人形はかなりボロボロです。


シロマティ(背)こっちはシロマティです。なんという安直ネーム・・・みんな苦笑していました。そもそも、ここは関西なのになんでクロマティなんでしょうね。クロマティ選手って巨人だったんじゃないんですか?訴訟起こしてるってニュースで見ましたけど。私が生まれた頃の選手みたいなのでよく知りません。
ガラス越しなので光が反射して上手く撮れていないですね。携帯のカメラでしたし。

クロマティはよくこっちを向いてくれたんですが、シロマティはあまり向いてくれませんでした。
なんとか横顔は撮れましたけど。

シロマティ(横)シロテナガザルは頭が良くて、他の動物のように餌の容器を破壊したりしないそうです。ペットボトルのふたも綺麗にあけていました
他の動物だとペットボトルはボロボロになってしまうそうです。

この写真ではタッパに入れられた餌をとろうとしています。

ガラスが全反射して鏡みたいになってますね・・・

 


 

あと、ついでにワオキツネザルを二枚。

ワオキツネザル1これはオスなんですが、今は繁殖期の為、他のオスと喧嘩しないようにこのオスは隔離されていました。



 


ワオキツネザル2

なんか、地面に下りて草を食べていました。

そういえば、ワオキツネザルは雌の方が順位が高いそうです。

ワオキツネザルはマダガスカル島にしか生息していないサルみたいです。 
そういえば、マダガスカルによく出かけるヘビのマニアの先生(ヘビの研究者とも言います)のビデオにもワオキツネザル(野生ではない?)が沢山出ていました。教官の目当ては大きなヘビの喧嘩だったのですが、ワオキツネザルもヒトと一緒にヘビの喧嘩を眺めていました。好奇心が強いみたいです。

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2005年10月06日

動物界脊索動物門哺乳綱霊長目・・・

ヒト科ヒト属ヒト。人間です。

人間は本能的に名前を付けたがる生物です。新しいものを見つけたら必ず名前をつけます。ものを認識する為には名称があったほうがわかりやすいのです。

明らかに別個のものであれば名称付けは簡単です。人間が生まれた時に付けられる名前も、その人間は一人しかいないから何の問題もありません。小惑星や衛星も一つしかないので比較的簡単に命名出来ます。
しかし、生物はそうは行きません。生物の進化は連続的で、名づけるのは至難の業です。生体機能を知らずにセントバーナードとチワワを見たとき、それが同じ種かどうかなんて分かりません。ライオンとトラの方がまだ近いかもしれません。

今でも最もよく使われていて簡単な定義は『生殖が可能であること』です。セントバーナードの卵子にチワワの精子を受精させれば正常な子供が生まれます。一方、ライオンとトラの場合、子供は生まれるのですが、その子供には生殖能力がなく、それは有性生殖が成功したとは言えません。ゆえに、トラとライオンは別種なのです。

このような決め方をすれば、明確に種の定義が可能です。

ただ、これには大きな問題があります。

『生殖を試してみないと分からない』ということです。地理的に隔離された個体同士では移動させなければなりません。また、仮に人工的に受精させるとしても、それには時間もかかりますし、生きた個体が必要です。つまり、絶滅種や捕獲が困難な種では種の定義が困難なのです。また、有性生殖を行わない種(分裂で増えるものなど)は定義しようがありません。

そのため、定義は別として、基本的には今でも形態を中心に種を定義しています。最近は遺伝学的な分類も進んでいます。

ただ、種には定義の基準も存在し、比較的分かりやすい分類がなされているのですが、それより上位の階級、たとえば、属や目などには明確な基準はありません。

つまり、学者の意思です。学者が決めるのです。

偉い学者さんが『これは〜属だ』と言ってしまえば、明確な誤りがない限りそうなります。かなりアバウトなんです。

まぁでも、曖昧な種に対してはそうするしかないんです。


因みに、新種を定義する場合は、対象となる試料を模式標本として指定し、詳細な記載(特徴の説明)をつけなければなりません。その際に属や種も決めるのですが、これらは後に訂正される場合があります。記載などの詳細は規約として明文化されて決められています。

種名は250年位前から二名法という『属名+種小名』で表す方法が取られています。普通は、『属名+種小名 命名者名 命名年(西暦)』と印されます。ラテン語で書くという決まりがある学界もありますが全部がそうではないようです。

因みに、途中で記載の内容が訂正された場合には、命名者名に()が付くそうです。でも、命名者の名前はずっと残ります。


あと、余談ですが、『共通の祖先』について、分類学上の問題があるそうです。

たとえば、『鳥類は共通の祖先を持つ』と『爬虫類は共通の祖先を持つ』だとかなり意味合いが変わってしまうのです。なぜなら、鳥類の共通の祖先は鳥類全体の共通の祖先であり、その祖先からは鳥類だけが進化しています。しかし、爬虫類は、途中で鳥類が分かれたので、全ての爬虫類の共通の祖先は存在しますが、その祖先から進化したもの全てが爬虫類ではないのです。そのため、爬虫類には独自の共通の祖先というものが存在しません。

大したことではないような気はしますが、この違いで爬虫類はある定義ができなくなるので分類学者にとっては大きな違いになります。まぁこれについても習いましたがややこしくなるので、これくらいにしておきます。



今日はつまらない話でしたね。すいません。認識しています。

明日で第一週目が終わります。思ったより、元気です。
まぁ休講が3つあったのが大きいですね。来週も月曜が休みなので、最初の二週間はいい助走になります。
第三週は休講もなくニワトリもさばかないといけないみたいなので大変になりそうですけど・・・。
posted by new_world at 21:09| Comment(7) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月27日

タガメ。

そういえば、昨日、更新忘れていました。ブログ初めて2回目です。最近はつまらない話にしか出会わなくて、いまいち書く気が起きないんですよね・・・。もっと精力的に本読まないとネタ不足で潰れてしまいます、このブログ。先週は蝶々とか苔とかの本を読んだんですが、いまいち書くほどの話はありませんでした。

そういえば、昨日、NHKでタガメの面白い話が出ていました。

昨日のことなのでもうよく覚えていませんが、タガメの羽って二枚一組合体して左右で一枚ずつの大きな羽のように使われるそうです。

その前後二枚の羽のくっつけ方が面白くて、なんと、フックを引っ掛けるという方法だそうです。後羽に棒状の突起が、前羽にフック状の構造があり、それらによって前後の羽がくっついて一枚の羽のようにすることが出来るそうです。

番組では出ていませんでしたが、では何故、ハエなどのように一枚の羽にならなかったのでしょうか。

ここは普通気になるところですよね。まぁ当たり前すぎて取り上げるほどでもなかったのかもしれませんけど。


単に羽を収納する為でしょうね。固い前羽は柔軟性に富んだ後羽や柔らかい胴体が傷つかないようにする防御にもなりますし、タガメの場合、防水という機能も持つでしょう。そして、せっかく上羽があるのですから、それを使わないのはもったいないですよね。下の羽を大きくするよりも上の羽を有効利用してるんです。しかも、上の羽は防御に必要なのです。

土や木にもぐったりする場合、羽は傷つきやすく、基本的に羽が露出した昆虫がそのような環境で生きていることは稀です。蜂にしてもハエにしても蝶にしても(産卵の時などを除いて)基本的には野外に出続けています。

羽が露出した昆虫は瞬時に飛ぶことが出来るのですが、そのような昆虫は概して弱いですよね。防御を捨てて逃げ足の速さを選んだんです。まぁハチとかは攻撃力はありますが、防御力はないです。

飛べる昆虫の中でも、カブトムシなどの外側の固い昆虫は基本的に飛ぶことは移動手段であり、逃げるという動作に使えるほど瞬時に飛ぶことは出来ません。
羽は収納されていますし、体が重いので筋肉を温めないと飛べなかったりします。


まぁ哺乳類と鳥類を比較した場合は、防御能力は殆ど変わらず、回避能力は鳥類が優れていると見ることも出来ますね。まぁ、哺乳類は地べたを這うので大型化や固い皮膚を持つことは可能ですけど。


実際どうなのかは調べてないので分かりません。


話は戻りますが、私、タガメって見たことないです。昔、NHKの教育番組や図鑑でよく登場していたタガメですが、出会ったことはないです。昔から、一度は見てみたいと思っている昆虫の一つです。

大きいものは10cmもあるというその巨大さ、そして、あの大きく強そうな前足、独特な模様の固そうな背中、しかも、飛翔能力までもつという脅威の昆虫です。そして、あの異様な卵にも幼い頃はあこがれました。

でも、実際は殆ど見られないんですよね・・・母の実家の超田舎の田園地帯でも見られませんでした。

テレビ局の人は(専門家に頼んだとしても)見つけるのが大変だったでしょうね・・・


タガメのような大型肉食昆虫は(食物連鎖の上の方で)もともと数が少ないですし、最近は水質汚濁によるカエルや小魚の減少で更に減っているのでしょうね・・・

環境問題は深刻ですね。

最近は農薬の量は減ってきましたが、やはり、特殊農法以外では害虫を駆除できる程度の農薬は使いますので、食物連鎖には大きな影響を与えてしまうんですよね。
また、合鴨農法などにしても、結局は害虫を別の方法で大量に消しているので、ブラックバスやアメリカザリガニの放流と似たような効果が起きるかもしれません。


まぁそれでも、自然界は調整する能力を持っていますので、長いスパンで考えたら問題ないのかもしれません。今までも恐竜を絶滅させるような大規模な環境の変化を乗り切ってきました。
ただ、自然界のバランスの変化は、恐竜絶滅のような大規模な淘汰を生じますので、人間も少なからず苦しむことにはなりますね。まぁ人間は適応能力に優れた生物ですので、そう簡単には死んでくれないような気はしますけど。

ただ、二酸化炭素濃度上昇や地球温暖化程度なら何とかなるでしょうけど、核兵器や有毒物質などは自然の適応能力を超えていて、なかなか対応できる種はいないでしょうね・・・。
posted by new_world at 10:56| Comment(8) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月13日

鳥の呼吸

前回は水を循環させるカニの呼吸を取り上げましたが、今回は陸上生物の中で最も運動神経に優れ、最も効率的な酸素供給が求められる種族、鳥類の呼吸法についてです。



鳥の呼吸の特徴は、何と言っても『酸素供給の持続』です。

私たちのような鳥類以外の肺呼吸の生物は基本的に息を吐くときには酸素を取り込めません。ただ、そこまで激しい動きはしないのでそれで問題ないんです。また、鳥類のように空気の薄い地帯にも生息していません。

しかし、鳥類は、あの小さな体で卓越した運動神経を長時間維持し、空気の薄い高い地域でも動けます。その為には効率のよい酸素供給が必要なのです。

そのため、第二の肺を作ったのです(作った理由はまた少し違うのですけど・・・)。
ただ、単に肺を二つ作るのではなく、スムーズに酸素が供給されるように、片方はただの袋です。この第二の肺とは、“気嚢(きのう)”と呼ばれる肺に隣接した器官で、気嚢が常に肺に酸素が供給されるという優れた呼吸を可能にしています。

普通の肺呼吸であれば、肺への酸素供給は1⇒0⇒1⇒0となっているのですが、鳥類は1⇒1⇒1⇒1となっているのです。これは2⇒0⇒2⇒0とするよりも安定した供給であり、長時間飛び続けたりする鳥類にとってはこちらの方がよかったのでしょう。

気嚢は肺の前後二箇所にあります。それを気嚢A、Bとすると、鳥類の体内では気管⇒気嚢A⇒肺⇒気嚢B⇒気管という空気の流れがあるんです。

まぁ言葉で説明するのは面倒なので、次の図を見てみてください。


気嚢システム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じです。この仕組みは、空気を常に補給することが出来ると同時に、血流を空気の流れの逆にすることにより、酸素・二酸化炭素の濃度の変化の関係でもっとも交換がしやすい形になっています。この仕組みは肺の空気の流れが一方通行だから可能なのです。

因みに、この気嚢という器官は鳥類だけではなく、その先祖である恐竜にも見られます。恐竜が栄える以前、地球では哺乳類型爬虫類と分類される生物が繁栄していました。しかし、あるとき、大噴火による影響などで、30%あった地球の酸素濃度が10%程度まで落ちてしまいます。
酸素が豊富だった時代に適応していた生物達は低酸素状態に耐えられませんでした。次々に呼吸困難で倒れていきます。その低酸素時代を生き抜くためには、何かしらの対策が必要でした。
そこで恐竜が獲得したのが気嚢です。恐竜が繁栄したのは気嚢という特殊な器官を持っていたからだともいえます。一方、哺乳類はその厳しい時代に生まれます。つまり、胎生を獲得するのです。胎生により、出来るだけ大きな状態で生まれることが出来るようになりますし、親の体内で安全に成長することが出来ます。また、哺乳類は肺自体はそこまで進化しなかったのですが、肺の下に横隔膜を作り、強力に空気を吸引する能力を獲得します。
横隔膜は気嚢ほど効率はよくなかったのですが、何とか低酸素時代を生き抜く能力を哺乳類に与えました。

このような様々な方法を獲得して、生物はその低酸素の時代を生き残っていったのです。

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2005年09月12日

カニの呼吸

カニって陸上に上げてもなかなか死にませんよね。

魚なら呼吸困難で死んでしまうのに、カニはそう簡単には死にません。よく干潟などでカニが歩いているのをテレビでやっていますよね。

一部の陸上のカニ(オカガニなど)は肺のような器官を手に入れているのですが、普通のカニにはエラしかありません。

カニは、エラ呼吸しか出来ないのです。

しかし、エラと言う器官は空気から酸素を取り込むことはできません。

これは全ての魚などのエラにいえることですが、湿っていればある程度呼吸が出来るのです(乾燥してしまうと危険です)。

つまり、カニのエラは常に湿っているのです。というか、湿らせているのです。

カニは、水分の循環させているんです。

つまり、入口から酸素を含んだ水分を取り込み、エラでその80%以上を吸収し、出口から排出します。そして、出口から出た水は、外気に触れ、酸素を取り込んで、また入口から入っていくのです。

これを繰り返すことで、カニは陸上で長期間生きていくことが出来るのです。

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2005年08月30日

鳥のさえずりの習得

鳥の鳴き声って遺伝的に決まっているものではないんです。

ウグイスはどれもホ〜ホケキョと鳴いているように聞こえますよね。でも、その鳴き声、生まれつき持っているものではないんです。

なんと、ヒナの頃に親から学ぶのです。

親のさえずりを聞き、それを真似ることで独特のさえずりを習得するのです。よって、あれは代々引き継がれている“技”と言えます。

種による声の個性と言うものはありますが、ホ〜ホケキョのような独特の鳴き方は親から伝授されたものなんですね。

そして、親から鳴き方の基本を学んだヒナ達は、独り立ちした後、独自に訓練を重ね、技を磨いていきます。

そして、美しい歌声を獲得した個体が子孫を残していくことができるのです。

posted by new_world at 20:46| Comment(9) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月22日

植物は汗っかき

炎天下の中、植物たちは文句も言わずに日向に出ています。偉いですね。

まぁ光合成するためにはやむを得ないのですが、植物だって生き物です、高温では生きていけません。
光合成で栄養を作るのは酵素ですので、適温というものがあります。

動物と違って動けない植物は、温度管理が大変です。

もちろん、多少温度が上がっても大丈夫なようにできているのですが、それでも限界があります。ある程度の温度以上に上がってもらっては植物だって困るのです。

そこで、植物も体温を下げる能力を持っています。


汗をかくんです。


まぁ汗をかくって言っても、皆さんご存知の、あの蒸散って言うやつです。
中学校で習いますよね。「ワセリンを葉の表側に塗ったものと裏側に塗ったものでの、花瓶の水の減り具合の違い」ってやつです。花瓶から直接蒸発しないように油をたらしておくんでしたね。

あんな感じで植物は根から水をくみ上げて葉からそれを蒸発させます。
もちろん、それは『根から新しい水を吸い上げるため』でもあるのですが、同時に葉の温度を下げる働きもしているのです。

ただ、問題はその量です。

人間や動物の場合、移動できますので場所を変えることによって温度調節をすることができます。しかし、植物は過度の日光を避けるすべを持っていません。

そのため、植物の蒸発させる水の量は凄いのです。

人間はスポーツ選手でもない限り一日に体重の数%しか汗として出しません。ところが、植物は自分の同じ重さ、多いものではその何倍もの重さの水を蒸発させているのです。

植物は吸収した水分のすべてを蒸発させて取り除くこともあり、地上から蒸発する水蒸気の95%以上が植物によるものだと計算されています。(もちろん、水蒸気の殆どは海から発生したものですが)


人も大量の水を使いますが、植物も大量の水を使っているのです。そのため、農業には多くの水が必要になるのです。

posted by new_world at 22:53| Comment(6) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月08日

植物の二酸化炭素吸収量

植物の二酸化炭素吸収量は結構多くて、森林などの植物の多い地帯では、晴れた風のない日には二酸化炭素濃度が通常よりも6〜7割程度低くなるそうです。

樹齢10年程度のリンゴの木が1本あれば、毎日200g近くの二酸化炭素を吸収してくれると言われます。

200gと言ってもわからないと思いますが、200gの二酸化炭素は、まぁ、100ℓくらいですかね。

二酸化炭素の濃度は通常0.03%、つまり、空気1に対して0.0003ですので、木は100ℓの二酸化炭素を得るために、33万ℓもの空気を毎日吸収していることになります。つまり、毎秒3.8ℓの空気を吸収していることになりますね。

とはいえ、それでも、年間で二酸化炭素200g×365=73kgです。

日本人一人当たりの平均二酸化炭素排出量は9400kgですから・・・。

しかも、毎日晴れるわけではありませんし、一年中葉が茂っているわけでもありません。

そのリンゴの木の一日の吸収量は、低燃費自動車の代名詞“プリウス”が“1km”走る際の平均二酸化炭素排出量よりちょっと多いくらいだそうです。

リンゴの木1本ではプリウスも1日1kmしか走っちゃいけないんです。


あと、人間の呼吸による二酸化炭素の排出は一日1kgだそうです。つまり、人間の呼吸を支えるためにも、リンゴの木が5本も必要なのです。つまり、私たち一人が呼吸で出す二酸化炭素を取り除くために、一日で150万ℓの空気を“浄化”しないといけないんです。

しかも、実際は工業などでその25倍の二酸化炭素を放出しているので、私たち日本人1人あたり、毎日3750万ℓの空気の浄化が必要になるのです。

年間では計算したくないですね・・・。


植物の吸収量は多いと思いますが、私たちの排出量は桁違いに多すぎですね・・・。

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2005年07月25日

クルミの実

テレビでクルミが紹介されていました。でも、どうみても私の知っているクルミじゃないんです・・・

クルミの果肉は食べないんですね。
種だけしか食用にされていないので、種の状態しか見たことがありませんでした。

でも、やっぱり、果肉のついた状態のクルミはクルミっぽくないです。


オニグルミ.jpg
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2005年07月06日

温度で決まる性別

爬虫類や魚類は温度など環境要因で性別が決まります。

そのため、急激な温暖化や寒冷化に弱いんです。急に寒くなったり暑くなったりすると性別が大きく偏ってしまい、繁殖が上手く行かなくなるのです。
恐竜が絶滅した理由が急激な寒冷化による性別の大きな偏りだと言う説もあるくらいです。恐竜の場合、殆どが産みっぱなしだったようなので温度の変化には特に弱かったのでしょう。

厳しい環境においては一般にメスが多く生まれます。この仕組みは小規模な環境変化には有効ですが、急激な環境変化によってメスの割合が増えすぎると逆に種の存続に大きなダメージを与えてしまうのです。

ちなみに、その基準となる温度は生物種ごとに違います。住んでいる環境によって、また、その生物の生活環によって異なります。

一部の種には卵の温度管理をするものもいますが、多くの種が温度管理をしていません。よって、地球温暖化が魚類や爬虫類へ及ぼすダメージは特に大きいでしょう。

生物が予想した以上に地球の温度変化は激しかったようです。まぁ今回の急激な温度変化は人間の所為かもしれませんが・・・。

因みに、鳥類・哺乳類は性染色体で男女が決まるため、遺伝子の選び方で決まります。(つまり、魚類や爬虫類はオス・メスの遺伝的違いはないんです。)

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2005年07月05日

虫だって風邪を引いたら熱が出ます。

いや、それだけです。

風邪を引いたコオロギの体温変化の図を授業で見ました。

私たちのような1度とか2度とかの上昇ではありません。平熱より軽く10度くらい上がります。



変温動物ですから・・・?恒温動物のような効率的な温度調節機構は持っていませんので、筋肉を震わせて体温を上げるそうです。

変温動物といっても、生きているわけですから、体内の化学反応を行う為にある程度の温度は必要なのです。ちゃんと維持しています。私たちのような内部からの効率よい温度管理は出来ませんが、震えたりして温度を上げてるんです。
ガラパゴス海イグアナが岩の上で日向ぼっこしたりしていますよね。日差しが強くて暑い時には日差しの方を向いて日のあたる面積を減らします。
ちゃんと体温の調節はしているんです。

因みに、震えると言うのは筋肉で無理やりエネルギーを消費する行動で体温を上昇する為の動作です。人間の場合も、熱が足りない場合には震えます。


とはいえ、10度も上がるグラフを見せられた時にはちょっと驚きましたね。

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2005年07月04日

基礎代謝の季節変化

アジアの米を主食としていた地域に多く見られる体質があります。
基礎代謝が夏期は落ち、冬期には上がる体質です。

これはエネルギーを有効利用するために得た機能です。夏の体温維持には外気を使うのです。

しかし、この機能は肉食の地域の人間にはありません。
肉食は米食に比べ高カロリーであるため、エネルギーは余るほど手に入るからです。

人間はその体温を維持する為に摂取エネルギーの70%以上を使っています。
その体温維持の為のエネルギーを節約することでエネルギー使用量を減らすことができます。


日本などの農耕民族においては主食は米ではありましたが、実際は野菜中心の食事で摂取カロリーは西洋に比べ格段に低かったのです。
そのため、そのような地域の人間は夏には基礎代謝が下がり外気温を体温維持に利用していました。
冬期は年間平均より10%ほど基礎代謝が高く、夏期は10%ほど低かったそうです。
ところが、戦後になって肉食が一般化した現代の日本人は、夏期も冬季も高エネルギー状態にあるため、以前の半分の5%以下まで変化が縮小しているそうです。中には殆ど変化しない人もいるそうです。

これは日本人が栄養的に恵まれていると言うことはできますが、余分にエネルギーを摂取しているともいえます。

近世日本を訪れた西洋人は、日本人の食生活を見て驚いたそうです。

『何故、このような“草”ばかり食べているのに、あんなに丈夫で長寿なんだ?!』と。


寒冷な地域に住んでいた西洋人は生存の為に高カロリーな食事が必要だったのですが、西洋人が移り住んだアメリカやオーストラリアにおいて、肉食は必要だとは思えません。

むしろ、肉食をしていると、夏でも基礎代謝が高くなってしまうので、“暑い”んです。
そのため、西洋人には暑がりの人が多いと言います。

勿論、今の日本人もそうです。

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2005年07月01日

コケは美味しくない

コケは美味しくないそうです。

あれだけ世界中にあふれているコケ類ですが、殆どの生物が食べません。ところが、栄養価は決して低くはなく、栄養的には食用にしても問題ないそうです。
どうして誰も食べないんでしょうね。“たで食う虫も〜”、と例えにまで使われる虫ですら、コケには見向きもしないそうです。よほど美味しくないんででょうね・・・。

そのため、コケの標本の管理は楽みたいです。コケを食べる生物はかなり限られているので。

それに、コケには抗菌効果もあります。
菌すらよってこないんです・・・そのため、コケはなかなか腐りません。冷蔵庫に入れていれば数ヶ月は持つようです。まぁ食べられませんけど。

植物の根元にコケを敷き詰めたりするのも、コケの持つ保湿性の他に、カビを生えさせないというこの抗菌性も大きな理由だそうです。

ミズゴケと言う種類のコケは桁違いの保湿性を持っています。
ミズゴケには殆ど“からっぽ”の細胞があって、そこに自分の重さの数十倍の水分を蓄えることが出来ます。しかも、ミズゴケが死んでもその保湿性は失われない為、第1次大戦では脱脂綿の代用として使われたこともあったそうです。

天然のシートとして様々な用途に使われているコケですが、やはり、食用にはしないみたいですね。

でも、味を調えることが出来る人間なら、もしかしたら誰か食べてるかもしれません。

posted by new_world at 16:45| Comment(3) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ケセラセラ:こけの生き方

コケです。
コケは原始的な植物ですが、面白い生態を持っています。水の中から比較的乾燥した場所まで様々な種類が存在します。

今回はその中で日向に生える乾燥に強いコケの話です。ちょうどコンクリートの壁や岩などに生えているやつです。

岩やコンクリートは土ではないので晴天が続くと水分が補給できなくなります。
乾燥地帯などに住む植物などは一般に、葉を厚くしたり、またはトゲのようにしたり、表面にロウのようなものを塗ったりして乾燥を防いでいます。

ところが、コケにはそのような高度な機能は備わっていません。

そのため、すぐに干からびてしまいます。

他の植物であれば“枯れた”ら死んでしまいますよね。観葉植物に水をやり忘れたら枯れてしまいます。
しかし、そのような種類のコケはそれくらいじゃ死なないんです。(死んでたら絶滅していますね)

彼らは生体機能を休止させて乾燥の被害を抑えるのです。

他の生物が複雑化して高度化していく一方で、あくまでシンプルに、乾燥が来てもそれに身を任せて対処しているのです。
種によっては数年に渡り生き続けているものもいたそうです。
このような乾燥に対して無抵抗主義な生き方をする植物は原始的な種には結構あるようです。
あと、そのようなコケに生息する小さな動物の中にも同様に乾燥期には活動を停止するものがいるそうです。宿主のコケと一緒に仲良く乾燥を寝てやり過ごすんです。


ただ、乾燥すると生体機能を停止しなければならないのは生物としては不利です。そのため、より高度な植物では、様々な方法で乾燥に積極的に対処するのでしょうね。

posted by new_world at 12:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月27日

アリは共生しているアブラムシを食べる。

前回に続き、常連のアブラムシが再登場です。

別にアブラムシが好きなわけじゃないですが、アブラムシは大変面白い生き物です。
今回も、エイコアブラバチの時と同様、食べられる役回りです。

しかも、護衛のアリにです。

アリとアブラムシの関係は対等ではないのです。
アリはアブラムシを守ってあげているだけで、守る必要がないものは食べてしまいます。
たとえば、ある植物においては害虫駆除の為に蜜を出してアリを呼んでいるものがいます。その植物にアブラムシがつくと、アリはどちらかを選ぶことになります。蜜が美味しいほうを選ぶんです。
つまり、アブラムシと植物はアリを獲得する為に競争しているんですね。
競争に負けたアブラムシは容赦なく食べられますし、競争に負けた植物はアブラムシに栄養を吸い取られ成長などが阻害されます。そして、最悪、死を迎えます。

アリは自分が好きなほうの味方をすればいいのです。

そのため、アブラムシによっては戦線離脱し、アリとのかかわりを絶っているものの方が多いようです。アリと共生関係にあるのは全体の4分の1程度だといわれています。まぁそれでも結構な割合ですね。



今回はこれとは少し違う話です。

タイトルに書いた通り、アリが“共生しているアブラムシ”を食べるんです。

雇っているガードマンに殺されるようなものです。
アブラムシが可哀相ですね。

でも、勿論、理由があります。

アブラムシの数の調整です。
増えすぎたアブラムシを食べて減らすんです。

アブラムシが増えすぎると蜜が余ってカビが生えたり、植物が死んでしまう可能性もあります。そうなると、アリは困るんです。
ですから、増えすぎたアブラムシは食用に回します。

私たちが家畜や農産物の数を調整するのと同じです。
アリとアブラムシの関係は私たちと家畜との関係と同じなんです。
人間と家畜・農作物の関係も共生と言えますが、どうも対等じゃないですよね。
今の日本では家畜・農作物の生殖まで管理しているのでそのようなことは行われていませんが、遊牧民などでは今も普段は家畜からミルクなどを取って、数の調整の為に時々食べています。
アリも普段はアブラムシから蜜をもらっていますが、数の調整の為に時々肉にもするんです。
アリはアブラムシを“飼っている”と言えます。

ただ、ここで気になるのは“どうやってアブラムシの数を把握しているのか”ということです。
私たちなら数を数えますが、アリは数を数えられません。
アリは数は数えられませんが、案外単純な方法でアブラムシの数を管理しています。

“印”です。

アリは蜜をもらったアブラムシに印をつけているんです。そして、印のないアブラムシは適度に食べられていきます。
そうやって増えたアブラムシは食用にされて数が調整されているんです。

上手くできています。

これもまた進化の凄いところですね。

posted by new_world at 06:14| Comment(7) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月26日

アリに化けるハチ

アブラムシ関連の話です。たぶん、アブラムシは4回目の登場になると思います。

そして、今回の主人公はエイコアブラバチという蜂です。ご存知ですか?
たぶん知らないでしょうね。私も今日知りました。
この蜂はアリに化けます。
“化ける”と言っても、あくまでハチで、羽もありますし、大きさも化けるアリの半分くらいしかありません。形もあまり似ていません。しかし、アリは目が見えないので問題ないんです。
小学校の時に国語の教科書で出てきたと思いますが、アリは“臭い”で仲間を認識しています。そのにおいはコロニーごとに異なり、仲間の認識に使われています。

このエイコアブラバチはアリと同じ臭いを持ってアリの巣の中に進入するのです。
といっても、コロニー毎に異なる臭いを入手するのは極めて困難です。その過程でこのエイコアブラバチの多くは死んでしまいます。

エイコアブラバチは如何にしてアリの臭いを入手するのでしょうか?

その方法は実に強引で、アリを羽交い絞めにして臭いを自分にこすり付けるのです。
ところが、先ほど話したとおり、このハチはアリの半分の大きさしかないので、エイコアブラバチの多くはアリに近付く際に反撃にあって食べられてしまいます。また、アリを捕まえても救援のアリに食べられることも多いです。
アリは“凶暴な昆虫”なのです。
私たちにはそういった認識はありませんが、アリには強力なあごがあり、同じサイズの虫にとっては脅威なのです。

アリを押さえるのに成功したエイコアブラバチはアリをマッサージして落ち着かせます。動かなくなった隙に、体を密着させて臭いをもらうのです。30分ほどで臭いを得たエイコアブラバチは堂々と巣に侵入します。
ただ、この臭いは表面上つけた香水のようなものですので、いずれ取れてしまいます。
そこで、エイコアブラバチはこの臭いを巣の中で更新していくのです。

その入手方法は“餌”です。

アリは餌を胃の中にためています。空腹のアリは仲間から餌をもらうのです。その行動を利用して、エイコアブラバチはアリから餌をもらいます。
その餌の中に臭いの成分が含まれているのです。
アリはお互いのコミュニケーションを大切にする生き物で、巣の中ではお互いにグルーミングしあいます。毛づくろいではありませんが、お互いに相手をなめるのです。そのため、胃の中にアリの臭いの成分が多く入ってくるのです。

ただ、エイコアブラバチの本当の目的はアリではありません。

アブラムシです。(やっと登場)

エイコアブラバチはある種のアブラムシに卵を産むのです。
そのアブラムシはヨモギの根に寄生する種類で、アリの巣という地下要塞とアリという護衛兵から守られて増殖します。(因みに、アブラムシは穴は掘れませんので、穴の中までアリに運んでもらいます)
ただ、極めて強固な守りですが、アリさえだませれば、そこは天国なのです。
そのため、エイコアブラバチは臭いを得る為に命をかけるのです。

しかし、エイコアブラバチもそこまで“悪党”ではありません。
巣の中に侵入したエイコアブラバチは、アブラムシに卵を産み付けるのを夏まで待つのです。

なぜ“夏”まで待つのかというと、それはアブラムシの生活環に関係します。
アブラムシの時にお話したとおり、アブラムシの増殖は植物の成長と深いかかわりがあり、植物が成長を止めると窒素不足になって栄養失調を起こします。
そのアブラムシが寄生するヨモギは8月から9月にかけて成長が止まります。そうなるとアブラムシは栄養不足になり、羽があるものが生まれ、移動します。

エイコアブラバチは羽があるものが生まれた後のアブラムシに卵を産むのです。

有羽虫が飛び立った後のアブラムシは集合体としては死んでいます。食料がそこをついた城の中に閉じ込められているのと同じなのです。だから、エイコアブラバチに卵を産み付けられても何も変わらないのです。

更に、アリにとっても同様です。
栄養不足で蜜を出さなくなったアブラムシは必要ないんです。
蜂に寄生されようが関係ないんです。
しかも、エイコアブラバチはアリから餌を奪いはするものの、アリを殺すことはありません。
ただ、別にアリには何の利益はないので共生はしていないだけです。

アブラムシ+アリの共生関係+侵入者だけど大きな被害は与えないエイコアブラバチ。

このようなお互いにあまり損をしない関係の中でエイコアブラバチとアリとアブラムシが巣の中で同居しているんです。

もしエイコアブラバチが強すぎたりすると、アリやアブラムシが絶滅してしまいます。
侵入する側のエイコアブラムシも、相手に出来るだけ被害を与えないように侵入することで、自分の種もつないでいくことが可能になるんです。

それにしても、よくもまぁこんなに複雑な生態を獲得できたものです。

まずはアリの巣に、しかも、外からは見えないアブラムシを目当てに、侵入しようと思わないといけません。そのためにはアリが臭いで識別していることを知らないといけませんし、アリの押さえ方や落ち着け方を考えないといけません。更に巣に侵入した後は、アリから餌をもらう動作を覚えないといけませんし、アブラムシの場所まで行かないといけません。そして、アブラムシが増殖が終わるまでぼ〜っと待っておかないといけません。

必要な条件が多すぎますよね。

ここまで特殊化できるのは凄いです。

進化って凄いですね。

posted by new_world at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月11日

脅威のアブラムシ

理学部の図書館で『アブラムシの生物学』(東京大学出版)という本を見つけました(普通に生物学の教科書みたいです・・・)。
先日アブラムシ関連の記事を書いたばかりだったので、ふと気になって読んで見たのですが、アブラムシが更に怖くなりました。

アブラムシのお腹の中にはひ孫までいるんです。

アブラムシは次世代を胎内で育てます。その次世代の胎内には既に次々世代が育っていて、その次々世代の中には完成した卵母細胞があるのです。

有性生殖をしないから出来る芸当ですね・・・。

怖すぎです。生まれてから3日で子供が生めるのもうなずけます。すでに、生まれるときにはその胎内で育っているのですから・・・。

しかも、動物における蚊と同じように、病原菌などを媒介しますし、栄養の取りすぎで植物の生育を妨げます。

そこで、人は農薬を使ったりするのですが、アブラムシはこの世代交代の速さなどから薬物に対する耐性が着きやすいのです。

病原菌みたいですね・・・まぁ大腸菌は20〜30分で分裂しますが。(人間はDNAの複製だけで20時間弱かかります)


ただ、勿論、アブラムシも欠点があります。

アブラムシは植物の師管に流れる液体を吸いますが、この師管液、栄養価が低いんです。
糖類は捨てるほどある(アリの餌になるやつです)のですが、他の栄養素が殆どないんです。必須アミノ酸すらろくに含まれていません。そのため、アブラムシは体内に菌を飼っていて、その菌が植物が作れるアミノ酸から必須アミノ酸を合成しています。

このようなことをしてまで栄養を確保しなければならないくらいに厳しい食糧事情です。そこでアブラムシは、特定の植物に特殊化することで成長効率や植物の発見能率を高くしようとしたようです。

種によって幅はあるのですが、基本的にアブラムシは寄生できる植物が決まっています。一種かその近縁です。
これは他の昆虫の多くにもいえます。カブトムシの集まる木の種類が決まっていたりするのも同じ理由だと思います。

そして、その他にもう一つ重要な要素があります。

窒素です。

一部の菌で大気からの窒素固定(※)が確認されていますが、アブラムシ内の菌では行われていません。
つまり、窒素も植物に依存しなければならないのです。(ただ、植物の師管液に含まれる窒素化合物は少量で、アブラムシは窒素をリサイクルして効率的に利用しています)

そのため、植物の窒素吸収が減る時期にはアブラムシは活動できません。

植物が窒素を取り込むのは成長するときです。

つまり、春から初夏です(今です・・・)。

夏になると多くの植物は成長が止まります。そのため、アブラムシは食糧難に直面します。
しかも、アブラムシは寄生主がある程度限られているので時期をずらして移り歩くようなことは中々出来ません。(二つの植物を渡り歩くものは結構います。春は木に、夏は草に、見たいな感じで)


ですから、夏になるとアブラムシは活動を弱めないといけないのです。
種によってはもう卵を産んで店じまいしてしまうものもいます。つまり、活動期は春から初夏で、夏から冬は卵で動かないんです。





・・・まだまだ書きたいことは沢山あるのですが、これくらいにしておきます。

アブラムシの生物学』には他にも「遺伝」や「天敵」、「アリ」、「体内の細菌」、「ウイルス媒介」などについて書かれていました。

興味がある方は読んでみてください(上の書名のところのリンク先はアマゾンの書籍情報です)。

値段は結構高い(約6500円)ので、見たい方は図書館で探された方がいいですね。図書館にあるかは分かりませんが・・・。


※窒素固定
大気の窒素を植物が利用可能な硝酸イオンやアンモニウムイオンなどの形に変化させることを窒素固定といいます。ただし、窒素の固定というのは大変難しい技術のようです。

植物が利用可能、と書いたとおり、殆どの植物が窒素固定は出来ません。ただ、一部の植物は窒素固定が出来ます。しかし、その殆どが植物内の菌類によるものです。

窒素固定能力のある代表的な植物は、ソテツ、ヤマモモ、マメ科の植物などです。これらは全て菌を飼っていて栄養を供給する代わりに大気から窒素を取り込んでもらっています。
そして、その植物が他の植物の窒素源になるのです。
つまり、窒素固定能力のある植物は肥料となります。現在では化学肥料を使っているところが多いようですが、転作作物に大豆を育てたり、休耕の田畑にクローバーや蓮華草を植えているところも多いようです。蓮華草やクローバーもマメ科です。
あと、水田ではアカウキクサという植物なども窒素固定用植物として利用されているようです。

posted by new_world at 00:12| Comment(11) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月10日

幼虫と成虫

カブトムシの幼虫と成虫を考えてみてください。

幼虫と成虫って全く違う形をしてます。しかも、食べ物まで全く違います。

別の生物と考えてもいいくらいです。

しかし、勿論まったく同じDNAを持っているのです。

幼虫と成虫で違うのは当たり前だと思ってしまいますが、よく考えると凄いことです。

生まれたときはヘビなのに成長したらカメになったみたいな感じです。


これは時期によって発現する遺伝子が変わることで生じる現象で、殆どの生物が行っており珍しいものではありません。

ですが、『同じ遺伝子を持っているのに幼虫と成虫で大きく異なる』というのは感覚的に面白いことだと思います。
posted by new_world at 05:49| Comment(4) | TrackBack(1) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月06日

セイヨウタンポポはクローン

セイヨウタンポポも日本のタンポポも種子が出来て綿毛が出来て飛んでいきますよね。

でも、種子は全然違うんです。

セイヨウタンポポの種子は親のクローンなんです。

セイヨウタンポポは三倍体、つまり、染色体が3組あります。
普通は、両親由来の偶数組であり、生殖細胞が作られる際は、父由来のものか母由来のものかが入って生殖細胞は出来ます。父由来A1〜A5、母由来B1〜B5のように複数ある場合は、A1、B2、A3、A4、B5のように父母由来が混ざって生殖細胞は出来ます。このように偶数組がその半分になることを減数分裂といいます。

つまり、セイヨウタンポポは三倍体で二つに分かれること(減数分裂)ができないので生殖細胞が作れず、有性生殖が出来ないのです。

しかし、普通はそうなると種は出来ないのですが(種無しスイカはこの原理です:種無しブドウは違います)、セイヨウタンポポは進化の過程で偶然種を作るものが出来てそれが広まっていったものです。
受粉せずに種子を作るのです。つまり、親のクローンです。

ということは、完全に隔離された状態でも種子を作ることができ、都会の真ん中などで一本しかなくても種子・綿毛ができるのです。


一方、日本のタンポポの多くは二倍体か四倍体で有性生殖を行います。(三倍体のものも存在するようですが)

ところが、ここで面白いのが、“セイヨウタンポポとニホンタンポポの雑種”が出来るという現象です。

不思議ですよね。

なんと、生殖細胞が出来ないはずのセイヨウタンポポが花粉を作るそうです。
その花粉は2組か3組の染色体を持っているそうです。(2組の場合は不完全な減数分裂を行っていることになりますね。)

その花粉をニホンタンポポが受粉して、その種子は3組か4組の染色体を持つようになるそうです。


強いですね、セイヨウタンポポ。


セイヨウタンポポのような減数分裂・受精を行わずに母親の遺伝子のみで卵を作ることを単為生殖といいます。

これを行っている昆虫がいます。

アブラムシです。

アブラムシの群れ(?)には基本的にメスしかいません。オスは年に1回しか生まれないのです(越冬用の卵はオスとの有性生殖でしか生まれないそうです)。ところが、アブラムシは年に何十世代も子供を生みます。1世代以外は全てメスです。しかも、オスなしで子供が生めます。つまり、自分の分身をどんどん作ってるわけです。
詳しくは知りませんが、オスが生まれるときだけ、何らかの酵素かなんかで染色体を変えているのでしょう。

アブラムシは、幼虫の状態で生まれるのですが、5日前後で成虫になり、また幼虫を生みます。
そして、増えすぎて栄養が足りなくなると羽が生えた幼虫が生まれ移動します。そして、そこでまた幼虫を生みます。

アブラムシが凄まじい数存在するのはこの驚異的な繁殖能力の為です。

ほんと恐ろしいまでの増殖能力です。


なんか、こういう話で終わりたくないので、もう一つお花の話をします。

彼岸花って知ってますよね。あれ、花はありますが種はないんです。
彼岸花の種、見たことありますか?

ないですよね。(海外では種類によっては種ができるものもあるようです)

あれも三倍体なんです。でも、セイヨウタンポポのように種子を作るようなことは出来ません。

というか、種を作らずに繁殖できるって所が凄いですよね。
彼岸花は、球根が分裂して種子の役割を果たしているんです。

ただ、そうなると、誰かが球根を動かしてくれないと、隣にしか生えないってことですよね。動けて数cmです。

日本中に広がったのは私達の(先祖の)お陰でしょう・・・なんか、昔、あれ(球根)を非常食として食べてたらしいです。

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2005年05月25日

樹齢

樹齢ってどうやって計ると思いますか?

やっぱり、年輪でしょうね。

では、屋久杉など数千年の寿命を持つという植物の寿命はどうやって計ると思いますか?


実はこれも年輪なんです・・・。


凄いですよね。さすが、フィールドワークです。

私も数字なら1000まで数えたことはありますが、ルーペを見ながら年輪を何千も数えるなんて出来ません。

凄い忍耐力ですね・・・。

最近は、考古学などで使われている放射性炭素による年代測定法も使われるようですが、大気中の放射性炭素の比率は時代により異なる為、精密な時期を計算する為には誤差の補正が必要です。

その補正は・・・年輪で行うそうです。

つまり、結局は年輪を数えるんですね。

まぁ数本のデータがあれば残りは放射性炭素年代測定法で分かるのでしょうから、楽にはなっているでしょうが、一度は人間が数えないといけないんですね。

でも、放射性炭素の利用は長寿の木や熱帯の年輪のない木に対してであって、普通の木の場合はやはり年輪で調べるそうです。


目が悪くなりそうですね・・・。

posted by new_world at 05:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月01日

松の樹高

最近知ったのですが、松って実は背が高いですよね。続きを読む
posted by new_world at 14:35| Comment(4) | TrackBack(0) | 生態の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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